ブラック企業大賞2012
ノミネート企業10社とノミネート内容
3. 「すき家」(株式会社 ゼンショー)
2008年4月、牛丼すき家仙台泉店で働くアルバイト従業員3名が、株式会社ゼンショーに対し、未払いの本給、時間外割増賃金および紛失立替金の支払いを求めて裁判を提起した。原告ら3人は、2005~2006年に月間最大169時間の残業をしたが同社は支払いを拒否。また、原告の一人は事実上の店長だった時、店の売上金56万円が紛失したとして賃金から全額を天引きされ、返金を求めたが、同社は応じなかった。
この訴訟では、結審日として予定されていた2010年9月10日を前に突如、会社が8月26日に原告らの請求額合計994,777円をすべて認諾して、訴訟は終了した。
この過程で、アルバイト従業員3名が加入する「首都圏青年ユニオン」が2007年1月、残業代支払いやシフト差別等の問題について団体交渉を求めたところ、会社は団体交渉を拒否。そのため組合が団交拒否の不当労働行為救済申し立てを行い、2009年10月、東京都労働委員会は組合の申し立てを全面的に認め、会社に団交に応じること等を命じる命令を出した。
しかし同社はこれに対し中央労働委員会に再審査を申し立て、中労委は、2010年7月21日付の命令書を交付し、会社の再審査申し立てを棄却した。都労委の命令書などによると、ゼンショーは組合員の一部との契約は業務委託で、雇用する労働者ではないとして団交に応じなかった。だが、従業員は会社のマニュアルに従い、決められたシフトで働いていることから、都労委は労働契約関係にあるとして会社の主張を退けている。
同組合は、2012年7月現在、同社の団体交渉拒否に対する損害賠償訴訟を継続中。なお、ゼンショーは、首都圏青年ユニオンとの団交に応じるように命じた中労委命令を不服として国を提訴している。
4. 「SHOP99」(現ローソンストア100)(株式会社 九九プラス)
2011年5月31日、安売りコンビニエンスストア「SHOP99」元店長が、権限のない「名ばかり管理職」で残業代なしの過酷な長時間労働で健康を壊したとして、未払い残業代と慰謝料の支払いを認める判決が出された。判決では、この店長が「名ばかり管理職」だったと認め、会社側に対し、残業代44万8376円と付加金20万円、慰謝料100万円の計164万8376円を支払うよう命じた。
SHOP99を運営するのは、コンビニ大手ローソンの完全子会社、九九プラス。店長は、2006年入社後、わずか9カ月で店長となったが、「管理監督者」扱いで残業代は払われず、店員時代より賃金は8万円も下がった。37日連続勤務など過酷な労働が原因で、うつ状態と診断され、入社から1年2カ月で休職に追い込まれた。
判決では、店長の職務内容、責任、権限、賃金からみて「管理監督者に当たるとは認められない」と指摘。「時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである」とした。うつ状態についても、「業務と本件発症との間には相当因果関係が認められる」として、会社が安全配慮義務に違反したと断じている。この店長は、「判決は、自分の思いに後悔のない中身になっている。健康を取り戻せず、苦しかった。やっぱり働きたい。会社は人を人として扱ってほしい」と語った。
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“ワンオペ”で叩かれた「すき家」のいま
ITmedia ビジネスオンライン 12/6(火) 7:55配信
近年、牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングスの業績が好調だ。2016年3月期決算は、営業利益が前期比384.9%増の121億円と大幅に増益。11月8日に発表した9月中間連結決算も、最終利益が前年同期比98.2%増の49億円となっている。この業績好調の要因の1つは、約6割の店舗で休止していたすき家の深夜営業の再開だ。
すき家は2014年、深夜時間の営業を従業員1人に任せる(いわゆるワンオペ)など、過酷な労働環境が問題となった。「ブラック企業」という、マイナスイメージが強くなったことで人材の確保が困難になり、国内1985店のうち1254店で深夜営業を休止した。
あれから約2年半。現在休止している店舗は127店にまで減った。労働環境の改善に取り組んだことで人手不足を解消し、休止していた店舗の約9割が深夜営業を再開したのだ。同社のどのような取り組みが、深刻だった人手不足問題を解決したのだろうか。
●現場の意見を吸い上げる
同社の広報、廣谷直也氏は「『ワンオペ』を解消すると発表してからは、実は人手確保にそこまで苦労しなかった」と明かす。
