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痒みのメカニズム、意外な正体が判明

2013-05-30 | 病・体質改善
痒みのメカニズム、意外な正体が判明
Christine Dell'Amore
for National Geographic News
May 27, 2013


 なぜわれわれは痒(かゆ)みを感じるのか? それは科学の大きな謎だ。


 マウスを使った研究によって、痒みの感覚を引き起こす“犯人”が見つかった可能性がある。心臓で用いられている分子が脊髄にメッセージを送る役割も担っており、これを受けた脊髄がおなじみの皮膚がムズムズする感覚を生み出しているという。

 従来、痒みは弱い痛みと考えられていたが、この研究結果によって痛みとは別の現象であり、「独自の回線で脳に伝わる」ことが明らかになったと、研究共著者でメリーランド州ベセスダにある米国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)の分子遺伝学者マーク・フーン(Mark Hoon)氏は声明の中で述べている。

 マウスとヒトは生物学的に似ている・・・


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 マウスを使った研究によって、痒みの感覚を引き起こす“犯人”が見つかった可能性がある。心臓で用いられている分子が脊髄にメッセージを送る役割も担っており、これを受けた脊髄がおなじみの皮膚がムズムズする感覚を生み出しているという。

 従来、痒みは弱い痛みと考えられていたが、この研究結果によって痛みとは別の現象であり、「独自の回線で脳に伝わる」ことが明らかになったと、研究共著者でメリーランド州ベセスダにある米国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)の分子遺伝学者マーク・フーン(Mark Hoon)氏は声明の中で述べている。

 マウスとヒトは生物学的に似ているため、人間もこれと同じ回路を持っているのではないかと研究チームは考えている。

 また、今回の研究をきっかけに、分子が痒みを引き起こすのを阻止する方法が見つかる可能性もある。特に湿疹や乾癬などで慢性的な痒みに苦しむ多くの人々にとって、人生を変える治療法になるかもしれない。

「痒みは痛み以上に治療を必要とする深刻な症状として認められつつある」と、カリフォルニア大学デービス校の神経生物学者で痒みを研究するアール・カーステンズ(Earl Carstens)氏は話す。カーステンズ氏は今回の研究には参加していない。

 痒みがあまりにひどく、頭蓋骨をかき貫いて脳まで達してしまった女性の例もあるとカーステンズ氏は言う。「痛みに比べ、われわれは痒みのことをあまりに知らない。今回の研究は痒みの基本メカニズムに関する知見を増やしてくれる」。

◆痒みの源に迫る

 痒みを引き起こすのは、B型ナトリウム利尿ペプチド(NPPB)という心臓から分泌される分子で、腎臓が排泄するナトリウム量を調節することで血圧を制御するはたらきが知られている。

 チームがNPPBを研究することに決めたのは、痒みを感じる細胞から適切な分子を見つけ出す過程で、NPPBが有力候補として浮上したためだ。

 しかし、それにはまずNPPBが脳に痒みを感じさせる神経伝達物質として作用していることを突きとめなければならなかった。

 そこでチームはマウスの皮膚にNPPBを注入したが、何も起こらなかった。ところがNPPBを脊髄が他の神経と連絡する部位に注入したところ、マウスは体をかき始めた。痒みの発生を示す何よりの指標だ。

 続いてチームは、NPPBをもたないマウスを遺伝子操作で作りだした。痒みの原因となる複数の化合物にさらしたところ、マウスは全く体をかかず、「これだとわかった」とフーン氏は述べる。NPPBをもたないマウスは痒みを感じることがなかった。

 痒みの感覚それ自体は、おそらくわれわれを疾患から守るために進化したものだとフーン氏は述べる。「痒みというと、あの皮膚を伝わるいやな感覚を思い浮かべるかもしれないが、痒みはわれわれを守り、皮膚についた刺激物を害になる前に取り除くための手段だ」。

◆2つの役割を兼ねる分子

 カリフォルニア大学デービス校のカーステンズ氏は、痒みとは縁遠い役割を担うNPPBが痒みを引き起こしているとは「思ってもみなかった」と話す。

 研究を手がけたフーン氏も、「この分子が心臓から分泌されているというのが実に奇妙」だと述べる。

 しかし、われわれの体はきわめて効率的にできており、NPPBのように特定部分に複数の仕事をさせる方法を見出すこともよくあると両氏は指摘する。

 フーン氏はこれを「生物学的なカセットテープ」にたとえる。体の異なる器官で「再生する」と異なる反応を示すからだ。今回はたまたま痒みを引き起こす分子が見つかっただけで、われわれの体には2つの仕事をこなす分子がほかにも存在するのではないかとフーン氏は考えている。

 今回の研究は「Science」誌5月24日号に発表された。



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