那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

日本人の幸福度ランキング

2013年02月23日 | 世直しのためにどうすべきか
ある人から「日本人の幸福度ランキングは世界で90位ぐらいらしい」と聞いた。
 確かに自分を見ても周囲を見ても幸せ一杯の生活をしている、という人はまずいない。

以前、人間の幸福のレベルを簡潔にまとめた本を読んだ。微細な記憶は曖昧だが基本は間違っていないので自分なりにアレンジして記す。

①生命の危険がない。衣食住が足りている生活。
②愛のある生活。恋人、夫婦、家族愛など。
③趣味娯楽、芸術を楽しむ余暇のある生活。
④社会的地位、名声を得ている。
⑤思い通りの自分になっている。自己実現、個性化。

①から順次⑤までレベルが上がっていくわけだが、⑤の段階に達した人はおそらく世界中に一人もいないと思う。必ず言うに言われぬ悩みを抱えているだろうし、菩薩行を実践しようとすれば、「この世に一人でも苦しんでいる人がいる限り、それを自分の苦しみとして救済する」と誓願を立てている訳だから悩みの塊の中にいるのが本来の姿だ。
 私にも数多くの悩みがあるが、生きがいを一つだけ挙げよと質問されたなら、何か世の中のために立つことをしているかどうか、に集約できる。最澄は自らを愚中の愚、狂中の狂、と規定しながらも「一隅を照らすものは国宝である」との言葉を残している。

下に抜粋引用した文章はもっと実際的な生活体験や統計による考察なのでごく一般的な幸福度の比較だが、なるほど日本はここまで住みにくくなっているのか、よく分かる。そういえば何人もの知人が海外に移住したり、退職後は移住するといっているわけだ、と今更ながら気付いた次第です。

http://kyouki.hatenablog.com/entry/2012/12/13/073158より

たとえば、ブータンは非常に国民の幸福度が高い、というのは、よく知られた話だ。
でも、ほんとかな、と思って調べたら、たとえば、こんな話もあると知った。
ブータンは人口70万人の国だが、民族問題があり、約10万人もの難民がいる。
また、識字率は47%に過ぎない。
どうやらブータンをそのまま幸福社会のモデルにすることには、無理があるようだ。(詳しくは ブータンは本当に幸福な国か )

世界の国々の幸福度合いについて、いろいろな調査がなされているようだが、国の豊かさと国民の幸福度には、ゆるい相関しかない。
こちらのグラフが面白い。
横軸に国民ひとりあたりの所得、縦軸に国民の幸福度をプロットしたもので、所得水準が上がれば、幸福度が相当低い人々は減るので、全体の幸福度は上がるが、かといって、低い所得水準でも、幸福度の高い社会の実現が可能であることを示している。
このグラフを見ても、日本より、タイやベトナムのほうが、国民の幸せ度は高いのである。

少なくとも、こういった調査から、「国の経済の衰退を甘受して、国民の幸せはない」という論理は、日本人らしい、ある種の強迫観念ではないか、という気もしてくる。

ところで、日本人の幸せ度調査を見ていても面白い結果がでている。(略)

このグラフは、第一生命経済研究所が、幸福感に関する意識調査の結果を発表した有名なもの(2011年8月27日~9月14日)。
この調査によると、女性は60代で幸福度が頂点に達し、その後、なだらかに低くなっていく。
男性は、40代でひどく不幸になり、その後は、どんどん幸福感が増し、80代でピークに達するという。
たしかに、自分を振り返ってみると、40才ごろ、まだ会社にいたころ、最高に、不幸だと感じていた。
会社では、自分の限界を痛感し、かといって、中間管理職として仕事に追いまくられ、不在がちで家では、嫁や子供と充分なコミニケーションも取れず、友達づきあいもほぼ会社内に限られて気の置けない交友は少なく、まったく、どん詰まりの状況であった。
僕の場合は、会社を辞めて、ずっとラクになったのだが、そのまま会社に残っていたら、さらに、閉塞感が高まっていただろうと思う。
そして、この調査の意味することを信じれば、僕はこれから、どんどん幸せになっていく。
もし、80才まで健康に生きることができれば、いまよりとんでもなく幸せになれるはずで、これほど、楽しみなことはない。

それにしても、男性は、幸福度がどんどん高まり、逆に、女性は、なぜ、60才以降、幸福度が下がっていくのだろうか。
40代の辛苦から逃れた反動が、それを可能にするんだろうか。

内閣府の調査によると、各国で行われている同様な調査の結果は、U字型のものが多いという。若者と高齢者が、熟年層より幸福であるのが一般的である、という。
アメリカの調査でも、U字型になっているという。
一方、日本の場合、男女の合計を出すと、グラフはU字型にならず、年齢に従ってなだらかに減る右肩下がりのグラフになってしまう。
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データは古いが次のような考察もある。http://diamond.jp/articles/-/19942

北欧諸国があらゆる「幸福度ランキング」で上位を占めているのはなぜか、世界的に見ても豊かなはずの日本が、どうして81位(*(2010年 ギャラップ「世界幸福度調査」より))なのか??。キーワードは「自由に生きること」。ハワイをベースにノマドライフを実践する本田直之が幸福度ランキングトップの北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合って得た確信とは?

