セゾン・ド・ユー

時々更新フォトダイアリー、北の四季とエトセトラ

降ったり晴れたり

2009-11-28 14:33:08 | ぐるりのこと
朝から雪がちらついたり、晴れ間が見えたり、
青空なのに雪が降ったりと、くるくるお天気が変わる。

積もっていた雪も、数日前に雨が降ったりして、ずいぶん
嵩が減ったが、そんなことでぐるりは白いまま。


デッキにも、新雪がうっすらと。


日陰には、つらら。

雪も已んだので、
浅い雪をもうけものと、庭を一回り。






葉脈だけ紅葉を免れたアイビー。


根付きから増殖に転じたエリカ。



クロエゾマツ(若しくは単にエゾマツ。左)とアカエゾマツ(右)。
幹の色の違いが名前の由来だが、葉の形状もやや異なる。



上の二つを並べたような画像だが、実は左がアカエゾマツで、
右はトドマツ。

トドマツも、その木肌が海獣のトドの肌と似ているから名付けられた
ようだ。
ユー地区の針葉樹は、この三種と移入木のカラマツが殆どを占める。
これらは、共にマツ科だが属は異なる。

トドマツ:マツ科モミ属
(クロ)エゾマツ:マツ科トウヒ属
アカエゾマツ:マツ科トウヒ属
カラマツ:マツ科カラマツ属

季節的にはクリスマスツリーだが、本家は「モミの木」。
この辺りでは、代わりに同属のトドマツということになるのかな。

モミの木は、ドイツ語では「タンネ」だから、トドマツが多い森を、
「タンネの森」と呼んだりする。





色が付いたものといえば、ブルーベリーとミズナラの葉くらい。

この二つの木に共通点はないが、早々と葉っぱを落とす個体と、
このように雪が降っても葉を残すものがある所は似ている。





カラマツ林もすっかり葉を落として、ご近所が少し見通せるように
なった。
でも、これから雪が降り積むようになると、また見えなくなるから、
今と、春の芽吹き前限定の光景となる。

午後、日が傾きかけた頃には、デッキの雪も無くなっていた。

ケモマナイ再訪

2009-11-22 09:54:40 | 山や森や川や渓
十月に遡行したケモマナイの沢を再訪した。
今度は、川ではなく林道を。

再訪の目的は、昭和26年に廃校となり一枚の写真も残さずこの地区から
消え去った、毛茂間内(ケモマナイ)小学校の場所を確認すること。
その後の調査で、学校があった頃を知る方からおおよその場所を聞き取る
ことができたので、地図を頼りにそこへ向かう。

10月に川を遡行した黄葉沢は雪景色に一変していた。

午前中の晴れ間は一転雪模様。
林道の雪をかき分けての探索行となった。



幹線道路から10キロほど入り、路側に駐車。
目的の場所は、右上の斜面を上がった高台にあるという。



雪をかぶった笹をかき分けて斜面を登る。


高台は、シラカバの林になっており、一面の笹で覆われていた。
遺構があっても雪の下なので解らないが、平坦な地形や
周囲の状況から学校のあった場所として特定できた。
詳しい調査は、雪解けを待ってということになる。



敷地と思われる外れに大きなエゾマツが立っていた。
60年の前には、校庭で遊ぶ子ども達の歓声を聞いていた大樹なのだろう。




再び笹の斜面をずり降りて、車を停車した場所へ。
雪に足を取られた車をみんなで押す。
雪国ではいつもの風景。
もう少し積もっていたら、ここまで入ることはできなかった。



近くを流れるケモマナイ川。
川底のどこかには、今も砂金を湛えてるのだろう。

つい60年前に人家が点在し、簡易な商店があり、学校に通う子ども達が
往来したような痕跡はどこにもない。
僅かな資料と、ここを知る人の記憶に残るのみ。




帰りがけ、空を舞う沢山の猛禽類を見た。
ケモマナイの川沿いは、この辺りでも有数のオオワシ、オジロワシの
集結地。


川を遡って弱ったアキアジやカラフトマスを狙って上空を大きく
旋回する。

しばらく、この光景を眺めて帰途に着いた。




一本カラマツ09.11.21

2009-11-22 09:02:59 | 一本カラマツ
数日の降雪で、後戻りできないほど積もった。
気温も、一日中氷点下となる。
公道にも除雪車が入り、これから朝の雪かきが
日課となる。



