コンビニ経営相談室「あかり」

気がついたら全てを喪失、それがコンビニオーナー。加盟を阻止し、脱退を支援します。コンビニの経営の現実をお知らせします。

セコマの「コンビニ限界論」と「コンビニビジネス未来像」

2016年07月28日 10時54分37秒 | 日記

コンビニ異端児セコマの「コンビニ限界論」

藤村 広平 2016年7月25日(月) 

セコマは北海道で1079店、関東で97店(2016年6月時点)を運営するコンビニ中堅企業。総店舗数は全国1万8000店超のセブンイレブン、同1万2000店前後のローソンやファミリーマートに及ばないが、道内に限れば約3割の最大のシェアを持つ。

 セコマの特長は、店舗内で調理する惣菜や、北海道産の食材を使って自社生産したオリジナル商品。サービス産業生産性協議会がまとめた2016年度の顧客満足度調査では、セブンイレブンを上回って業界首位に立った。小粒でもキラリ光る存在といえるだろう。

7月15日の昼過ぎ、記者が札幌市内のセイコーマート店舗を訪れると店内調理「ホットシェフ」の商品などを手にした約50人がレジに並んでいた

 ところが、セコマの丸谷智保社長は焦りを隠さない。「コンビニだけでは生きていけない」。7月15日に札幌市内で開いた経営戦略説明会では、食品メーカーや卸企業、金融機関に対し、コンビニ業界が限界に達しつつあると訴えかけた。

コンビニ誕生40年、鈴木氏の退任が節目の象徴

 「今年も既にいろんな変化があった。英国のEU離脱もそうだが、コンビニ業界ではやはり鈴木さんがお辞めになったこと。コンビニ誕生から40年。FC(フランチャイズチェーン)制度に支えられて成長してきた業界が、一つの節目を迎えた象徴ではないか。私なりにそう考えている」

 「鈴木さん」というのはもちろん、セブン&アイ・ホールディングスの会長兼最高経営責任者(CEO)から退いた鈴木敏文氏のことだ。1974年、東京・豊洲にセブンイレブンの日本1号店がオープンしてから40年あまり。鈴木氏はPOSシステムの活用や公共料金の徴収、ATM設置など常にコンビニの針路を示してきた。日本フランチャイズチェーン協会によると、2016年6月時点の全国のコンビニ店舗数は5万4157店。経済産業省も2015年3月の調査報告書で「コンビニは国民生活と日本経済に不可欠」と記している。

 丸谷社長はコンビニ普及の足がかりが「コンビニエンス(便利さ)ではなく、FC制度にあった」とみる。FC制度のもとでは、オーナーが手を挙げさえすれば即座に有名チェーンの看板を掲げることができる。事業経験がなくても本部の手厚い経営指導を受けられるほか、テレビCMで目にする人気商品の安定調達も可能になる。

「コンビニ店舗数は明らかに飽和」

 一方、店舗の増加で競争が激しくなれば当然、従来通りの成長は望めなくなる。業界では「住宅街への出店規制が緩和されれば、10万店まで伸びるポテンシャルはある」(ローソンOB)との見方もある。一方、セコマの丸谷社長は「北海道だけで3000店超がひしめく。全国で見ても、コンビニ店舗数は明らかに飽和している」と話す。

 最近では店舗を運営するオーナーの疲弊も指摘される。「人件費や光熱費の高騰で、オーナー負担の営業経費が増えた。ロイヤルティーを受け取る本部は隆々としていても、1店舗1店舗はかなり収益的に弱体化した」(丸谷社長)。24時間営業を継続することの負担、オーナーの後継者問題――。FC制度はここにきて、試練のときを迎えている。

 だからこそ、丸谷社長はこう訴える。

 「小売業としてのコンビニチェーンは曲がり角に差し掛かっている。セコマは原料の生産、製造、物流、小売までを手掛ける総合流通企業に脱皮する」

 この方針を象徴するのが社名変更というわけだ。「セイコーマート」から「マート」(お店)をとることで、小売業からの脱却を社内外に印象づける狙いだ。

 (一部省略いたしました。)

 

 

 

 「セコマは直営店舗が全体の75%を占める。直営店なら、新商品をブランドとして育てるなど、時間のかかる経営戦略でも根気強く遂行できる」

 丸谷社長は「FCオーナーは廃棄ロスを極端に嫌うので、ロスの出るものに対しては発注を絞る」と話す。セコマの場合、近年、店内調理品のブランド「ホットシェフ」などに力を入れてきた。こうした商品は開始当初はヒットが約束されておらず、さらにその商品特性上、売れ残って廃棄処分になりやすい。こうしたリスクある商品の充実化も、FC中心の店舗運営なら難しかったかもしれない。

セコマは来春までに、ウインドーを使い店外向けに情報を発信するデジタルサイネージを全店で採用する。コストはかかっても、直営店なら導入しやすい

 「固定客をつかんでブランドを育てるのは非常に難しい」と丸谷社長。「直営店なら本部の考えを浸透させやすい。ブランドが出来上がるまでじっくり取り組める」という。「総合流通企業への転身」といっても、最終的に消費者と接点を持つのは店舗。店舗にそっぽを向かれては本部の経営改革も成し遂げられない。

 北海道のコンビニの異端児が問いかける「コンビニ限界説」。セコマの取り組み次第では、店舗の直営化や商品の自社生産・物流といった取り組みが大手コンビニチェーンに波及し、コンビニ業界のビジネスモデルが一変する日も来るかもしれない。

<日経ビジネスの記事より>

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読者の方に紹介いただいたセイコーマートの記事、日経ビジネスさんの記事を

少し転載させていただきました。今セイコーマートさんの直営比率は75%らしい。

コンビニ大手と大きく違う、ローソンは、直営をほぼFCに変えて実習店舗もなくなった。

机上でオペレーションを習う仕組み。その分利益を株主に還元していった。

この人件費の高い中で直営比率75%を維持し高い消費者支持率を維持しているセーコーマートさんには

正直驚きました。

 この情報が正しいものであれば、コンビニ業界のビジネスモデルが一変するかもしれないと思います。


経営の課題は「偏差」なのか?まだ言っているのか?

