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格安航空会社参入相次ぎ 安全規制の緩和進む。 LCC第1号「ピーチ・アビエーション」(大阪府)

2012-07-31 | その他の政治経済

格安航空会社参入相次ぐ

 国が規制緩和
で競争支援 安全低下 労働者にしわ寄せ



 今年は格安航空会社(LCC)が相次いで参入した「LCC元年」です。国土交通省などは運行や安全に関わる大幅な「規制緩和」を進めています。
航空会社の経費削減を支援し、国際競争力を高めるのが狙いですが、空の安全はどうなるのか―。 (遠藤寿人)

 機長などでつくる「日本乗員組合連絡会議」(日乗連)と「航空労組連絡会」(航空連)は、「航空輸送の安全確保にとって(規制の)見直しをすべきでない」と、国交省に10項目の「中止」要求をしています。

 国交省の「規制緩和」は、2010年の同省「成長戦略会議」を踏まえたもの。11年から13年の3年間を「集中改革期間」に設定。「日本の空を世界へ、アジアへ開く、徹底的なオープンスカイの推進」を掲げています。
 同省は昨秋、国内航空各社から規制について要望を聴取。有識者会議「安全に関する技術規制のあり方検討会」で要望を120項目にまとめ、省令や通達の「改正」で順次実行に移しています。
 
 規制緩和の具体的な内容をみると・・・。
 ▼60歳以上のパイロット(加齢乗員)を2人乗せることを認める。
 ▼パイロットの資格審査で実際の航空機ではなくシミュレーター(模擬操縦装置)で行う。
 ▼航空機内に乗客がいる場合でも給油することができる。その際、整備士の立会いも不要にする。

 日乗連らは「加齢乗員」について「人手不足による乗員繰りを目的とした制限の緩和は行うべきではない」。シミュレーターの活用は「実機との感覚違いが大きく、安全性の低下に極めて大きな影響を与えます」と申し入れ書で批判しています。

 LCC第1号となった「ピーチ・アビエーション」(大阪府)は「日本の規制は海外より厳しい。国際競争力を高める上で規制緩和は重要だ」といいます。

同社は航空機到着から離陸までの「折り返し時間」を「30分」に短縮。機体を高稼働させるビジネスモデルを徹底しており、「『折り返し時間』がかぎだ。乗降中の給油はありがたい。パイロットの数を確保する上で加齢乗員もありがたい」と規制緩和を絶賛しています。

 一方、航空連は乗降中の給油に「中止」を求めています

元整備士の津恵正三事務局長は「給油中に蒸発したガスが過熱したエンジンやブレーキに引火する恐れもある。これまで給油には整備士が立会い燃料の品質や搭載量などを確認してきた。これからはすべて燃料業者任せになりかねない」と懸念します。

 07年に沖縄県那覇空港で起きた中華航空機事故は、給油中ではありませんでしたが、燃料がブレーキに漏れ火災へ。整備士が発見し大事に至らなかった例です。

 国交省は給油の監督者として、「航空会社に緊急時の対応を教育され管理されるなら、燃料業者が監督者となる場合もありうる」と答えています。

 津恵さんは「航空分野では『オープンスカイ構想』『アジア・ゲートウェイ構想』など自由化の競争政策にあわせて安全規制も緩和されてきた。競争の促進と安全性の担保は矛盾する。その結果、現場の労働者や運航時間短縮などにしわ寄せがくる。安全規制の強化ではなく、『緩和』だけが進んでいる」と厳しく指摘します。
(しんぶん赤旗2012・7・19)。


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