俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

奴隷以下

2012-03-06 14:53:50 | Weblog
 労働者の境遇は奴隷以下だ。奴隷は所有者の財産だ。従って財産価値を損なわないように大切に処遇される。一方、労働者は使い捨ての道具に過ぎない。人形や玩具のように壊れたら捨てられる。家電も最近では使い捨てだ。修理するよりも買い替えたほうが安上がりだ。労働者は使い捨て文化の犠牲者だ。
 労働者は20歳から60歳までの盛りの時期だけ雇用される。最盛期を過ぎた労働者はゴミのように捨てられる。働き盛りであろうとも役に立たなくなった労働者も捨てられる。私の元勤務先にいた女性管理職は蜘蛛膜下出血で入院した。1年ほどの休職扱いのあと解雇された。企業は情容赦無く労働者を使い捨てる。
 企業にとって労働者は道具に過ぎない。雇用している間はある程度保護をするが退職後は赤の他人だ。能力も意欲もある定年退職者が働き場を求めて中国などに渡り、これが技術の流出を招いている。こんな流出は国益に背くが、ゴミとして切り捨てられた人がどう動いても個人の勝手だ。もし責任が問われるなら個人ではなく企業だろう。ゴミとして捨てられたものを再利用することは何ら倫理に背かない。資源をゴミ扱いする企業こそ国益を損ねている。

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