アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第六十七話 ぎんのいずみ子ども園の10年

2010-06-15 11:00:35 | シュタイナー

*イギリスで一般的で日本には無い夏の飲み物といったら、それは「エルダーフラワー」でしょう。エルダーフラワーは、ニワトコの白い花で、かおりのよい花なので、水にかおりをうつして砂糖で保存するのです。
ある夏ニワトコを季節をおって観察、スケッチしていた私は、この花で花粉症を発病。このエルダーフラワーの潅木は、どんな荒地でも伸びていく強さを持っていて、どこでも見ることができます。今真っ盛り。

第六十七話 ぎんのいずみ子ども園の10年

人間のたましいは、グループで旅をしているようなもので、今生で、出会ったひとが、どうも懐かしかったり、昔からの知り合いのような、家族のような感じがするのは、生まれ変わりをともにしているのだからだといいます。

わたしが、自分自身の人生の目的をはっきりと認識できるようになったのは、35歳のころでしたが、その激変のターニングポイントで出会った多くの人たちのその後の12年も、やはり、私のものと同じように、方向を定め、ストラグルしながらも、懸命に歩いてきて、そろそろなにかが見え始めてきたという、似たような様相をしているのに興味を覚えます。

調布でシュタイナー幼稚園ぎんのいずみ子供園をはじめた山本ひさのさんもそんな「旅仲間」のひとりです。

「わたしが先にひさのさんと友達になったんだよー」となずなはよく言っていましたが、12年前私たちがエマーソンカレッジに母子留学していたとき、講義にでている私を外で一人待っていたなずなの遊び相手をしてくれたのが、ひさのさんでした。

ひさのさんとはそれからも縁が強くむすばれていたようで、ひさのさんが保育園の実習をしていたストラウドにシュタイナーのアートセラピーを学ぶため、私たちも引越し。なずなの7歳のお誕生日を、その保育園で、3人で静かに、キリストやマリアのフエルト人形を作ったりして、お祝いしたのでした。

夏休みに日本に帰省したある年は、ぎんのいずみを訪ね、園の子供たちとの散歩道や畑を見せてもらったこともありました。佐渡の実家に連れて行ってもらったときには、園の運営で困難なこともあったでしょうが、そんなぐちはこぼさず、一緒に水彩画を描いたり、つりをしたり、うに採りをしたり。

よく「わたしはチャリティショップのがらくたの中からでも、きらりと光るものをみつける才能があるのよ」と笑って収穫物を見せてくれていたひさのさんですが、ひさのさんの真、善、美を求め、それを実現していく実行力がぎんのいずみの10年をもたらしたのだおもいます。

これからも、ぎんのいずみはその名のとおり、園やひさのさんになにかの縁があってかかわっているひとたちの真ん中で美しい湧き水を静かに流し続け、心に潤いを与えてくれることでしょう。http://ginnoizumi.exblog.jp

(間美栄子 2010年 6月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)



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