長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

2020-05-28 | 映画レビュー(か)

 遥か彼方の宇宙にはフォースもジョン・ウィリアムズのスコアもないかもしれないが、SONYのウォークマンはあってラズベリーズもランナウェイズもマービン・ゲイも聞けるんだから、やっぱり広くて素敵じゃないか!2014年、最大のヒット作となったジェームズ・ガン監督作はスペースオペラとして幕を開けながら、宇宙のアウトローにしてはぽっちゃりしたクリス・プラットが“Come and Get Your Love”を踊る瞬間、ファニーで懐かしい、とびきりの映画として僕らのハートを鷲掴みにする。主人公ピーター・クイルの持つ“最強ミックステープ”から流れてくる懐メロにお父さんお母さんは歓喜し、子供達は宇宙大冒険に夢を見る事だろう。

 『スター・ウォーズ』×SONYのウォークマン。たった1つのセンス・オブ・ワンダーによって宇宙と僕らはグッと近付き、はみ出し者5人組が愛しくて堪らなくなる。クリス・プラットが抜群のフットワークとコメディセンスでしゃかりきに“ダンス対決”を挑む姿はたまらなくキュートだ。もはや青か緑色の方がセクシーなんじゃないかと思えるゾーイ・サルダナ、『ハングオーバー!』なノリでまさかのアライグマの声をあてるブラッドリー・クーパー、本作で俳優としての才能を示したデイヴ・バウティスタ、そして「I am Groot」の一言で泣かせるヴィン・ディーゼルらアンサンブルも楽しく、ダメダメな彼らが手と手を取り合うベタで泥くさい最終決戦に“がんばれ!”と声援を送り、胸が熱くなってしまった。

そんな彼らのテーマ曲は1967年のマービン・ゲイとタミー・テレルによるヒット曲“Aint no Mountain High Enough”。どこにいても、僕らは山を越えて君のもとへ行くよ。愛の歌がヒーローと友情の歌に読み替えられる意外性に涙がとめどなく流れてしまった。ガーディアンズ、最高のデビューである。


『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』14・米
監督 ジェームズ・ガン
出演 クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ブラッドリー・クーパー、ヴィン・ディーゼル、ベニチオ・デルトロ、リー・ベイス、ジョン・C・ライリー、グレン・クローズ

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