セゾン・ド・ユー

時々更新フォトダイアリー、北の四季とエトセトラ

東へ西へ

2012-05-28 22:08:50 | 山や森や川や渓

五月に入って、「昔少年調査隊?」の活動が俄に活発化している。

このブログは曲がりなりにも、「ときどき更新フォトダイアリー」なので、
時系列的に活動記録を残す。

ただし、何を調査したかの記録は、長くなるので割愛。

 

 

 

 

19日の土曜日は、ユー地区の西のS峠へ。 

残雪の沢を詰める。

 

 

 

 

 

沢筋では、エゾノリュウキンカ(ヤチブキ)が満開で迎えてくれるが…

 

 

 

 

 

エゾシカの足跡やら、山おやじ(羆)の足跡やらも…。
どうも、少し離れたところで、息を殺して見られているようで落ち着かない。

人数を頼みに、前進、また、前進。

 

 

 

 

旧道跡には、苔むした大木が点々と連なる。
うち捨てられた道路は、木が育つにかっこうの環境だったのだろう。

沢筋のこの道では、春先に水が付いて使えなかったと思われる。

でも、百年近く前、naomintの祖父は、この道を辿ってユー地区に
足を踏み入れたのだった。

 

 

 

 

開けたところで小休止。
隊員それぞれ、周囲で植生調査など開始の様子。

 

 

 

 

 

残雪に、サクラ咲く。

右は、見事なヤチダモの木。

 

 

 

 

この沢には、石灰岩の盤が水の流れで穿たれた石窟様の場所が連なる。

もっと大規模な岩屋があったという記録も残っているが、どうやら道路の
改修時に埋まってしまったようだ。

 

 

 

 

沢を下った土手筋に、カタクリの小群落を見つけた。

ユー地区のカタクリは、この周辺にしか自生しない。

 

 

 

 

一面の、ヤチブキと水芭蕉の原を横目に、また何本目かの沢を登る…。

 

 

 

 

 

そして、1週間後の26日、土曜日。

この日は、ユー地区の南部の川沿いへ。

タイトルは「東へ西へ」だが、気にしない。
調子と、勢いの問題だ。

少し斜面を登って振り返ると、蕗の原。

その向こうは、雪解け水を集めて早いトクシベツ川。

 

 

 

 

どうやら、何かを探しているらしい。

怪しげな面々。

 

 

 

 

 

左のにはちゃんと足がある。
エゾサンショウウオの眠りを覚ませてしまったらしい。

可憐な、スミレ草も。

 

 

 

 

でも、ここでの本命は、このウド。

形の良いのが、たくさん採れた。
これで、今夜の肴は決まった。

 

 

 

 

 

近くに立つ、見事な大木。
木肌を見ると、どうやらセンの木(ハリギリ)らしい。

センは、タラノキと同じウコギ科なので、若芽を天ぷらなどにすると
とても旨い。

でも、この高木で若芽を摘むのは、ちょっとしんどそうだ。

 

 

 

 

川は、滔々と流れる。

この流れには、春になったら遡上するサクラマス何かが、たくさん
棲んでいるのだろうな。

 

 

 

 

平地で終わったニリンソウも、ここでは満開。

調査隊の成果も少しは出たようなので、この日の撤退となる。

 

 

 

 

翌27日、日曜日。

 

ウドが、あんなになっているのなら…、と見当を付けて入った竹藪(ネマガリダケ)
には、案の定、山菜の王様がにょきり、にょきりと尖ったアタマを出していた。

ユー地区の春は、豊かだ。

と、実感する日々は、まだしばらく続く。

 

 


金環日食/部分日食

2012-05-21 22:07:03 | 天界ヘブンズ

全国的にフィーバー(ちょっと古い?)した、首都圏でも見られた金環日食。
ユー地区では部分日食となったが、色々な面で条件が良い日食だった。

以前、皆既日食を見に遠国まで出かけたことがあった。
それで、何となく画像に記録する原理は解るので、事前に試写をして
臨もうと思っていた。

それが、お日様の顔を見ること暫くなく、日食前日に晴れたものの、
野良仕事で日は暮れ、泥縄式にこの日を迎えてしまった。

当日、目覚めれば晴れ。
それから、ごそごそと準備を始めて、何とか間に合った。

以下、部分日食の始まりから食のピークまでの泥縄。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユー地区では、6時38分頃欠け始めて、7時54分頃最大食分を迎えた。