課題となっていた人手不足の解消に向け、2014年の8月に「深夜のワンオペを廃止する」と発表。そこから応募者は10月が前年同月比で120%、11月が同133%、12月が152%と、右肩上がりに増加した。
「各メディアに『ブラック』と言われていた時期だったが、具体的な労働環境と改善策をきちんと発信したことでマイナスイメージを払拭(ふっしょく)することができ、応募者の増加につながった」(廣谷氏)という。
「店舗がさまざまなところにあり、職場へのアクセスもいい。仕事に高度な技術もいらない。また、時給も悪くない。もともと、すき家で働きたいという需要はある程度あったのでしょう」(同)
もちろん、人手不足解消の要因は、ワンオペ廃止を打ち出しただけではない。改革したポイントは大きく分けて2つある。
その1つが昨年2月から全国で実施しているクルーミーティングだ。パート・アルバイトに参加してもらい、労働環境に関する意見を現場から吸い上げる取り組みだ。1回のミーティングで約20~50人が集まる。これまでに全国で141回実施し、1864人が出席している。集まった意見は経営層に提出され、労働環境のさらなる改善に役立てるという。
「シフトの組み方といった制度の細かい部分についても意見を集めています。主婦からは託児所が欲しいという意見が多かったので、昨年9月に要望のあったつくば市に託児所を作りました。すぐにはできませんが都内でも託児所を設置することを検討しています」(廣谷氏)
●「残業するくらいなら営業を止めてもいい」
もう1つの改革は、労働時間の徹底した管理だ。2014年に時間管理委員会(労働組合員やエリアマネージャーなどで構成)を立ち上げ、月ごとに従業員の労働時間を厳しくチェックする体制を整えた。その効果は特に店長(社員)に対して顕著に表れている。
飲食店では、アルバイトの突発的な欠席・退職などのトラブルに対して、店長がカバーすることが多い。営業を停止させないことが最優先で、たとえ休日でも穴の空いたシフトを埋めるために出勤せざるを得なかった。
しかし、改革後は店長の残業時間が上限(45時間)を超えるなど、“働きすぎ”となってしまう場合は営業を中止するようにしたのだ。
「アルバイトが突然辞めたり、休んだりすることは常にあります。これまでは『何があっても店の営業を止めてはいけない』というのが常識だったので、店長が無理をしていました。しかし、困難な場合は営業を止めても良いというメッセージを出したことで、心にゆとりを持って働ける社員が増えてきています」(同)
こうした取り組みによって、100時間を超えていた月の平均残業時間は2014年10月以降、45時間以下にまで減らすことができた。
また、給料面では昨年度から2年連続でベースアップを実施したほか、パート・アルバイトの時給も一律約2.5%アップさせた。「待遇改善を積極的に行ったことで離職率も減少傾向にある」(同)という。
●人手不足時代をどう乗り切るか
労働人口の減少により、全産業で人手不足が深刻化している。特に、それは外食産業で顕著だ。こうした状況から、幅広い層を受け入れていく取り組みが各企業で進んでいる。同社でも、昨年からシニア層に特化した人材募集を大阪で始めた。
もともとシニア層の採用も行っていたが、「若い人が働いている」というイメージが強いため、就業に抵抗のあるシニアが多かったという。そこで、若い人向けとシニア向けに分けて採用活動を展開。シニア向けでは、50代以上のモデルを起用し、広告を作成している。
また、シニア向けの店舗マニュアルを作成。忙しく歩き回る接客ではなく、厨房での仕込み作業に専念してもらうなど、シニアが働きやすくなるよう“分業”を進めているそうだ。
「少子化のため、若い人を集めるのはより困難になっていくでしょう。そのため、シニア層の確保が重要課題になっています。今後は大阪だけでなく、東京や他の地域でも展開していく予定です」(同)
鈴木亮平
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2014年のブラック企業ブラック企業にノミネートされたすき家、 SHOP99(現ストア100)
すき家さんは、そのことを真摯に受け止め改善を進め大幅に業績を改善させている。
それにひきかえ、なんの改善もせず、店舗を400店舗減らし、撤退すると表明してもオーナー募集を
続けているストア100。赤字経営を強いられている。
他店舗経営をしていたオーナーは破産し、給料ももらえない店長が精神的に病んだ話を聞いた。
それでも本部は指導責任を感じず、対策を講じない。
一方は直営、一方はほぼ直営本部に盾突けない加盟店。
セブンイレブンを含めてブラック企業ノミネート、大賞受賞を反省し真摯に対応しないと
オーナー不足、従業員不足の労務倒産が懸念されます。
ただ目先の利益確保に汲々としているとこの2社の業績が示すような結果になると思います。