リッスン・トゥ・ハー

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達郎だ!達郎が100位内に上がってきやがった!?

2009-12-23 | リッスン・トゥ・ハー
ずんと低く響く。みぞおちに入った達郎の拳、男はうぐとうめき声を上げて、胃液を吐き出し、目を見開いて失神する。意識を失い、達郎はそのまま拳で男を持ち上げ、医務室に運ぶ。レフリーが宣言するまでもなく達郎の勝利であった。医務室から戻ってきた達郎は別段喜びもせず、しかしそそくさと控え室に引っ込むことなく、そのインタビューに答えた。この季節になると血が沸き立つ。誰に促されるわけでもなく、俺に流れているこの熱い血が、俺に新たな血を求めるのだ、いいかお前ら、そこで待ってろ、すぐに上り詰めてやろう。達郎は火を吐く。ぼおおお、と勢い良く火を吐き、観客を怖がらせたあと、控え室に入る。しんと静まり返った会場に落とされる波紋、やはりきた、達郎は死んでいなかったんだ、あの頃のままの姿を見せてくれた、24年が経っていると言うのにたいした野郎だまったく。やっぱりだ、達郎は、毎年クリスマスイブに復活する。安心のため息が集まって会場に竜巻。