連続画像は、欠ける前のお日様から始まって、ほぼ10分毎の様子を記録
した。

本当は、食の終了まで記録したかったが、出勤時間のある身としては、
このあたりが良いところ。

 

 

 

 

 

 

機材は、その昔の皆既日食撮影で使ったものを半分流用した。

「半分」というのは、フィルターと望遠レンズ、三脚をオールド機材にして
カメラ本体はデジカメを使ったため。

便利な世の中で、オールドレンズとデジカメを繋げるアダプターリング類が
各種流通している。

欠ける前のお日様を、少し大きく加工して貼り付けたが、黒点も写って
いるので、泥縄・安直な光学系としては、まずまずと言うことにしよう。

 

 

 

 

 

 

あとは、雑誌のオマケの日食メガネとテレビ中継で、今回の金環/部分日食の
迎撃態勢は完成。

自宅のデッキに機材をセットしたので、撮影の合間に顔を洗い、朝食を取り、
服を着替えて…、ということができた。

こんな日食は、たくさんは無いと思う。

 

 

 

 

 

 

食が進んで、お日様の大部分を月が隠すようになると、日差しが弱まって黄昏時が
はじまる時分に似た風景となり、一本カラマツもサイロも小屋も染まった。

ネットニュースによると、金環食を迎えた場所では、気温も1度ほど下がったそうだ。

そうだったなぁ、と、30年ほど前の遠国の皆既日食を思い出した。

 

 


芝刈り初め

2012-05-20 21:13:23 | 庭・ガーデン

久しぶりに、晴れた。
サクラも咲き始め、草も伸びてきたので、今年も芝刈りを始めることに。

芝は刈り始めると、霜が降りる頃草が伸びるのが止まるまで、1週間毎の作業
になる。

「芝」という名の雑草畑と化しているので、定期的に刈り込むことで漸く体裁を
整えているというのが実態だ。

雑草といえども、短く刈り込むとそれなりに見えて気持ちが良い。

 

 

 

 

 

カツラの枝から、小さなハート型の葉が出てきた。
少し褐色がかった春紅葉のひとつだ。

 

 

 

 

庭の草花をぐるり見て回る。

 

まずは、チューリップ。

早咲きのミニチューリップは、少し前から咲き始めたが、在来種はやっと
ほころび始めたところ。

少し日当たりの悪い場所では蕾が堅く、秋植の苗はまだそれも上がって
きていない。

 

 

 

 

小型ホスタ類も、ぞくぞくと芽を出してきた。
昨春と比べると、ずいぶん芽が増えているように思える。

来春は株分けできるかも知れない…、などと皮算用する。

 

 

 

この庭の定番、デルフィニウムとエキナケア・パープレア。

 

 

 

オオカメノキとヤマブキショウマの山取り組も蕾を付けた。

 

 

 

 

 

クリスマスローズは花期は長いが、うつむいて咲くのでいつ盛りが来たのか
よく解らない。

花期が重なるチシマザクラの下に植え込んで、見上げると桜の花が一緒に
写り込む画を期待しているのだが、ここ数年桜の花付きが悪く、花の競演は
演目だけになっている。

右画像、桜の花の左下の「よだれ」のようなのが原因と思われるが、防除の
方法がよく解らず、今年もやられてしまった。

 

 

 

絨毯のように増えた、ツルニチニチソウ。
ノーマル葉と斑入りの二種植えているが、花はどちらも同じスカイブリュー。

 

 

去年、クルミの木の下に植え込んだ自生種のスズランも根付いたようだ。
(70年ほども前に、オホーツク海に面した自生地から移植して増えた苗を
分けてもらったもの。苗にも歴史がある!)

園芸種のドイツスズランほど花は大きく伸びないが、香りはいい。

 

 

 

 

アキタブキも、コロポックルが隠れることができるくらいの大きさになった。
新ブキもいいが、このくらいのが食感も味もいい。

山取りしなくてもいいように、家周りに何カ所か残しているが、気を抜くと
どんどん増えるので、適度にコントロールの要がある。

 

 

 

 

ポロヌプリ山の残雪も、急激に小さくなってきた。
新緑の背景は、こんな頃の山が一番画になる。

久しぶりの青空に、野良仕事で日が暮れた。

 

 


桜と軽種馬の里へ

2012-05-16 22:20:07 | 「ユー」のそと

週末の休みを使って、見頃となると思われた桜と軽種馬の産地へ
行ってきた。

見頃となると予想したのは、出発のずっと前だったので、若干の
ズレはあったのだが…。

 

