前編(リン、クウ、キーカテゴリー)より続きます
さて、後編はシロキの登場です。
過去記事を見ると、"ブサイク、デブ、ドジ、おにぶ"とさんざん書いて来た。
その一方で、"温厚、平和、泰然自若、手間いらず"と誉め言葉も一番多い。
他猫に手を出すことはまずしない"安全パイ"で、(ニャー以外には)怖い相手もいない。
遠慮はするし気遣いの塊で、時には逃げ魔のクウにだってかまわれちゃう。
それでも何気に図々しく自分の居場所を確保する。居場所はいつも猫たちの真ん中だ。
果たしてシロキは強いのか、弱いのか。そのヒストリーを洗ってみました。
わが家では安定感随一のシロキ
<家裏時代>
家裏でのリン一家とソトチビの共同生活が終焉を迎えたのが2018年の3月。
その直後に灰白くん(その後ハリー)、続いて白黄くん(現シロキ)が家裏に現れた。
2匹は当初仲良く食べていたがやがて餌場争奪戦を繰り広げ、その喧嘩声の騒音が住民問題に発展。(シリーズ「ノラと家猫と」その1参照)
その時シロキは断然強く、勝手口に近づけないハリーの切ない声が騒音になった。
7月にハリーを家の中に保護して騒音問題は一件落着。
ところがシロキはまだ鳴き続ける。
ただ、シロキの鳴き方はそれまでとは違っていた。
実はハリーを保護した直後に現れた新顔ちゃん(現サクラ)がいたのです。
姿を見せないほど警戒心が強い、左耳カットされた推定1才足らずの女の子。
シロキはそのサクラに目がハートになっていた。でも求愛するにも何ともおにぶ。
しかもご飯は譲らないとあって、結局サクラに嫌われた。
シロキを家の中に保護したのはその年の12月、ソトチビの再来を期してのことでした。
新顔ちゃん(サクラ・手前)にご執心のシロキ(再掲)
<家猫生活>
"りんご猫"のシロキはしばらく保護部屋で過ごした。
やはりりんご猫だったハリーは、その時はすでに里親さん宅で暮らしていた。
年が明けて、その部屋に同じくりんご猫の番長テンちゃんが療養のため合流。
テンちゃんはやっぱり怖い。怖いけど、シロキは逃げも隠れもしなかった。
2匹は無難に過ごし、間もなく解放されてわが家の猫社会の一員となる。
ニャー、みう、ちび太にリン一家のわが家に、シロキとテンちゃんが合流した。
テンちゃんがまったく他猫を気にせず他猫からも一目置かれたのに対して、
シロキはかつてハリーを駆逐したあの勢いはどこへやら、まさに遠慮の塊だった。
特にニャーには天敵のごとく頭が上がらず、ひたすら逃げまくった。
それもそのはず、外猫時代にリード付のニャーに何度か"お仕置き"されていたのです。
案の定ニャーは再びシロキに眼付けを初め、お仕置きすることも度々だった。
ニャーはやっぱり怖い(再掲)
そのニャーが、保護者との不和に起因するストレスで深刻な病気になった。
やがて一命をとりとめたニャーは保護者と雪解けを迎え、その攻撃性が消えていく。
その過程で差が出たのです。
相変わらずニャーを警戒し続けるリンとクウ、一方のシロキは警戒心を解いていく。
眼付けをされれば身を低くして避けるが、逃げることはしなくなった。
かくしてシロキは、目立たないのに存在感のある独特の立場を確立したのです。
他猫を威圧することはないが、気持ちの上で引けを取ることもない。
シロキは子猫に優しく、その後迎えたチキン、キリン、ポニーらに慕われた。
今や怖いものなしの悪童チキンとポニーも、シロキを追うことはしない。
ニャー以外の猫たちが繰り広げるコタツ争奪戦、シロキはそんなことには無頓着。
誰がコタツにいても自由に出入りできる唯一の猫だ。
お遊びのチキンとキリンを見守る(再掲)
どうでしょう。
一見無難に過ごしてきたシロキにも、それなりに不遇の時代があったのです。
それを持ち前の"能天気ぶり"でやり過ごしてきた。
何故、シロキは能天気でいられたのか。
前編でも述べた、いじめる側といじめられる側には差がないという認識。
その無意識的な理解が、「怖くても臆さない」という行動となって、シロキの道を切り開いてきたように思えるのです。
より高度で陰湿な人間の場合には、そう単純ではないかもしれないが・・。
チキン(左)とシロキは大の仲良し
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