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20200803 小出裕章さんの講演メモ

2020-08-08 10:11:01 | 小出裕章先生のお話し

サラバ原発・変えよう暮らし方の会脱原発学習会

 

福島第一原発 不可能なデブリ取り出し 石棺しかない:小出裕章

あらためて福島第一原発事故による放射能汚染の程度は、放射線管理区域4万ベクレルを超えている。福島県から栃木県、群馬県に放射線管理区域が広がったのである。

この事故によって10万人を超える人々を避難させた。ある日突然、手荷物だけで避難した。そのほかの人達は、政府による原子力緊急事態宣言において特例措置として、放射線管理区域に人々は「捨てられた」のである。

原子力産業とゼネコン、中小零細企業、労働組合、マスコミ、裁判所、学界などの「原子力村」は、誰一人責任を取っていない。本来、全員刑務所に行くべきだが、「原子力安全神話」から「被爆安全神話」を振りまいている。

被爆の許容量、1900年当時一日0.1㏜だった。危険がわからなかった。当時の科学者が死んでいった。その後ヒロシマ、ナガサキの原爆の被爆があり、許容量は下がってきた。1950年以降は、職業人の10分の1に下げられた。集団ではさらに下げた。1970年代年間1㍉㏜に、職業人は年間20㍉㏜に制限された。

福島原発では、緊急事態宣言下において一般人に年間20㍉㏜まで広げてしまった。

それでは被爆により子どもたちにはどんな影響が出るのか。生物は年齢を重ねると放射能に鈍感になる。体細胞はもう分裂しませんから。がん細胞が大きくなるスピードも鈍い。別の原因で亡くなることもある。逆に、年齢が若いほど危険が大きくなる。30才の4倍以上の危険をもつ。なおかつ原子力政策になんの責任もない。

今福島へ行くと「福島を守ろう」というスローガンがある。何から守るのか、風評被害だという。風評ではない、実害です。2019年3月住宅支援も打ち切った。国や福島県は「帰らないのはわがまま」として、追い出されようとしている。裁判までやられて、汚染地で生きることを強要されている。

学校給食に福島のコメを使う。国道6号線の清掃に学童を使う。「汚染がある」というと国は、「そんなこと言うな、邪魔だ」といわれる。強制非難した人も被害者、残された人も被害者、自主的に避難した人も被害者、汚染地で作られたものを食べた人も被害者。「汚染していることに目をつぶってはいけない。加害者と戦うことが、次の被害者を出さないことにつながる。」

福島のためにお金を使うべきだ。オリンピックに使う時ではない。

安倍首相がアンダーコントロールとブエノスアイレスで言ったとき、汚染水は、どういう状態だったのか。3.11で原子炉建屋もタービン建屋もボロボロの状態。毎日水をかけ、地下水が流れ込んでいた。総量800トン、400トンは循環させていた。当時毎日400トンの水が敷地の地下を通って海洋に流れこんでいた。

2014年10月13日に採取した海側の井戸の水

セシウム134 61000㏃/L(環境への放出基準:60㏃/L)基準値の1000倍

セシウム137 190000㏃/L(同:90㏃/L)基準値の2000倍

全ベータ7,800,000㏃/L(同ストロンチウムとすれば30㏃/L)基準値の26万倍

事故が起きてから汚染水問題はずっと続いている。現在、135万1200トンためることができる。処理水116万トン、ストロンチウム処理水5万トン、そのほか1万。132万トンがたまっている。あと10万トンしかためられない。東電と国は海洋へ流そうとしている。

しかし、処理水(トリチウム水)とは、別名三重水素と呼ばれている。陽子一つに二つの中性子がついている。天然に存在しない放射能をもっている。不安定で12.3年ごとに半減していく。その時にベータ線を外部に放出している。環境に出るとどうなるのか、水素は酸素と結びついて水となる。酸素とトリチウムがついている水。区別はつかない。汚れた水から汚している物質を取り除くことだが、トリチウム水は取りのぞけない。

トリチウム水には他の各種も含まれている。ストロンチウム、ヨウ素、ルテニウム、コバルト60他が残っている。環境に出すことは難しい。

じゃあどうする。ストロンチウムを捕まえるしかない。難しい。トリウムは除去できないから必ず破綻する。100年間ためれば半減するといいうが、10の15乗のトリチウムがある。本来六ケ所村で再処理が行われるものだった。プルトニウムを捕まえる作業。トリチウムは水の中に出てくる。全量海に出す予定だった。1年間に800トン出す予定だった。福島は200トン。18ペタベクレルを平常運転下で海に流すつもりである。海洋に流さないことを原子力村は許さないだろう。

大気へ出ない放射能が、15ペタベクレルと政府は言っている。海への放出、滞留水、炉心内存在量が700ペタベクレルあったはず。それを取り除くことが最大の課題。

デブリは取り出せない。原子炉建屋内にあるプールにある燃料を取り出さなければならない。その後に、石棺をつくって覆うしかない。誰がやるのか、労働者。被爆労働は、放射線を被ばく限度まで働く。年20㍉㏜まで。その後は放り出される。解雇。その後がんで死んでも因果関係は証明されない。

チェルノブイリでは60万人から80万人が働いて石棺をつくった。地震はなかったので地下は大丈夫だった。福島では、どれだけの労働者が必要か分からない。そこで外国人材を拡大する法律を作った。「人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に属する技能を有する外国人の受け入れを図る」。

我々の責任で、原子力に引導を渡さなければならない。

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