俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

安全と危険

2011-03-29 15:30:21 | Weblog
 安全と危険は対立する概念ではない。危険度という指標のみがあって、危険度のごく少ない状態が安全とされる。危険度0の状態から始まって確実に事故が起こる危険度100%までは、白からグレーを経て黒へと至るようにグラデーションを描く。
 過度の安全性の追求は有害だ。傷口を無闇に消毒すれば病原菌だけではなく善玉菌まで殺してしまうためにかえって治りにくくなるそうだ。
 放射能汚染が危険であることは間違いない。しかし原発内の390万ベクレルの汚染水以外は殆どがグレーのレベルだ。それを白か黒かと問うから訳の分からない議論になる。
 私個人としては原発から30km圏外の野菜なら進んで買いたいと思っている。それが復興支援に繋がるからだ。よく洗うだけで放射能は半分以下になるだろう。枝野官房長官の「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」という発言のとおりであり、菅首相による福島県産野菜の摂取制限発言は暴言だ。菅首相は福島県が東京都の6.4倍も広くて日本で3番目に大きい県であるということや、特殊な地形をしていることを知らないのだろうか。
 理系の発想は単純化し過ぎるし文系の発想は枝葉末節にこだわり過ぎる嫌いがある。菅首相の考え方は福島県産の総てを否定する極めて偏狭な考えだ。ユダヤ人を有害民族と決め付けたヒットラーに等しい。会津若松産の野菜は茨城県東部の野菜よりも安全と思えるのに、県単位のレベルでしか把握できない発想は幼稚とさえ思える。こんな首相で大丈夫なのだろうか。

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