実はこのシリーズ、言いたいことはもう書き尽くしました。それでも定期的に書かずにはいられない。なぜなら、環境省をはじめ全国津々浦々の自治体、動物愛護団体(NPO法人など)が、こぞって「(不幸な猫をこれ以上増やさないために)野良猫に餌を与えてはいけない」と訴えているからです。それを様々なメディアが取り上げ、今や社会常識化しているからです。
つい最近も「猫殺処分数日本一の長崎市がついに動物愛護条例を制定。これ以上不幸な猫を増やさないために不適切な餌やりを禁止する」というニュースがあった。また朝日新聞の声欄には高校生の投稿で、「僕は猫が好きだ。だから不幸な猫を増やさないために野良猫には餌をあげないことにした」という意見が掲載された。
シャッポ 付き合い期間9ヶ月 ニャー、チビとともに初代店の看板猫
最終確認2016.12.24 (写真は行方不明となった当ブログ主要キャスト)
この問題の本質を要約すると;
1.野良猫の主たる食べ物は人の施しものである。
2.多くのサイトが書いている「虫や小動物を食べる」と言うのは、野生の猫についての話。
3.野良猫が生きる人間社会(特に都会)には、獲物となる生物がさほどいない。
4.特に冬は虫などの"自然の食べ物"は殆どなく、また暖地性の猫には厳しい気温。
5.以上のことから、すべての人が食べ物を与えなければ野良猫は餓死する。
6.「将来産まれる不幸な子を増やさない」=「今いる猫に産ませない」
7.つまり、今いる猫に死んでもらおうということ。だからエサを与えない。
この言葉の矛盾は上記の6と7だけで明白だ。目の前の猫が死なない限り、いつかは"将来不幸になる猫が産まれる"のだから。つまり「餌を与えない」目的は今いる猫を殺すことなのです。TNRでも推奨しない限り、結局1から5の理屈で目の前の猫を餓死させろと言っているのと同じなのです。「将来の不幸な猫を増やさないため」などといかにも動物愛護的な表現ではあるけど、その真相は殺処分に勝るとも劣らない(野良猫に対する)残虐な行為なのだと肝に命じるべきだ。
ちなみに、これも何回も書きましたが、「(野良猫への)餌やり禁止」は法律違反です。(動物愛護法) 法律はそんなに野良猫に冷たくありません。各自治体の条例をよく読めば、餌やり自体を禁止しているものはひとつもない。餌をやる時は他人が迷惑と感じないよう気を遣えと、当たり前の事を言っているだけなのです。さらに環境省もどの自治体も、同時に地域猫活動を推奨推進しています。しかしそういうことまで把握せず、うわべだけを認識して理解したつもりになってしまう。メディアの報道も「餌やり禁止」と間違われるものが多い。これが問題の真相なのだと思います。
ソトチビ 付き合い期間2年6か月 みうとリン一家をわが家に連れて来た
最終確認2018.2.10
もうひとつの大きな問題。
野良猫が増えるのは自然出産だけですか? 仮に今いる野良猫が1匹も産まなかったとしても、野良猫は増え続けます。売れ残ったら遺棄するしかないペット業界。さらに去る6/29に書いた「社会の闇・・・」の通り、善良なる市民が毎日のように、当たり前のように猫を捨てているのです。実際、昨日1日で猫捨てに関するニュースは自分が気付いただけで5件もありました。「不幸な猫を増やさないために」と本当に思うのなら、この自然増に勝るとも劣らないくらいの猫捨てを放っておけるはずがない。
誰も悪気はないのに「野良猫を餓死させろ」の大合唱。片や野良猫を増やし、片や殺せと言う。何でこんなことになるのかと言えば、それは"無知"のなせる業です。官民そしてメディアを巻き込んだ「(野良猫への)餌やり禁止」キャンペーンの効果と言ってもいい(実際にはそう言ってないが)。単に扇動されるのではなく自分自身で問題を見極める努力をして、しかるべき場所で自分自身の声を挙げる。それが「善良な市民」たる我々の努めなのではないでしょうか。
ダイフク 付き合い期間2年8ヶ月 初めの1年はヒールキャラ→愛されキャラに変化
最終確認2018.9.26
◆エサをやるなは殺せと同じ:シリーズ過去記事一覧
第5弾 エサをやるなは殺せと同じ「コメント欄に見る世相」2022.2.25
第4弾 エサをやるなは殺せと同じ「言葉の真相を暴く」2021.3.31
第3弾後編 エサをやるなは殺せと同じ「→ノラたちとの共存を目指して・番外編4)」2020.8.31
第3弾前編 エサをやるなは殺せと同じ「→ノラたちとの共存を目指して・番外編3)」2020.6.30
第3弾前編 エサをやるなは殺せと同じ「→ノラたちとの共存を目指して・番外編3)」2020.6.30
第2弾(続) エサをやるなは殺せと同じ「理屈で勝負の巻」2018.8.23
第1弾 雑感:エサをやるなは殺せと同じ 2017.6.30
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