読書感想日記

最近読んだ本の感想

「天皇と特攻隊」 太田 尚樹 著 講談社

2010-03-09 00:25:26 | 歴史物
 果たして、誰が考え、命令したのか…
 そして、誰か止めることができる人は、いなかったのか…
 永久に、誰も答えを出せないであろう「特攻」という究極の戦闘行為。
 そもそも、なぜ日本は戦争をしたのか。巻き込まれたのか、自ら選んだのか…
 それは、誰が決めたのか…誰の責任なのか…
 結局、そういった次元まで遡ることにつながり、もはや結論は見出せない。
 しかし、頭の悪い私にもわかったことがある。
 まず、指揮官たる者は、自分の行動や言葉に責任を持つべきで、あってはならないことだが、もしも部下に命を捨てさせる命令を下すのであれば、当然、自らも同じ代償を払う覚悟をもち、最期はその責任を果たすことが、最低限度の姿勢であろう、ということ。
 次に、生命という最も尊い代償を払ってまで、この国を、そして愛する者を守ろうとして下さった諸先輩方に感謝し、その犠牲を決して忘れてはいけない、ということ。
 そして、マスコミは、この当時と何ら変わっていない、ということ。
 当時は、軍部の言うがままの記事を報道することで、国民を誤解させ、戦争への意識を高揚させた挙げ句、国民に多大な損害と苦痛ばかりを負わせて日本を敗戦へ導いておきながら、その責任を軍部に負わせ、自らの責任を反省する意識がないため、現代において、前総理が漢字を読み間違えたりするだけで政権の担当能力がない等と繰り返して政治に無知な国民を洗脳し、それこそ政権を担当する能力のない者たちに我が国の政治を任せる選択をさせ、現在、我が国を亡国に瀕するほどの危機的状況に貶めたのは、マスコミの責任ではないのか。
 権力を監視し、国民に正しい情報を提供することが使命であろうマスコミが、自分たちの存命を図るため、こぞって権力に迎合するならば、そんなマスコミは不要であろう。
コメント
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