セゾン・ド・ユー

時々更新フォトダイアリー、北の四季とエトセトラ

灰を撒く

2010-03-30 21:17:32 | ぐるりのこと
雪降りが止み、暖かい日が数日続きそうなので、家の周囲に
木灰を撒いた。

融雪剤代わりに毎年の恒例。
これで、陽が当たると驚くほど雪の嵩が減る。

専業農家やゴルフ場などは営農、経営に直結するので、
融雪剤を購入してまで雪解けを早める。




風向きなど、気をつけて撒かないと自分にかかったり、
家の壁が灰だらけになるので注意が必要。

白い雪を汚すのもちょっと気が引けるが…、こうやって
春を呼ぶのは、この地に住む者の習い性なので仕方がない。






家の周りを一回りしたら、バケツの灰が底をついた。




でも、灰生産機?があるので、その内バケツは満タンになる。




そんなことが知れて来て、木灰希望者が現れるようになった。
こうなると、零細企業なので生産が需要に追いつかなくなる。

灰をなるべく出さないように燃やすのが、ストーブ焚きの腕に
なるのだが…、サテ、どうしたものか。







森を抜けてガンケの上へ

2010-03-28 10:54:56 | ぐるりのこと
雪が締まっていることが解っていたので、天気の晴れ間を
見て、近くの森へと歩きに出かけた。




ここまではお日様が出ていたのだが、この後「俄にかき曇り」
雪が降り出してしまった。




それでもしばらくすると雪も小降りとなったので対岸の「タンネの森」
(トドマツの森)にレンズを向ける。




眼下の川もとうに開いて、黒々とした流れを見せている。
この崖(ガンケ)の上は、アイヌ民族の砦があった場所で、当時は
川の底が見えないほどサケが遡ってきたという。





左が川、中央が築堤(堤防)で、左側には鉄道の廃線跡が僅かに
見えている。

画面の奥がユー地区市街地で、「基線(区画の基本線)」がこの
ガンケから街に向かってまっすぐに伸びている。
ガンケを降りて少し行くと一線で、五線から八線までが市街地。
ユー地区の中心は、その昔「六線市街地」と呼ばれていた。
(柴田錬三郎「生命(いのち)ぎりぎり物語」にも登場)


ちなみに、一線の間隔は三百間(約545メートル)。
この、縦横三百間画が「中画」で、さらに100間×150間で中画を
六等分した区画を「小画」と呼ぶ。
この「小画」一区画が入植者一戸分に割り当てられたという。
(5町歩=約5ヘクタールほど)

ユー地区を空から写真に撮ると、今でもこの中画や小画が畑や
防風林や道路の境となって残っていることに気付かされる。




このガンケからの眺めは、遙か昔の、そんなことを思い起こさせる。
雪雲も、西の方へ去ったようだ。






林の中へ

2010-03-27 09:50:47 | ぐるりのこと
毎日少しずつ新雪が降る。
日中はプラス気温になることが多いので、積雪は沈んでいく
のだが、降るのと沈むのとで結局雪の量はそんなに変わらない。

雪の上を歩いてみると、十分締まっているようなので、
久しぶりに林の中へ入ってみた。




アカエゾマツの枝に積もっているのが新雪の分。





木々の枝が陣取り合戦のように頭の上を埋めている。
強い枝は伸び、そうでないものは小さくまとまるか落ちてしまう。
特にカラマツの枝の代替わりは、思うよりも頻繁に起きている。



枝の落ち方は様々だ。
この大枝は、雪の重さに垂れたところで地上の積雪に掴まった
ようだ。
一本カラマツなどは、こうならないように枝の雪を払ったり
しているが、自然の摂理には逆らうことになる。



