日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

日曜日のサンデープロジェクトを、振り返って

2008-02-09 17:26:45 | Weblog
「オエーっ」と、思い出すのも嫌気が差しますが、日本をダメにした二人が先週のサンデープロジェクトに映っていました。

竹中平蔵と、木村剛の売国コンビがなんやかんや喋っていましたが、司会の田原総一朗が、我々に縁の深い菊池英博さんの文芸春秋の記事について言及しているのを聴いて、買ってみました。

もう2月9日に新月号が出てしまうので、これから手に入れるのは困難かと思われますが、菊池英博さんがずっと以前から主張していたことを、伝いもれなくコンパクトにまとめられていたので、感心しました。

菊池先生の仰るように、アメリカの紙府や学者が日本には財政危機など存在しないと考えているのは本当でしょう。1600兆円の個人金融資産があり、政府の金融資産は538兆円、国債資金は殆ど国内で調達しており、世界最大の貿易黒字国である日本が、財政危機だなどというのがおかしいのです。

社会保障制度にしても、西洋の年金は、数ヶ月分の積み立てしかないというのに、5年分も6年年分も、金引当金を積んでいる日本の年金資金はどんどん積み立て金額を増やしていますし、社会保険も破綻というほどではありません。その運用益で年金財政を楽にしようなんてことも、考えていません。さすがの竹中も嘘がばれたので言わなくなりましたが、ずっと前から先進国でもっとも小さな政府です。20年来の不景気や、9年連続で国民所得を落としているのは、国が再分配機能を放棄してしまったのが、最大の要因でしょう。

混合診療の導入などは、マイケル・ムーア監督の『シッコ sicko』のように患者が傷口を手縫いで縫合するような未来しかなく、頭が狂っているとしか言いようがありません。金持ちと貧乏人が、腕のいい医者のいるところに、同じ病院で順番待ちで並んで、同じ処方を受けられるのが、日本の医療制度のいいところであったはずです。

しかし、木村剛は政府が消費者金融のグレーゾーンを撤廃したことにお怒りのようで、何を言っているのだと、思わず注目してしまいました(笑) 木村は、個人消費者の悲惨な現状はともかく、中小零細企業が金を借りる先がなくなったことが、問題だと言っていました。

彼は、日本振興銀行の頭取でもあったわけですから、サラ金に銀行の金を貸して大儲けしていたので、彼らに肩入れする心情は判りますが、こんなものは元々社会悪です。

だいたい薄利多売の時代に30%近い金利を借りて、まともに返済できる中小零細企業など殆どありませんから、サラ金から借りて行き詰まった経営者は、資産を全て手放してしまったり、自殺して生命保険金で返すことになります。

そんなことよりも、地方銀行や信用金庫が、金を貸すことのできるような経済にしなければ、話は本末転倒でしょう。

中小零細企業は、株を上場できる会社のように、資金を自己調達できませんし、都市銀行も金を貸してくれません。

その上、日銀は金融引き締めと、利上げ傾向ですから、元自営業者の派遣社員がぼくの職場にもたくさんいる理由が判るというものです。

商売の隙間なんてものは、景気が上昇しているときにしか、開いていないんですわね。