アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第六十三話 イギリスの田舎「コッツウォルド」のストラウド

2010-04-20 06:25:33 | イギリスでの暮らし

*春ですね。病院の周りのフットパスを行くと、フィールドでこひつじたちがちちを飲んでいたり、はねまわっていたり、昼寝をしていたりと、かわいらしい姿を眺めることができます。
アートセラピールームでは患者さんたちと「春の木」をやさしい茶色の幹に、薄緑の芽、そしておひさまの黄色で描いています。

第六十三話 イギリスの田舎「コッツウォルド」のストラウド

私の第二の故郷とも言えるストラウドでは、当時毎朝運河ぞいの道を歩いて
通っていましたが、春には白鳥がそこで雛を産み育てていました。
うわさでは誰かが白鳥に腕をへし折られたということで、「シャーシャー」という親鳥の警戒して人を脅す声もひどく恐ろしく感じられたものです。
この運河はかつてはテムズ川につながっていて、羊毛の運搬に使ったのですが、今は植物が生い茂り、舟の行き来はできません。

ストラウドのおへそともいえるMills Café は、コートヤードにテーブルといすが出してある、たっぷりのサラダとキッシュが人気のカフェで、その店主は日焼けした顔にいつも笑顔のマギー。

マギーはLETS (Local Exchange Trading Systems)を通して太極拳を教えた生徒さんなのですが、交換にマギーが夜カフェでやっている「トーンニング」に私も参加していました。「トーンニング」は、「オンチ」という人たちも出したい声を出して、それぞれの声が一緒にハーモニーを作っていくのですが、普通の歌を歌うのとは違って、原始的な、体とつながった感じで面白いボイスワークでした。

マギーのほかにもストラウドのLETS で知り合いになった人はユニークなひとたちが多く、緑の党のクレアーとポールの夫妻には今も刺激を受けています。かれらはコミュニティファームで農作業をしたり、ホームレスの若者を自宅に泊めてあげたりとコミュニティ活性化のためにさまざまなことを精力的にやっているのです。

女性同士のカップルの人たちもいましたが(イギリスではゲイ、レズビアン同士の結婚が認められています)彼女たちは、現在フォスターケアーにある子供たちをふたりで育てています。

イギリスは一歩都会を出るとほとんどが田舎なのですが、ストラウドのようなオルターナティブ田舎は、自然あり、面白い人たちあり、と私にとっては理想郷のようなところといえます。少し早いですが、定年退職後はやっぱりストラウドに戻ろうか、などと考えたりして。

(間美栄子 2010年 4月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)



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