2016年07月28日 10時03分39秒 | 日記

三菱とスクラム組んで、セブンを追う」

玉塚元一 ローソン会長に聞く

2016年7月12日(火)

<ローソンの営業利益の推移>

3番手 ローソン、「質」で巻き返す

 今年度から「1000日全員実行プロジェクト」を始めました。コンビニ業界では再編が進んで大手3社に集約され、これからさらに競争が激しくなります。そこで昨年、僕たち役員は、毎月1度、週末に集まって、未来のローソンがどうあるべきかと議論を重ねてきました。そして、今年度から3年でガラガラポンをして、仕組みを変えると決めたのです。

 

 企業は掛け声だけでは変わりません。だから具体的に次世代の仕組みを入れ、全てを変えようとしている。ローソンを支える仕組みを根底から変えます。

 

向き合うべき課題は「偏差」

 

 そのためには、我々の課題である「偏差」を解消しなくてはいけない。ローソンは全国に1万2000店あるけれど、頑張っている店舗とそうでない店舗との差が大きい。これまではベストプラクティスを言語化し、標準化するためのツールが不足していたのかもしれません。

 

 ただ、偏差があるということは、改善する余地があるということです。差を劇的に縮めて、頑張っている店舗のやり方を体系化し、みんなでそれを目指せばいい。武道やスポーツに基本の「型」があるように、商売もいい店舗を作る基本の行動様式がある。いわば土台です。

 

 我々の課題は、このあるべき土台が、まだまだ徹底していないことにあります。そこで基本レベルを飛躍的に上げるために、セミオート発注システムや計画発注システムを導入しました。これが改革の「フェーズ1」ですね。

 

 今はこの新しい仕組みを全店舗に徹底しているところですが、現段階だけを見れば、仕組みで店舗の標準化を突き詰めているように映るでしょう。

 

 けれど、商売にはデジタルとアナログの両方が必要です。もちろん、セミオート発注システムは徹底的に活用する。だけど同時に、いい商品が出たら、それを積極的に売っていく、アナログな商売も大切なんです。意思を持って売り場を作って勝負をかける。それをないがしろにするつもりはありません。

「すっぽんぽんでいこうよ」

 この6月には、三菱商事出身の竹増(貞信)副社長が社長に昇格します。前任の新浪(剛史)さんも三菱商事出身だったけれど、彼はローソンの独立性を旗印に求心力を生んできた。その経緯があったからこれまでは、三菱商事もローソンも互いに遠慮があったんです。

入社式などでは、ローソンの2020年の姿を描いた映像を公開。最新技術を駆使した近未来的な仕組みがたくさん導入されている

 けれど僕は三菱商事の出身ではない。その上で客観的に見ていると、やはり三菱商事にはたくさんのリソースがある。であれば、もっと大胆に巻き込んで、その資産を活用させてもらった方がいい。だから「これからは三菱商事グループと一緒に総合戦だ」と宣言したんです。

 サプライチェーンの領域や海外事業、あるいは新規事業や新サービスの開拓。三菱商事を徹底的に巻き込んで、結果としてローソンの改革のスピードを上げて成長につなげる。これが狙いです。

 決断を下したのは今年に入ってからのことです。ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスも統合の過程で、(ファミマの筆頭株主の)伊藤忠商事が存在感を高めてきている。時を同じくして、ローソン役員でもあった垣内(威彦)さんが三菱商事の社長に就いた。色々と相談をする中で、三菱商事全体としての応援をお願いし、そのために竹増さんにローソンの社長をやってもらうことになりました。

 (三菱食品社長の)森山(透)さんには、「すっぽんぽんでいきましょうよ」と言いました。互いに丸裸になって、お客様や市場、競合を見て踏み込んでいく。物流改革も一緒にやっていきます。

 三菱商事の原材料調達と我々の原料調達会社も連携するし、我々が中食の製造委託をしている工場に対する設備投資や強化も、三菱商事と一緒にやる。

 今はピンチとチャンスが混在しています。企業の仕組みや文化は1年や2年で作れるものではありません。セブンイレブンだって、鈴木会長が何年も言い続けて今がある。だから鈴木会長が引退しても、あっという間に瓦解することはない。むしろ、より強くなると思っていた方がいいでしょう。

 ファミマとユニーの統合も、僕は質を伴った量が大事と言っていますが、ある程度の規模が重要だとも思っています。だからローソンも出店を続けて量を追う。ピンチと考え、それをチャンスに置き換えるようやっていきます。(談)

(日経ビジネス2016年5月2日号より転載)

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 営業利益が、年々下降しながら責任は店舗管理レベルの偏差。

開いた口がふさがらない、セイコーマートの戦略に比べるとその具体性の無さに呆れる。

上記の表は、2017年度第1四半期の中国の店舗の状況、上海、重慶、大連、北京合わせて

96億円の赤字、年度で言えば300億円を超えるだろう。

その赤字を増やす2〜3千店舗の増加計画、三菱商事がどうにかしてくれると思っているのだろうか?

ローソンマート計画同様、半年で計画撤回ではないだろうか?

加盟店責任にしても営業数値は上がらないと思います。