こちらは、ずいぶん高い枝が何段も無くなっているが、
上の枝が雪の重みに耐えかねて、下の段の枝を巻き込んで
折れ落ちたようだ。

こういった大枝の他にも、細く小さな枝が常に降り注ぐ。
梢に見えるのは、そんな小枝を材料にしたカラスの巣。

春先、カラスが卵を抱く頃になると人を威嚇して後ろから
襲うようになるので、可愛そうだがタチの悪いカラスの
場合は町に頼んで巣を落としてもらう。


もちろん、大枝、中枝は乾燥した頃を見計らって焚き付けに
回る。(昨年作った焚き付けは、まだ雪の下)






カラマツ林の向こうには、いつものサイロ。




この林のベースはカラマツ、エゾマツだが、風が種を運んだり、
カラスをはじめとする野鳥が木々の実が入ったフンを落としたり
するので、そういった種から発芽した幼木がそちこちに育って
きている。

ハルニレ、シラカンバ、ヤチダモ、ナナカマド、サンチン、
ツリバナ類、ツタウルシ、タラノキなどがその類だ。

この梢にも、数種類の木々の枝が見える。



ラズベリーの添え木(添え鉄棒?)とブルーベリーの囲い(手前右)が
やっと見えてきた。

雪は厚いが、ここからの一ヶ月はフィルムの早回しのような季節の
巡りとなる。




そろそろ家周りに、融雪剤代わりの木灰を撒き始める時期が
来たようだ。




あおぞら

2010-03-22 21:21:48 | ぐるりのこと
降ったり曇ったりの数日だったが、やっと青空が見えた。
さすがに気温は高めで、雪は少しずつ減ってきている。
(と言っても、まだ1メートル超)

この調子で暖気が続いて雪が沈み、ぐっと気温が下がると
堅雪(かたゆき)になって、雪の上を歩けるようになる。

朝方、シバレが緩むまで数時間だけの楽しみだが、以前は
ネコヤナギなどを探して川沿いを歩いたものだ。





もどり雪

2010-03-20 00:01:37 | 雪・シバレ

一進一退のせめぎ合いが続いている。
小屋の軒下は、また繋がってしまった。





一旦脱いだサイロの帽子も、薄物に替えて再び被ったようだ。

「なごり雪」という名曲があるが、さしずめ「もどり雪」とでも
いったところか。








そして翌日…、

雪は降り続き、小屋の軒は完全に屋根とつながってしまった。
重い、重い雪。




もちろん、母屋の軒下も。
冬も盛りの頃なら落ちた雪を動かすところだが、次の季節が
そこまで来ていると思うと、どうも億劫になる。




通りに、やっと除雪車も来たようだ。




早春の嵐

2010-03-13 11:51:19 | 雪・シバレ

ここ数日暖気が続き、夜半から雨となり、朝方からは
猛烈な風が吹いてきた。

雪は殆ど付いていないが、ぐるりの木々から小枝・枯れ枝が
雨あられのように降ってくる。

春浅いこの頃特有の嵐だ。
お彼岸の頃に、よくこの強風が吹くので「彼岸荒れ」と、
ユー地区の人は呼ぶ。




周り一面に、木から落ちた枝が散らばる。




いつもの方向にレンズを向けると、何か変。
あるべきものが無くなっている。





サイロの帽子が…
いつの間にか、落ちていた。





暖気と、雨と、この嵐で、去年よりは4日早い脱帽式となったようだ。
いよいよ、雪解けも駆け足となる。




薪ストーブちらほら

2010-03-08 22:03:19 | 薪・ストーブ
薪ストーブの周りをちらほらうろついてみる。
まず、本体。

VamontCastings社のEncore(アンコール)、
トップローデング(ストーブトップから給薪できる)で、長さ50センチ
の薪が4~5本は入る。
もちろん、観音開きのフロントドアからも可能。

一度の給薪で、10時間以上の連続燃焼ができるとカタログにある。
(実際、これだけの長時間燃焼は至難の業。7~8時間がいいところ)

