日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

総理大臣の権力と、大統領の権力はどちらが上か?

2011-05-16 23:50:47 | Weblog
総理大臣の権力が弱いというイメージがあるので、日本も大統領制にしろとか、国民投票制にしろとか言う人が少なからずいます。

今日のテレビで、日本の総理大臣には行政権と立法権の両方を使える権力があり、ある意味大統領制よりも上だという話を聞いて、6年前の「株式日記と経済展望」に書かれていた記事を、思い出してしまいました。

株式日記と経済展望より
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/d/20060913

小泉内閣の功罪としては権力を官邸に集中させた事ですが、安倍氏が新首相になった場合にうまく機能するだろうか? 小泉首相はYKKの時代から経世会を相手に渡り合って来たから、ある程度のリーダーシップは持っていた。安倍氏の場合はタカ派のイメージではあっても政局の修羅場の経験があまりない。

日本の総理大臣がこれだけ権力が集中すると責任の重さに潰されてしまった首相もかなりいる。ある意味では日本の総理大臣はアメリカの大統領よりも権力が集中している。アメリカの大統領には議会の解散権はないし、二期八年経ったら辞めなければならない。それに対して小泉首相は自己の判断だけで衆議院を解散させてしまった。

それくらいのワンマンでないと日本の総理大臣は務まらないのかもしれない。かつては権力が分散して各自に任せていればよかった時代もあった。だから誰がなっても総理大臣が務まったとも言えるのですが、安倍氏が総理大臣になったときに集中した権力を使いこなす事ができるだろうか?


(引用終わり)

結局、安倍氏は身体的な不調から首相の座を降りることとなりましたが、体調を崩して公務が執行できないほど権力の重圧に潰されてしまったものだと思われます。何のために総理になったのかすら記憶に薄い、福田康夫氏も同様でしょう。

日本の総理大臣は、一個人では背負いきれないほど権力が集中している上に、脱官僚なんて本気で言っているのですから、そこに物凄い時間のロスが生じて、経済復興どころか、震災や原発事故の復興が遅れている一番の原因になっていると言えなくもないでしょう。

党の支持率の高い時を狙って解散できる解散権を持っていることが菅首相にとっても命綱なのですが、これだけ被災地が困っているときに居直られるのは困ったものでしょう。

そういう意味で、総理大臣の権力を完璧なものにするには、参議院選というのは衆議院選よりも遥かに重要になっているのですが、消費税を増税するといって、大事な参議院選を大敗させてしまった菅首相の自業自得なわけです。

まあ、あれもできない、これもできないではなく、権力があれば政府紙幣発行で財源を作ることも、放射能汚染地表をブルトーザで削り取ることでも何でもできるのですが、頭の中が空き缶では原発事故の収縮もフランスやアメリカに頼る以外に、何もできません。

大見得を切って発足させた、震災復興会議の五百旗頭議長の最初の一言が、「増税」なのですから、もう被災地の人たちの話しじゃないですけど、人間あまりにも悲しみが深すぎると、逆に笑いがこみ上げてくるという末期症状に似た感じにこちらもなってしまいます。

浜岡原発を一時的に止めた事は評価できますが、安心できるのは最初だけで、2年後に本格運転を確約させてしまうというディメリットの方が大きくなるかも知れません。

プラザ合意の道筋をつけて超円高にしてしまった中曽根康弘が言っていたことで申し訳ないのですが、総理大臣は物凄い知識量と見識がないと勤まらないというのは本当だと思われます。

空き缶ではなく、中身の詰まった亀にすれば展望が開けるのですが、田中康夫氏がどうにか、次の内閣をまとめてくれないものでしょうか。

TVタックルじゃないけど、「宰相不幸社会は、いつまで続く?」といったリアル駄洒落が、どこまで続いていくものやら。