議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

議会雑感のこれから

2019-07-10 | 雑感
いつも「議会雑感」ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

2015年2月に開設した本ブログは、以下の2点を大事にしつつ、このブログを通じて、政治に関心を持っていただける方が1人でもいらっしゃれば、との思いで4年以上にわたって細々と続けてきました。

○国会法等を引用しつつ、時々の話題を交えながら国会のルールを紹介すること
○匿名で政策の是非には触れない範囲にとどめること

ただ、今年に入ってから紹介したいことを明確に紹介するために、匿名についてどうすべきか、ずっと悩んできました。

一方で、これまで数回だけ開放したコメント欄には、このブログが匿名であるがゆえに頂戴したご意見やご質問を幾つもいただきました。

匿名、かつ政策の是非に触れないからこそ純粋に国会ルール等の紹介をご覧いただけた側面もあることから、本当に悩みました。

しかしながら、匿名であるがゆえに書きたくても書けなかった、紹介したくともできなかった、法規・先例があります。

私は、立法府に身を置く議会人は、議会の先人の知恵で積み上げられてきた法規・先例を大事に議会運営に携わるべきであると考えます。もちろん、法規と違って、先例は時代によって変わっていく側面もあるでしょうし、墨守するものでもないと思います。

しかし、先例は法的拘束力はないものの、これまでの議事運営の積み重ねであり、議会の先人の知恵の結果であり、十分尊重すべきものであると思います。最近は、どちらかといえば政略的配慮を優先し、先例をないがしろにする傾向があるのではないでしょうか。

民主主義だから過半数を得れば何でもできるとしてしまう新自由主義的発想での議会運営は、その都度態度を決めればいいとするルールなき議会運営につながるおそれもはらんでいると思っています。

この数年間、法規・先例を半ば無視したような議事運営もあったことは否定できないと思います。

私なりに努力して議運理事会や会議録等にも残してきましたが、議会の歴史の中で、そのような例を二度と繰り返さないためにも、これらの事例も紹介しておきたいと思うに至りました。

よって、匿名では限界があることから、悩みに悩んだ結果、実名に切り替えたいと思います。

私は、このブログを始めたことによって、ここには書かなくても多くのことを調べたり、知見を持った方々に話をうかがったりと議会人として、たくさんの気づきと成長に恵まれました。

また、このブログに書いたことによって、より問題意識を深めることに繋がり、立法府の矜持を示せた案件もありました。

具体的には、「束ね法案」や「包括委任規定」です。

今、検索サイトで「束ね法案」を検索いただくと、私が提出した質問主意書やこのブログのエントリーが出てきます。このブログに書いたものを基に質問主意書という形で提出し、結果として、第二次現政権になって束ね法案の割合が急増していることが明らかになり、指摘の翌年から束ね法案の件数は減少しました。

私は、立法府に身を置く議会人の一人として、立法府が立法府たる機能を健全に発揮できる環境をつくりたいと切に願っています。

この間、本当に多くの皆様にお支えいただいて、議会人として成長させていただきました。

匿名ブログは一旦ここで終わりますが、これからも国会ルール等の紹介を通じて、政治に関心を持っていただける方が1人でもいらっしゃれば、との思いで今後もこのブログを続けていくことができればと考えています。

これまでの間、誠にありがとうございました。

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