長田家の明石便り

皆様、お元気ですか。私たちは、明石市(大久保町大窪)で、神様の守りを頂きながら元気にしております。

青銅の弓

2018-07-23 19:35:19 | 

長男が小学生の頃、教会員が下さった本の中に、岩波書店発行の『青銅の弓』というのがありました。

E.G.スピアという女性が書いた児童文学ですが、いかにも地味なタイトルに、いかにも地味な表紙。

文章を見ても、地味な感じで、とても読む気になれませんでしたが、

どういう訳か長男は時折(テスト勉強中など)読んでいました。

この間も読み終わって、「お勧めするよ」と言ってきました。

家内にも「お勧め」と言っていたので、少し興味が出て読んでみました。

舞台は、1世紀のパレスチナ、ガリラヤ。

主人公のダニエルは、両親をローマ兵に殺されて以来、彼らへの復讐を胸に生きる少年。

ローマの支配からのユダヤ人の独立を目指すロシュ率いるグループに所属しながら、時を待っています。

ライトが『シンプリー・ジーザス』でパーフェクト・ストームに譬えた複雑な歴史状況がよく描かれていて、

最近そのあたりのことを気にしながら新約聖書を読むようになっていたため、

状況がすっと理解できました。

その中に現われるイエス様は、ダニエルはじめ、周囲の人々にも、興味と共に戸惑いを引き起こします。

物語は、ラビの家庭の兄妹、熱心党のシモン、ダニエルの妹のレア、そして金髪のローマ兵などを巡って、

急展開で進み、最後は急転直下、予想外の結末に向かいます。

児童書ながら、本を閉じた後の余韻が半端なく、久しぶりに心揺さぶられる小説を読んだ感がしました。

ちなみに、現在は入手困難な本らしく、アマゾンで15,000円で売られていたのにはびっくり。

価格だけでなく、内容的にも貴重な一冊。

くださった方に感謝。

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