長田家の明石便り

皆様、お元気ですか。私たちは、明石市(大久保町大窪)で、神様の守りを頂きながら元気にしております。

信仰への招き  16.福音に生かされ、福音に生きる

2020-01-25 17:07:58 | 信仰への招き

これまで、福音とは何か、福音が提示する救いとはどういうものかを見てきました。それでは、キリストへの信仰に導かれ、神からの救いを頂いた者は、どう生きていけばよいでしょうか。ひと言で言えば、「福音に生かされ、福音に生きる」ということではないでしょうか。

使徒パウロの手紙は、多くの場合、福音の内容を提示する部分と、福音によって信仰に導かれた者の生き方を教える部分とに分かれています。そして、後者は常に前者を前提とし、前者を踏まえて書かれています。

福音の内容を真正面から取り上げるローマ人への手紙でも、福音の内容について1-11章まで取り上げた後、12章の冒頭は次のように書かれます。

「兄弟たちよ。そういうわけで、神のあわれみによってあなたがたに勧める。」(ローマ12:1)

そこから記されるのは、神への献身であり、賜物に応じた奉仕であり、社会での生き方であり、教会内で互いに受け入れることです。そして、そのすべては、1-11章までの福音の内容に根差しています。

神の救いを個人的な観点と共に、共同体的観点からも描いているエペソ人への手紙でも、1-3章で神の救済のみわざが大きなスケールで描かれた後、4-6章で信仰者の生き方が教えられます。その冒頭は以下のように記されます。

「さて、主にある囚人であるわたしは、あなたがたに勧める。あなたがたが召されたその召しにふさわしく歩き」(エペソ4:1)

同様の表現は、それ以降も繰り返されます。「神に愛されている子供として、神にならう者になりなさい。」(エエソ5:1)、「あなたがたは、以前はやみであったが、今は主にあって光となっている。光の子らしく歩きなさい。」(エペソ5:8)(ガラテヤ5:25、コロサイ2:6、7、3:1、2、5-10、12、13等も参照)

このようなパウロの語り方を踏まえると、福音の内容を示す文脈の中で、信仰者の生き方を同時に示しており、信仰者の生き方が教えられるところでは同時に福音の内容が確認されていることも見えてきます。たとえば、「罪から解放され、義の僕となった」ことを踏まえて、「自分の肢体を義のしもべとしてささげて、きよくならなければならない」と教えます(ローマ6:18、19)。全体としては教会が直面する実際的な諸問題を扱っているコリント人への手紙においても、個々の問題に対する指針を示しながら、福音の再確認を行なっています(第一コリント1章、15章、第二コリント3章、5章後半等)。

このような見方をもう一歩進めれば、信仰者の生き方は福音の中に提示されているとも言えるでしょう。福音によって罪を赦されたならば、罪を赦された者として生きていく。聖霊を与えられたならば、聖霊の導きに従って生きていく。神の子とされたならば、常に父なる神の愛のもとで、子として生きていく。神の家族である教会の一員とされたのなら、神の家族の一員として、その交わりを大切にしながら生きていく。神の国に入れられたのであれば、神のご支配の中に、御国の民として生きていく。

福音に生かされ、福音に生きるということは、福音が示すところに根差し、福音が示すように生きていくことです。そのように生きていくこと自体が福音を証しすることになります(コロサイ1:6、第一テサロニケ1:8-10)。もちろんそれと共に、教会はまた福音を言葉で証しすることも委ねられています(マタイ28:19、20)。

主イエスは、ペテロがイエスへの信仰告白を言い表した際、ご自分が苦難の僕として死に向かっていることを告げられました。同時に、弟子たちもまた「自分の十字架」を負うて、ご自分に従ってくるよう求められました(マルコ8:34)。その際、「自分の命を失う」覚悟さえ求めながら、このように語られました。「自分の命を救おうと思う者はそれを失い、わたしのため、また福音のために、自分の命を失う者は、それを救うであろう」(マルコ8:34)。キリストの弟子としての生き方は、キリストご自身を目的としていることは言うまでもありませんが、それは同時に福音を目的としているということは注目すべきことです。

福音に生かされ、福音に生きる。人格と生涯の全体をもってそのように生きることを通して福音を証しする。そのように生きながら、必要に応じて言葉でも福音を証しする。そのような生き方に、神は私たちを招いておられます。

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