スモモの枝にも雪が降り積む。
主のいない犬小屋にも。



カラマツ林の続きのエゾマツ林にも。
背後に見える山にも。




一瞬、風が起こって
一本カラマツから雪が舞った。

列島、南へ

2009-11-16 21:56:41 | 「ユー」のそと

もう半月も前(10月末~11月初め)になるが、初雪も降ろうというユー地区から列島を南へ。
筑紫次郎・筑後川流れるU市に降り立った。
(川向こうはA市)


〔現代の大石堰〕

有数の暴れ川のため、川の畔にもかかわらず荒れ地が広がっていた
というこの地区では、たびたび飢饉が襲い、大規模なものだけでも
三度の一揆が起きたという。
豊かな土地にするため、堰を作り水路を引いたのは江戸時代初期。
今では下流域一帯、約30平方キロに及ぶ水田地帯を潤している。

直前に「カムイ伝」(白土三平)を読んでいたので、この風景の
向こうにある諸々が身に染みた。
カムイ伝は忍者漫画のような印象があるが、江戸期の農村の身分
社会を基に飢饉、一揆、新田開発を描いた労作でもある。



少し小高い丘に登ると、沃野となった平野が見渡せた。
田んぼも、瓦屋根も、そこに生える植物も珍しい。




清水湧く古刹へ。
湧水百選にも選ばれているという水も美味しいが…、


やっぱり、こんな北の国にない、ツワブキの花や南天の実が珍しい。



山道を辿り奥へ、奥へ。
行き着いたのは、つづらの棚田。


耕して、積み上げて、天に至る。

9~10月には石組みの棚田とあぜ道に咲く彼岸花で真っ赤に染まると
いう。
彼岸花の根には毒があるので、あぜ道に穴をうがつネズミやモグラを
忌避する役目を果たす、先人の知恵。



見上げれば杉、檜。


峰をつめる辺りでは、南のこの地にも紅葉が始まっていた。



山里の精華、国の重文にも指定されているという、くど造りの民家。
建設は三百年を遡るが、それ以前の記録がなく正確な年代は不明と
いう。


昔の人々の知恵と努力と美意識が詰まった姿は端正で美しい。


屋根裏の木組みと縄目。
地震や台風にも耐える伝統力学。


ついでに、川石を利用した土留めの丸石垣。
至る所にこういった石垣が見られる。


初めて実物にお目にかかった、アサギマダラ。




江戸時代には豊後街道の宿場町として栄えた白壁土蔵の並ぶ街に降りる。


土蔵の裏には、水路に沿って小径が続く。


土塀の軒にかかる、防災用のはしご。


民家の居間から見える庭木にも南の風情。


二階の部屋のぐるりにも濡れ縁が巡る。


白壁土蔵の通りには、こんな「灯り屋」も並ぶ。
ひな祭りの頃には、通りからも見えるように雛人形が並び、
白壁の町歩きしながらお雛様巡りができるという。


この日、南の国U市の気温は25~7℃にも及び、そして二日後、
ユー地区には一尺の初雪が積もった。

北の国ユー地区から、1千6百キロ列島を南へ行ったところ。
あの頃山の峰に始まった紅葉は、柿の木畑が連なる山麓へと下った
だろうか。


一本カラマツ 09.11.12

2009-11-12 22:26:00 | 一本カラマツ
今朝の一本カラマツ。
再び(三たび?)地上はうっすらと雪で覆われて、こんな様子。
空気もキリッとして、多分氷点下4~5℃。


「一本カラマツ」。
たびたび登場するこの木のカテゴリーを作ることにした。
家の中から撮れるので、またの名、ずぼらカテゴリーでも呼んでもらおう。




朝日差すエゾマツ。
この家に移ったときに、前の家の庭から移植したエゾマツのひとつ。
前の家で、最初に植えたときは多分2~30センチほどの苗だったから、
ずいぶん生長した。
電飾すれば、クリスマスツリーになれるかな?



