リッスン・トゥ・ハー

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舞姫3

2009-10-24 | 東京半熟日記
北極圏に入る。いとも簡単に北極圏である。ここではオーロラが見えると言う。嘘を付け、と余は怒鳴る。こんな陽気では、オーロラも引きこもっておるわ。どちらにせよ昼は、オーロラが眠っているわけであるから、することがないわけで、であるからして、余はスーパーマーケットに赴く。そして庶民の文化を堪能するそれすなわち、安価な食料品の宝庫である。これはフィンランドであろうが日本であろうがラオスであろうが同じこと。庶民の味方スーパーマーケット。ヨーグルトを購入すチョコを購入す水を購入す様々購入す、あとで試してみる。味が濃い。ここはロバニエミと言う町である。オーロラが見えるという町である。そこに3日ほど滞在するのである。そしたら見える確率は高いのである。9月から見えるとの情報がある。確かな情報ではない。余は聞くホテルのフロントに、どこに行けばオーロラが見えるでしょうか?は?は?と何度も聞き直されようやくオーロラのことを聞いていると理解したらしい。アホか、オーロラは気温がマイナスにならなでんわ!を丁寧にした言い方で言った気がする。仕方ねえ。ぞんざいな口調でつぶやいてみる。するとなんとなく気が安まる不思議である。ところでこの町はサンタクロースの出身地でもあるという。サンタクロースがいる村があるという。それならばサンタクロースに会いにいこうではないか、となるのが人情。人情。はぐれ刑事純情派。

マドンナ、騒音で訴えられる

2009-10-24 | リッスン・トゥ・ハー
フォー!という叫び声、階下から聞こえてきた。最初、何か映画かテレビか見ていてそれが発しているのだろうと思っていたが、その後何度も同じ声が聞こえ、気づいたらフォー!フォー!挑発するように連発、もはやフォー!の壁が下にあって、競り上がってくる圧迫感。これはたまらん、フォー!にくるまって眠れるわけがないし、フォーを畳んで押し入れにしまえるわけがないし、黙ってフォー!が消えうせるのを待つしかない、わたしは小心者である。だからひたすら待っていたのだ。なのにフォー!は消えるどころか、その音量を上げて、徐々にしかし確実に壁は厚くなってきている。壁の向こうにあるものがぼんやりかすみだす。空想にすぎないとはいえ、それはわたしにはきつ過ぎた。確実にわたしの精神は蝕まれている、耳がきーんとしてきた。頭が痛む。動悸が激しい。それでもわたしはなんとかここに座って待てる。そんな精神力を評価してほしい。フォー!が部屋中に溢れる。そんなつもりじゃなかったのに、わたしは気を失って、病院に搬送されている。