2006/12/31(日)河北新報
北限の猿冬季調査 民家周辺に執着 むつ 餌確保が容易
青森県下北半島に生息するニホンザル「北限の猿」のうち、青森県むつ市脇野沢地区など南西域の群れを対象とした冬季生態調査が29日夜、終了した。今冬は個体数増加に加え積雪がないため、餌が容易に手に入る畑や民家周辺に、群れが執着している実態が分かった。
研究者らでつくる「下北半島のサル調査会」によると、例年の冬は樹皮などを食べてしのぐが、積雪がない今年は地表レベルの食べ物が豊富だという。畑に放置されたり庭先に廃棄されたりした野菜を食べることができ、サルには過ごしやすい冬となっている。
農作物被害を与えているA2―84群(97頭確認)では分裂の前兆となる分派行動も頻発。民家周辺の群れが個体数を増やしている表れとみている。
同会は佐井村、大間町の他団体と調査データを共有し、来年度は風間浦村、むつ市大畑地区も含めた全生息域の一斉調査を行う方針。
2006年12月30日土曜日
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2006/12/20061231t25002.htm