こちらも、いつもの小屋と赤屋根サイロ、アカダモ(ハルニレ)の木。
手前は、葉を落とした芯止めカツラ。



これからは時々、この題材、このシチュエーションで更新しようと思う。
その季節、その日、その時の空気が伝わるならば…。

雪への備え

2009-11-08 22:12:12 | 庭・ガーデン
伸び放題のラズベリーの葉も少なくなってきた。
細い幹は倒れないよう副えの鉄棒に括ってあるので、紐をほどき先を詰めた。
括ったままだと雪の重さで折れるのと、あまりに背が高いと始末に困るから。
ラズベリーは、このまま自然と雪の重さで倒し、来春雪が解けてから副えの
鉄棒に括りなおす。


ラズベリー類は、その年実を着けた幹は枯れ、その年伸びた新しい幹に翌年
実を付けるので、古い幹は刈り取ってしまう。
たくさん生えた脇芽も、止めどなく増えるので整理する。
すっきりしたのが、タイトル画像。



ブルーベリーは囲いをする。
地物のハスカップはそのままでも大丈夫だが、ブルーベリーは数少ない枝が
折れるため、囲っている。
剪定した枝などを掛けて雪に備える。


色彩を放っているものも僅かある。


エキナケアと種を散らしているシュウメイギク。
カラ松の葉を溜めたエリンジウム・アルピナムと花イチゴのピンクパンダ。

雪の季節を前に、精一杯の色の饗宴。





薪棚にも少し変化が。


「天使のヒビ」が入って来ている。
薪の乾燥が進んできた証拠だ。
この棚は次のシーズン用だが、少しずつ生木が薪に変わりつつある。

一度姿を見せた雪は消えたが、冬が退散したわけではない。
冬への準備を横目に見ながら、来るシーズンに向かい、どこかで次の出方を
窺っているのだろう。



立冬・小春日和

2009-11-07 21:50:43 | ぐるりのこと
暦の上では立冬。
だが、日中気温は15~16℃と暖かい。
一尺積もった初雪も、家の周りは日陰や軒下を残すのみ。

久しぶりに、ユー地区を望む山の中腹まで登ってきた。



〔中央にカラマツ林、そのやや左に赤屋根サイロが見える〕

ユー地区は今を去る百十数年前、ある農場がこの地に開設されたことが始まりとなっている。
人家とて、先住のアイヌがわずかにパンケナイ川出会い(合流点)にあるのみ。
古い年代記の冒頭にはその頃のこの地を表して「猛獣跳梁、不毛無人」の文字がある。




〔パンケナイ地区遠望〕


それから、幾年月。
歴史の浅い北の国、北の町ユー地区にも百十数回の四季が巡った。

眼下にたたずむ町並みを眺めながら、遠い日に想いを馳せた。






市街地を遠望できる、この山の中腹には、ミズナラとアカエゾマツが植えられていた。
どうやら、最近植樹されたらしい。

あと十数年もするとこれらの幼木が育ち、ここからの遠望も利かなくなるだろう。
原生林を切り開くことが開拓の始まりだったとしたら、木を植え豊かな森を育てるのも、
また、次の時代への一歩なのだろう。



山裾のカラマツ林には、まだ少し黄色い葉が残っている。


これらの林は、ほとんどが昭和20~30年代に植えられたものだ。
そろそろ伐採の時期を迎えているだろうから、こういった風景も数年の内に変わるかも知れない。



街に戻る入り口、パンケナイ川の河畔に生える柳もすっかり葉を落とした。

今日は穏やかな一日だが、冬は確かに始まっていた。


黄金降る

2009-11-05 21:47:09 | ぐるりのこと
初雪で積もった雪が解けてきた。
その雪の上に、カラ松の葉が絨毯のように広がっている。


見上げるとカラマツの枝には、まだ、だいぶん葉が残っている。
若い木は、まだ緑がかっているものも。



屋根にも、庭にも、クルマにも…、
毎年続く、秋から冬への儀式。

これが黄金(こがね)だったらね。


一週間後

2009-11-04 22:02:28 | 一本カラマツ
初雪と積雪が一気に来た。
一日から降り続いた雪は30センチにも達した。
先月末から南の国に出かけており、真夏のような気温の中にいたので、
劇的な気候変化を味わった。
(南の国の話は、また今度)




いつもの風景も新鮮に見える。



エキナケアもぼんぼりを被り、良く見ると雪とともに降ったカラ松の葉が
くっついている。



カラマツ通りにもシーズン初の除雪車が入り、家の前の雪かきも始まった。
突然降っても、毎年やることは同じ…。

ここまで書いて、プランターの片付けや、ブルーベリーの雪囲いがまだ
だったのを思い出した。

このまま根雪になることはないだろうが、せめて雪の重さで折れないよう
囲う前の枝を払ってあげよう。