今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

猫エイズ発症の話 ~改めて「正しく恐れる」~

2024年04月08日 | ハリー(灰白)とシロキ(白黄)
シロキの過去記事に「正しく恐れる」(2020.9.24)というのがあります。
猫エイズウィルスは弱いのでそんなに簡単には移らない。
なので特にエイズキャリア猫だからといって区別や差別はしない。
血液や体液の交わる可能性については注意を払うけど。
もともとの怪我でもない限り、食べ物の共有や甘噛みくらいでは移らないのでは。
むしろ隔離したりすることによる不便さや猫自身のストレスの方が問題ではないか。
そんな内容だったのですが、今でもそう思っています。
Mさんなども同意見で、猫育て経験の多い人は結構わかっているのかなと。
でも、自分にはある視点が抜けていた。

先日のシロキの記事「余命3ヶ月、もって半年」での若い先生の話。
自分と話すうちにその言を引っ込めてしまったけど、ずっと頭に残っていました。
自分の勢い(反論)が凄いので、まるく収めただけのようで・・。
その後、ココのエイズが判明したとき(別の病院です)、そのことを先生に訊いてみた。
この先生はエイズ猫隔離主義者だけど、とてもやさしくてお人よし。
患者(保護者)の嫌がることをなかなか言えないので、シロキの話はしなかった。
するとその先生の話の内容は、先日の若い先生が言いかけたことと同じだったのです。

サクラ部屋(物干し部屋)でサクラと熱帯果樹と

自分に欠けていた視点というのは、エイズが発症したらどうなるのかということ。
早速、シロキの介護をしながら徹底的に調べてみた。
「猫エイズ発症」などのキーワードでネット検索すれば5万と出てくる。
予防(伝染性)のことばかり気にしていた自分が素通りしていただけだった。
で、改めて熟読してみると猫エイズには段階があって;
1.急性期:感染した当初の数週間~数か月間。発熱したりリンパ節が腫れたり。
2.無症状キャリア期:いわゆる潜伏期間で普通の猫と変わらない。
3.リンパ節症期(PGL期):リンパ節が腫れてくると発症の前兆。期間は数ヶ月。
4.エイズ関連症候群(ARC期):口内炎、カゼ症状、皮膚病など(特に口内炎が多い) 
5.エイズ期:最終段階。体重激減、重度の貧血、日和見感染、悪性腫瘍。予後数ヶ月。

本格的に発症してしまった段階が最後のエイズ期です。典型的な症状が貧血。骨髄が破壊されて赤血球や血小板を作り出せなくなるため、重度の貧血になるし、些細なことでも血が止まらなくなる。さらに免疫機能が落ちるので腫瘍が発生したりする。日和見感染とは、例えば腸内細菌など普通なら問題ない細菌にも身体が負けてしまうこと。
そうなんです。実は貧血はエイズ発症の重要なサインだったのです。
シロキは何故貧血を起こしたのか・・自分の疑問が最悪の形で解消しました。
先日の若い先生は、自分と初対面だったので本音をそのまま話しただけだった。
でも自分の反応が凄かったので、強く言い続けることができなかったのではないか。

サクラ(右)とも仲良しになりました

今朝も口の奥から血が滲み出ていたシロキ。エイズ発症の最終段階を疑う余地はなかった。余命3ヶ月という若い先生の話は最も妥当な予想だったのです。
そのときの先生はインターフェロンやステロイドによる免疫サポートや供血猫の話までしてくれたのだが、何しろ一生続けることになるので費用などの面でも現実的ではないと。
いやそれより何より、それでシロキが快適に過ごせるのか。
今の状態から改善できるのか。

ちなみに潜伏期間の話、長生きした例はニュースになりやすいが、平均をとると5年程度らしい。そんなに長くはないのだ。
保護猫の場合はいつ感染したかわからないが、シロキを保護した時の先生の見立てで2~5才と幅が大きかった。だとすると今は7才半~10才半。
年齢的にも、いつ発症してもおかしくなかった。

去年の秋、リン(左)とオジンの膝上で

シロキの容体は一進一退。
この2日ほどまったく食べず、何とか流動食なら飲みそうなので、スープ系の固形分を除いたりしてやってます。
ネットでもいろいろ買いあさっては失敗続き。
薬は病院から新規調達したけど、薬を混ぜるとわかるらしくどうしても飲まない。
昨日はついに薬入強制給餌。シロキも自分もぐじゃぐじゃになってしまった。
でも、もう止めます。シロキが最大限快適でいられるように。それだけに集中します。
幸い、今朝は少し食べました。

大事なことは、FIV陽性が判明したら発症を遅らせるように手を尽くすことではないか。
エイズの感染力は強くはないが、感染して発症するととても残酷な病気だ。
シロキは猫生半ばなのに、もう猫らしく駆け回ることもたらふく食べることもできない。
衰弱していく姿を最後まで見守るだけなんて、保護者にとってそれほどつらいことはない。
現時点で既に、下腹部では左右腹皮のクリアランスが1cmほどしかないのです。

ストレスがエイズ発症の要因のひとつだと言う。
やはり隔離はしないで、他の方法で感染リスクを下げる検討をすべきだと思います。
正しく恐れる。シロキが存命のうちに勉強できたのがせめてもの救いです。

昨日は5日ぶりに晴れ間がでたので久々の日光浴


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ココの去勢手術 | トップ | ニャーと先住猫たち »

コメントを投稿

ハリー(灰白)とシロキ(白黄)」カテゴリの最新記事