日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

チェルノブイリの教訓、出てたわ。

2011-05-20 05:01:44 | Weblog
昨日は、ニュースウォッチで菅谷医師の教訓が伝わらないと書きましたが、NHKの「かぶん」ブログに全文掲載という画期的なことが行われていました。
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/100/82400.html

僕が予想していた通り、内部被曝に警告をされている内容ですが、僕が気になったのは、出席者の女性の、

Q「内部被ばくのことで、私たちが気をつけなければいけないこととして、国や県とかで出している暫定基準というものがクリアしたものが市場に出ているということで、私たちはそれを信用して、摂取していくことしかないと思うのですけども、それでよろしいのでしょうか。」

という質問に対して、

A「基本的には日本の場合、大変厳しい値を、まあ暫定ですけどもとったのは、これは実は日本じゃなくてですね、国際放射線防護委員会、あるいはまた、WHOとか、IAEA、国際原子力機関って、これが出している値を参考にして、日本が暫定的につくって、つくったものです。」

という先生の答えです。

え? 厳しい値って、国際基準ってそんなに高かったっけ? と、皆さんもお気づきでしょう。

WHOを参考しているといっても、「原発事故」、「核戦争」、「テロ」などの食料調達が難しい緊急時に限り適用してもよい方の数字を取り出して、厳しい基準値だから安全だと、マスコミでは報道しているわけです。しかし、これでも今の暫定基準値は、水道水は300ベクレル/リットルとWHO非常時の3倍ですし、野菜のヨウ素基準値が2000/kgベクレルというのもWHO非常時の2倍になるので厳しくもなんともないでしょう。

暫定基準値が通常の食品安全基準のように伝えられています。本当は核戦争が起きたときの基準値の2倍~3倍ですよと、伝えるのがマスコミの役割なのに、それを気にして食べなければ「風評被害」だなんて本当に酷い話です。

それで、こんな食生活を1年間続けると積算で17ミリシーベルトの体内被曝になるそうで、これが政府の年間20ミリシーベルトに引き上げたい根拠となっているようです。

原発で作業していた人が、50ミリシーベルトの放射線を受けて白血病で亡くなり、労災認定を受けたというのに、この基準はどう見ても高いでしょう。

ちなみにWHOが定める平時の基準は、ヨウ素131は100ベクレル/Kg、水が10ベクレル/1リットルになり、これでようやく年間1ミリシーベルト以内に収められるのですが、ドイツの基準値はさらに厳しく、この10分の1だそうです。

皆さんご存知の通り、日本は汚染されていない食糧調達が難しいわけでも何でもないわけで、スーパーに行けば安全な食品を選別して食べることもできるわけです。

本当は全ての食品に放射線量を明記して欲しいくらいなのですが、国はグリンピースの海洋調査まで断ってしまう始末ですから、もうどうしようもありません。

広島の原爆を体験した医師の肥田舜太郎さんによると、広島、長崎の原爆投下後の内部被曝は、米軍により数十年もの間報道が伏せられてきたそうですが、それが低線量の論争を遅らせてきた原因であると考えられなくもないです。

核実験を繰り返し、スリーマイルも経験し、広島・長崎も占領して調査した、世界で最も放射線被害データを持っている米国の水道基準値が0.11ベクレムと厳しいのは何を意味するかです。

その肥田先生が福島の被災地に行き、福島の人の下痢が多くなっているのを診断したときに、広島の原爆症とそっくりだと感じたそうですから、もう時間の猶予も無いのでしょう。

水俣病でも、鉱山病でも、医者が出てくるようになったときには手遅れなのだそうですから。

何度も書きますが、食品は選別しましょう。

チェルノブイリ周辺地域のように、牛乳や野菜を地産地消でしか、食品を調達できない国とは違うのですから。