ねこらい堂  「おやじマニアの日常」

NEKOのブログです。最近は更新が滞りがちですが気長にお付き合いくださいませ

勇気を出してはじめてのデジコミ または勇気を出してはじめての巨大ロボット

2008-12-09 23:32:05 | デジコミ
デジコミというものに、どうも馴染めませんでした。

大学生の時にはじめてつけペンと墨汁で漫画を描いて以来
ずっと紙と墨汁で漫画を描いてきましたもので。

ペンと紙と墨の感じにすっかり慣れ親しんでしまって、
ペンタブで描いて、画面に線が出る、というデジコミというやつに
どうも馴染みませんでした。

年食うと頑固になってくるって、本当だなぁ。

小生も昔ながらの方式に拘るオジンになっちまったのかなぁ。

閑話休題。
メカ描きというものが苦手でした。
メカは概して、直線と曲線で構成されていて、
フリーハンドと定規の絶妙な組み合わせが必要で
面倒くさがりの小生はこれがまた苦手。

今世間を騒がせている賊と同じ読みをする、すごく上手い同人作家さんと
古くから友達でして、兎に角、彼の描くメカは上手い。

「ああ、これは才能というものだ。
 これには対抗できない。どうしようもないな!」

と、あっさり観念して以来メカはずっとNEKO、いや猫跨ぎを
してきました。
決め付けが早すぎたのかもしれませんね。



先日、新刊も落ちたことだし、のんびりとデジコミの練習をしてみたのです。
道具は以前購入したINTUOS3のタブレットとComicSTudio4.0。

普段の執筆には、デジコミはもっぱらトーン貼りと仕上げ用として使っていて
主線描き(輪郭のペン入れですね)としては使ったことがありません。

ということで、その日は主線描きの練習です。

テーマは、苦手なメカ。
モチーフは巨大ロボット、我らがバルディオスです。
バルディオスを鉛筆で下書きして、スキャンで取り込み。



それをベースに、ペンタブでペン入れです。
幸いなことに、ComicSTudioではヨレた描線でも
強引に美しい線に矯正してくれる「補正」という機能があります。

人物を描く時にこれを使うと、非常に味気ない、
血の通わない絵になる感じがして、どうも気乗りがしなかった
一因でもあったのですが・・・。

果たして、バルディオスを恐る恐るペンタブ(補正機能付)
で描いてみると・・・・。

「こいつは、いい!」

ヨレヨレ線でも綺麗に正しく補正してくれるので、
メカの描写には、非常に具合がいい!

ちなみにベクターモードで描くと一本一本線を消せるので、
何回も線を失敗する小生にはぴったり!

あと感じたのは、トーン貼りと仕上げ工程だけとはいえ
「アフロディア・・・」の原稿と150頁近く、ペンタブとデジコミで
格闘したせいか、デジコミの「感触」がなんとなく手ににじんでいる。

あと、絵を描く上でいちばん大事なこと・・・。
「描いていて、楽しい!」

あまりにも楽しいんで、苦手なメカなのに、
気が付けば午前3時過ぎまで嬉々としてペンタブを握って
いた次第。



学んだこと。

・デジコミは紙と墨の代替物ではなく、全く別物の道具。
 紙と墨のタッチとは別物のsomethingであると知ることが、デジコミ習得への第一歩。
・新しいことを始めるのに「遅すぎる」ことはない。習うより慣れろ!
・巨大ロボットは、骨格と筋肉の構造は人間と同じ(ある意味あたりまえの話)。
 ロボット描きは人物描きの延長。違うのは、パーツの面取りとパースの使い方!

どうしよう・・・。
巨大ロボット描きの愉しさにも、目覚めてしまった・・・。

ちなみに・・・。
バルディオスを骨格と関節で、厳密に解釈すると
アクションポーズが取れないのですね。
特に肩と腰部分が、非常に可動範囲が狭いことを初めて知った次第。
よって、その部分はだまし絵になってます

そのため、たとえば正座をするバルディオス、
または吊り革につかまっているバルディオス、
こいつは難しいと思います!

昔のアニメーターさんは偉い!
この関節の動かないロボットを
よく動かしたものです。