 

 

 

旅の途中で、いつも寄るのはワイナリーや酒蔵。

K山町のK林酒造も、とおり過ぎるのには及ばない。

 

 

 

 

 

試飲をすると中途半端になりそうだったので、見学と地酒購入のみ。
目に毒のコーナーを横目で…。

 

 

 

 

昼食で寄った農家レストラン。

ロケーションと調和したエクステリアや作庭に見るところが多い。

 

 

 

 

 

といっても、食べなかったわけじゃない。

北の国からブームとなった、スープカリーなどがメインのメニュー。

 

 

 

 

 

 

行く前から解っていたものの、名物の桜並木二十間道路も今や葉桜。

この春の北の国、寒気がじわじわ続き、開花期に一気に暖かくなったので、
開花宣言と満開が同時期に重なり、風が吹いて一気に散ったのであった。

 

 

 

晩生の桜木に僅か残った花。

それでも、途中の山裾にはまだまだ山桜がいい感じに咲いていた。

 

 

 

とりあえず、「満開だったらこんな風景」という解説的画像を添付。
来年は50回目の「桜まつり」になるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、サラブレッド銀座と呼ばれる、種馬の産地を巡る。

タンポポも咲き始めた、穏やかな日差しを浴びる馬の姿にのんびりする。

 

 

 

 

 

軽種馬生産の経済力を思い知らされるような、広大な敷地と手入れの
行き届いた農場内。

 

 

 

 

農場内の木々も芽吹きを迎えていた。

 

 

 

 

どうやら、中央競馬会でもかなり活躍したコスモバルクという馬らしい。
人なつこくて、サービス旺盛な看板馬だ。

たくさんの馬好きらしき人が、何枚も写真を撮っていたので、やはり有名馬
なのだろう。

 

 

 

 

 

帰りもN沼町にある農家レストランに。

ここは、数年前に同じメンバーでワイナリー巡りをした際寄ったので
ちょっと懐かしい場所だ。

 

 

 

自家野菜がメインの食材とのことで、畑に大きな葉のルバーブ?が蕾を
付けている。

〆は、やっぱり?カツカレー。

 

 

 

 

 

「ソメスサドル」という馬具製造から始まった革製品のメーカー直売所。

最後は、やはり馬で閉めるというオチではないが、ここも気持ちの良い場所。

寄りたい場所はたくさんあるが、ゆとりを持った1泊2日のドライブとしては、
このあたりが限界。

広い北の国なのだから、また、ゆっくりと見て回ればいいことだ。

 

 

 

 

後半寄った農家レストラン「花茶」で見つけた
ベストコンビ、ベストアングル。

なかなか似合っておりました。

 

 

 


調査隊、西へ

2012-05-06 21:53:41 | 山や森や川や渓

連休最後の午後、雪解けを待ちかねたように隊が動いた。
今日は、これから始まる各種調査の足慣らし的な行動となる。

最初は、これまで何回かエゾエンゴサクで紹介したことのある
ユー地区の鎮守の神社。

小高い岩山に建つ、本殿の裏側に回ってみた。
明治の頃から、ユー地区の来し方を見てきたお社だ。

 

 

 

岩山の下に、クサノオウが芽吹いていた。

茎や葉を傷つけると、液が出てオレンジ色になるのでこの名が付いたという。
だから「草の王」ではなく、「草の黄」だ。

ケシ科の有毒植物。

 

 

 

 

ここの名物エゾエンゴサクと、エゾイチゲ。

エゾエンは足の踏み場もなく、イチゲは林内にひっそりと咲いていた。

エゾエンゴサクは、同じケシ科でも食草。
エゾイチゲは…、食草のニリンソウ(フクベラ)と同属同科だが、食べたこと
ありません。

 

 

 

 

 

境の楡(さかいのにれ)は、ユー地区と以前最寄りの鉄道駅があった
S頓別との中間にあることから誰言うともなく呼ばれるようになった。

ハルニレとしては、ユー地区随一の巨木と思われる。

 

 

 

 

根もとには、大人一人入られるような洞があって、大きな口を開けている。
(念のため覗いてみたが、トトロはいなかった)

樹齢が尽きかけているようにも思えるが、ここに立つと何かに圧倒される。

老樹が発する「気」「木霊(こだま)」のようなものかも知れない。

 

 

 

 

 

花の名所、ケトベツの地蔵堂へ。

ここでも、エゾエンゴサクが満開だった。
でも、ここの一番はエゾエンではない。

 

 

