議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

国会役員の辞任

2016-09-09 | 国会ルール
○国会法第30条

役員は、議院の許可を得て辞任することができる。但し、閉会中は、議長において役員の辞任を許可することができる。


平成28年9月1日、参議院の常任委員長1名が議長宛に辞任願を提出し、即日受理されました。

これは、国会法第30条に基づくものであり、9月1日現在は閉会中であるため、議長において役員の辞任が許可されたのです。

国会役員については、これまで何度かこのブログで紹介したことがあります。

国会役員とは
現在の院の構成における問題点-その1

上記以外にも取り上げていますが、今回改めて紹介したいのは、常任委員長は国会役員であり、閉会中は議長において役員の辞任が許可されますが、特別委員長はそうではなく、委員会が辞任を許可することになっていますので、閉会中の場合は委員会を開かない限り、辞任したくともできません。

昨年は、臨時会が召集されなかったばかりに、特別委員長でありながら、副大臣も兼ねるという歪な事態が発生していました。

それはさておき、今回の常任委員長の辞任は、党の役職上との関連でやむを得ない辞任と考えますが、常任委員長の空白は好ましい事態ではありません。また、当該常任委員会は、現状、与党理事が1名のみで、あとは全員野党理事ですので、今の議会構成からすれば、興味深い状態と言えます。

もちろん、次の臨時会が召集されればすぐに解消される状態ですが、閉会中に理事会だけで新たに理事を選任できる衆議院の当該常任委員会と大きく異なる点です。