そのヒミツは、密閉度の高い燃焼室とエアーコントロール(吸気調節レバー
で燃え加減調節ができる)、そしてキャタリックコンバスターと呼ばれる
触媒装置を使っての二次燃焼。
水平燃焼といわれる燃焼方式で、下の方からじわーっと燃えてくれる。

赤の琺瑯製だが、火が入り高熱になると農赤色(フルボディのワイン色?)
に変わるのも魅力。






ストーブトップでは、いつもビームス(赤)のケトルと月兎印(白)の
ポットにお湯が沸いている。



ケトルには、トリベットと呼ばれる鋳物の下敷きを敷く。
こうしないと、すぐに沸騰してお湯がこぼれる。

ポットが沸騰しそうになったら、ストーブサイドのシェルフに移す。
ウォーミングシェルフとも呼ばれ、鍋をことこと煮たり、ミカンの皮!
を干すのに便利。
(ミカンの皮は、オイルを含み良く燃えるので焚きつけに利用)




丸いのはストーブサーモ(温度計)、温度を目安にダンパーを閉じて
触媒装置がある二次燃焼室を通す運転タイミングを計る。

通常運転は200~350℃くらいがベストゾーンだが、厳寒期は温度を
上げ気味になってしまう。






ストーブを設置したときに揃えた、専用のグローブとファイヤーツールセット。
どちらも安くなかったけれど、殆ど使っていない。


出番が多いのは、こちら。
百均のトングと数百円の溶接作業用革手袋。
一番便利で使いやすい。




小物が出てきたので、これも。
ステンレス製の小さな塵取りと炉箒。
どちらも、イタヤカエデ(メイプルに近い)の枝で取っ手を付けている。

近くにある小さな棒っこは、フロントドアーを開けるときのハンドル。
瀬戸物のカバーが付いていたが、落として割ったので、こちらも小枝の
取っ手に変えた。



バケツは、防火用水入れではない。
ストーブ周りの細々としたものを入れている。

ガラスクリーナー、ウェス、首の長いライターは着火用。
それと、既出の安物トングと革手袋など。




こんな物もある。
これも百均の鍋敷き、鋳物の小さなフライパン二種。
ゴマや落花生を煎ったり、蓋をして小さめのステーキを焼くのもいい。







薪ストーブの燃料は、言わずと知れた薪。
だが、薪と言ってもいろいろある。

ウッドボックスに入っているのは、カラマツの薪とスターター用の雑把。
下に並べたのは、そのカラマツ薪(手前)とイタヤカエデ薪(奥)。

画像で重さは分からないが、イタヤカエデが遙かに重い。
その重さは、燃焼時間の長さと熾きの強さの違いでもある。




薪は、デッキにツーバイ材で作っ台(実はテーブル)を置き、
そこから家の中に運び込んでいる。

薪置きテーブルの下には、灰入れ用のバケツも見える。




デッキには一週間ほどの薪を保管できるログラックがあるので
毎日、薪小屋に通わなくても済む。
(吹雪の時には、雪まみれになるが…)





斯くして、薪ストーブは燃え…



熾きとなり…




僅かな煙は、二重(断熱)煙突から大気へと放出される。








最後の戦い

2010-03-06 16:09:39 | 赤屋根サイロ
サイロが最後の戦いを挑んでいる。
というのは、ちょっと大げさか。

屋根の上に載せた雪の帽子をいつ脱ぐのか、毎年この季節の
恒例関心事。





自然の摂理が働いて、毎年この時期にはこの角度の斜被りになる。

大吹雪でもけっして脱がない帽子だが、日差しが高くなり、春暖を
覚えるこの頃、「北風と太陽」そのままの物語が始まる。






「太陽」側から見るとこのとおり。
天辺の「角(つの)」に、やっと引っかかっている。
(左下の影はご愛敬?)




昨春('09)は、今頃から怪しくなりだして、3月17日に文字通り
「シャッポを脱いで」いる。

毎年暖冬といわれる当節、この様子では、あと10日も
保ちそうにないな。