 

 

一面の、フクジュソウ(キタミフクジュソウ)とアズマイチゲが見頃になっていた。

誰かが、山から移植したものが増えたものか、限界集落に近いこの地区で、
毎春静かに咲いている。

 

 

 

 

 

ポールンベツの岩屋跡へ。

ここは以前、石灰石を採掘していた場所だが、古代人が使った岩屋があった。
しかし、岩屋自体が石灰石でできていたため、発破で破壊し大切な遺産が
失われてしまったという。

 

 

 

岩山へ上ると、真下に大きな池ができていた。

 

 

 

 

更に奥へと進むと、山の傾斜に沿って遺物が見つかった。

どうやら石灰工場の跡らしいが、古代遺跡の神殿のような風情でもある。

 

 

 

 

 

遺物の両脇には、幅の狭い階段が作られており、原石を人力で運び上げた
ものか。

夢の跡を見るような、不思議な場所だった。

 

 

 

 

ここでは、ナニワズとキバナノアマナのイエローコンビ。
キバナノアマナは、黄花甘菜でユリ科の鱗茎や葉っぱに甘みがある。

どちらも、この時期に山や渓を巡ると良く見つかる春の花たちだ。

 

ユー地区の西方をぐるり巡って、連休後半も終わりを告げた。

 

 


五月のぐるりと大風

2012-05-01 21:34:07 | ぐるりのこと

連休前半、ユー地区の外に出ていて昨日戻ったばかり。

3日いなかっただけなのに、最も変化の大きい時期に家を空けて
しまったようだ。

カラマツ林の外れでは、キタミフクジュソウが点々と開花している。

 

 

 

 

 

数少ないカタクリも、一番花は開きすぎ。

今年は、一番良いところを見逃してしまった。

 

 

 

 

 

アズマイチゲと、やっと蕾が上がってきたエゾエンゴサク。

 

 

 

 

カラマツの根元では、ギョウジャニンニクが採り頃に…。
(採り頃=食べ頃)

 

 

 

 

 

雪も、軒下に残るのみで、庭や畑は消えてしまった。
積雪の重みでブルーベリーの囲いが何本か折れていた。

 

 

 

 

 

フキノトウが出たと思っていたら、小蕗が丁度良い大きさに。

このくらいのをみそ汁に入れるだけで、春をしみじみ実感することが
できる。

 

 

 

 

 

まだ、去年の葉がそのままで見栄えが悪いが、花はしっかりと開いている。
スポット咲きのクリスマスローズ。

 

 

 

 

ニゲルとオリエンタリス(多分)。

 

 

 

 

 

 

フロントでは、クロッカスとチオノドクサ(ブルー、大花のピンク)。

スイセン類も早いが、最も早咲きのミニスイセン(ティータ・ティータ?)は
ここではまだ蕾のまま。

 

 

 

 

 

冬の間に落ちて、芝の上に散らばっていたカラマツの枝は、集めて
小山にしている。

片付けは、連休後半の野良仕事。

気のせいか、いつもより多い気がする。

 

 

 

 

 

残雪も、もう僅か。

朝早くのこの時点で平和な画像だったが、夕方戻るとある変化が…。

 

 

 

 

 

そして、夕方。

どうやら、大風が吹いたらしく、小屋の壁に積んでいた焚きつけ用の
廃材が、もののみごとに崩れていた。

やれやれ。

 

 

 

 

 

こちらは、被せてあったナマコトタンや重しのパレット・古タイヤまでも
飛散している。

積んであった薪もこのとおり。

 

 

 

 

 

見栄えも悪いし、雨の予報も出ているので、応急に積み直す。

しかし、最初の積み方が悪かったか、全体に緩んでいるようで、
奥の方は今にも崩れてきそうな感じ。

何トンもの雪の重みから解放されて、大風に煽られたら、よほど
しっかり積んでいないと、長期の野外保管は覚束ない。

特に、支柱を使わず、両側の井桁積みで全体を支える場合は、
なおさらだ。

 

 

 

 

小屋の軒下の、焚き付け廃材の方も、大方を薪小屋に運び込み、
薄暗くなった頃に、残りを何とか仮積みすることができた。

こちらは、軒下の地盤が雪解け水で緩んだらしく、廃材の重みに
耐えかねて、基礎代わりに置いたブロックが大きく傾いていた。

 

実は、去年の春にも同じようなことがあった。

半端仕事は、何処かにツケが回ってきて二度手間になることを、
五月の大風が教えてくれた。