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20220225 一般質問その4「長野県における多文化共生社会の構築に向けて」

2022-02-25 15:42:47 | 長野県議会

【中川】昨年9月、本県議会は国に対して「多文化共生社会に係る基本法の制定を求める意見書」を全会一致で可決いたしました。これまでも外国人労働者、技能実習生の課題についても取り上げられてきているところです。コロナ禍ということもあり、松本市の多文化共生プラザには依然として外国人労働者の雇止めなどの相談が寄せられています。もちろん制度上の課題もありますが、雇い主の人権感覚やこの地域で共に生きる仲間としての共生感覚を高めるために県からのアプローチが必要になっているのではないでしょうか。

【産業労働部長】長野労働局が先月末に公表した令和3年10月末現在の県内の外国人雇用状況によれば、県内の4149事業所に2万714人の外国人労働者が雇用されており、事業所数・労働者数ともに過去最高を記録したとされております。一方、全国の労働基準監督署が技能実習生の受け入れ事業所に対して行った指導・監督の結果では法令違反事業所が7割を超え、高止まりにあるとしております。違反の内容等を見ますと、機械等の安全基準違反、長時間労働、割増賃金の不払い、違法な賃金控除などが上位を占めています。こうした実態を踏まえ県では、令和3年1月に設置した「外国人材受入企業サポートセンター」において、事業主向けセミナーや労働教育講座を開催したほか、7月の多文化共生推進月間ではポスターを作成し関係機関に配布するとともに、やさしい日本語の普及啓発のための講習を実施するなど、事業所や地域における多文化共生意識の醸成に努めているところです。すでにESG投資に見られるような人権への対応が企業ブランド・社会的評価にもつながってきております。引き続き、日本人も外国人も互いを理解し尊重しあいながら働ける職場・暮らせる社会づくりに向けて取り組んでまいります。

【中川】外国人技能実習生が仕事を失い、しかも母国に戻れない状況があります。管理団体や外国人技能実習機構が対応するわけですが、すぐに仕事が見つからない場合が多く、永住者・定住者等の在留資格のある外国人なら生活保護を受けることができますが、技能実習生の場合生活保護を受けることができません。技能実習生の生活を支援する制度が必要と思いますが県として検討をいただけないでしょうか。

【産業労働部長】技能実習法では、技能実習生が雇い先から解雇され実習の継続が困難になった場合、管理団体が次の実習先や実習生の宿泊先の確保等を担うこととされており、仮に管理団体が対応しない場合には外国人技能実習機構が代わって実習生の援助にあたることとされております。さらに、実習生が新型コロナの影響で解雇された場合、次の就業先の確保のために出入国在留管理庁においてもマッチング支援が行われております。こうした中県といたしましても、外国人材受入企業サポートセンターや多文化共生相談センターが必要に応じ、外国人技能実習機構や出入国在留管理庁に取り次ぐなど、関係機関と連携して支援に努めてまいります。

【中川】外国人の方が地域で暮らしていくためには、地域の日本人・県民が同じ人間として地球社会で生きている仲間として接することが大切なのではないでしょうか。20年以上長野県に住んでいるミャンマーの友人に県としてどんな政策が必要だと思うか聞きました。曰く「例えば宗教上の理由で牛肉や豚肉が食べられない外国人がいるけれども、レストランや食堂のメニューに牛肉や牛エキスを使っていることが分かるピクトグラムの表示があればいい。ごみの出し方でトラブルになることもあるが、ルールを説明するのではなく、なぜ分別をしているかを説明する方が理解される。保険証をも持って歯医者に行ってもそんなにお金がかかるものではないということを知らない」など、日常生活で共に暮らしていく上でのポイントがあるというお話でした。

 長野県が外国人にとって暮らしやすい街であることは、私たちにとっても暮らしやすい街だと思います。大きな市では、多文化共生に向けた相談窓口などがありますが、小さな市や町村での対応も含めて長野県として、県民に外国人と共に生きていくための知恵を示していくことが大切なのではないでしょうか、県民文化部長にお伺いします。

【県民文化部長】ご指摘の通り、地域住民の側が外国人県民の抱える疑問や不安を理解し、また配慮する中で共に生きていけるよう県としてさまざまな知恵や方法を集めまして、それを市町村をはじめ各地域に紹介していくことは多文化共生の地域づくりを進めるうえで重要な方向であると考えております。このため県では昨年度から、多文化共生を進めるためのモデル地域を設けまして、地元市町村と連携しながら地域住民と外国人が実際の生活場面で接する機会をつくることで、共に暮らしていくための気づきが得られるよう取り組みを始めたところでございます。

例えば昨年度モデル地域となりました駒ケ根市では、日本語習得に向けたプログラムの中で実際に外国人の方が買い物などをしながら地域の商店街を歩く取り組みや、医療従事者の方にも参加いただいて病院の受診体験などを行う、こうしたモデル的な取り組みを始めております。今後は、支援団体などがない小規模な市町村に向けて、こうしたモデル地域での取り組みを紹介し、また普及を図っていくことで地域住民側の多文化共生意識を広げる取り組みを進めまして、共に生きていく社会づくりを広めてまいりたいというふうに考えております。

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