題を見て、過激な内容を想像し、「いのちのことば社がどうして?」と思ってしまいましたが、読んでみると、穏当かつ基本的な内容でした。
著者は1980年生まれとのことですので、まだ若い牧師ですが、アメリカ留学の中で、日本とアメリカのキリスト教会での「平和」理解がかなり違うことに気づき、驚いた経験を踏まえて書いておられます。
信仰は保守的で、平和学や「平和」についての神学的取り組みも基本的なところは押さえているようです。クリスチャンでない方、特に若者を読者に想定しながら書いておられますので、とても分かりやすく読めます。(平和に関わるマンガも一部転載。)平和について説明しながら、要所要所、クリスチャンの信仰について基本的なところを解き明かしていますので、「キリスト教平和論入門の体裁をとった信仰入門書」という見方もできそうです。
使用例
(1)クリスチャンでない人から「アメリカはキリスト教国でしょ、どうして戦争やってるの?」と尋ねられたとき「読んでみて」と勧める。
(2)教会の中で、「平和について一回学んでみたい。議論が白熱するのもいやだが、通り一遍のところで終わらせるのもいや。」という時のテキストに。
(3)クリスチャン同士が平和について議論していて、話が平行線になってきたとき、議論を噛み合わせるための手がかりとして。
今後のご活躍をお祈りしております。