アメリカ的物質至上主義が
幸福感につながらなくなった?

 北欧の国々は、税金と社会保障を合わせた国民負担率は6~7割近く。実際に使えるお金は少ないのに軒並みランキングの上位を占めています。

 一方、日本の国民負担率は4割程度。使えるお金も多く、モノも豊富にあって豊かなはずの日本人が、なぜ幸せを感じられないのか。それは、アメリカ的な物質至上主義が幸福感につながらなくなったからではないかと思います。

 私が日本人の描く「幸せ」に違和感を覚え始めたのは、日本経済が再びバブルを迎えていた2005年頃のこと。デュアルライフをするために毎月のようにハワイにいっていた時期でした。その違和感はなんなのだろうと、ずっと考えていたのです。

 ハワイはアメリカの一部ですから、幸福度ランキングの上位に名前があがることこそありませんが、過ごしていてとても幸せを感じられる場所です。(略)

モノやお金に振り回されず
精神的・体験的なものに重きを置く

 2007年から実際にデュアルライフを始めてみて、また毎年ニュージーランドやオーストラリアなど、幸福度ランキング上位の国々で生活をする中で、強く感じたこと。それは、古い価値観のままでライフスタイルをつくっていくと、幸せではなくなってしまうのではないかということでした。

 ハワイやニュージーランド、オーストラリアは、シンプルな暮らしをしているけれど幸せそう。しかし、モノは豊富にあるはずの日本がハッピーではない……。違う環境の場所を行ったり来たりすることで、その違いが浮き彫りになったのです。

 そもそも私には、モノをたくさん欲しいとか、いい車に乗りたいといった欲求は、もともとあまりありません。デュアルライフを始めた当時は、違和感を覚えているのは自分だけなのではないか、またハワイの価値観だけが別のところにあるのではないかと思っていました。しかし、そうではなかったのです。

 その思いを決定的なものにしたのが、2008年夏にアメリカで起こったサブプライムローン問題でした。アメリカではここ数十年にわたって、住宅のサイズ(スペース)が10年ごとに20%ずつ拡大してきたのだそうです(『スペンド・シフト』ジョン・ガーズマ+マイケル・ダントニオ著 有賀裕子訳/プレジデント社)。

 そして、そこに収まるモノを買うようになった結果、家具や家電製品や衣類、アクセサリーやおもちゃなどが増え、車もどんどん大きくなっていきました。

 しかし、それはローン(借り入れ)によってつくられた幸せでした。サブプライムローンが破綻してストーリーが崩れてしまうと、なくなってしまったり、足かせとなってしまうものばかり。見た目こそ裕福そうですが、実は中身はカツカツで、まったくハッピーではないことが明らかになったのです。

 これは、今の収入がずっと続いていく、自分が持っている資産が値上がりするという想定のもとで、ライフスタイルをつくってしまったことが原因でしょう。

 一方、ハワイやニュージーランド、オーストラリアには、モノが少なく暮らし自体はシンプルですが、豊かな自然や旅をはじめとしたライフスタイルがありました。モノやお金に振り回されるのではなく、精神的・体験的なものに重きを置く。見た目は質素でも、そのほうが実は豊かなのだ。私はそう確信するに至ったのです。(略)

「自ら選ぶこと」が、幸せな人生を
送れるかどうかの決定的な差

 物質至上主義とは、言い換えるならば、車や家などモノや場所などさまざまな制約に縛られて生きることでもあります。そうした制約から解放され、自由に生きること。

「Less is more」は、人生を楽しむために、とても重要な思想だと思うのです。

 今の世の中は、過去の幸せの価値観やストーリーを追い求めていくと、ハッピーではなくなってしまう時代です。

 もちろん、うまくいっている人もいるでしょう。しかし頑張って働いて、モノを買って、昇進したり年収が上がったりしても、どこか幸せを感じられないという人が増えているのは、冒頭のランキングのとおりです。

 先ほど述べたサブプライムローンの例はアメリカの話ですが、けっして他人事ではありません。給料が下がる、会社がなくなる……当たり前だと思っていたストーリーが崩れてしまうことは、今や日本人の誰にでも起こり得る問題です。まずは、その事実に気づかなければなりません。

 最近では、2005年に私が感じたように、流行のファッションやブランド品を買うため、あるいは高級車やマイホームを手に入れるために、長い通勤時間、ストレスフルな仕事や人間関係を続けることに違和感を覚える人も増えてきました。

 モノに興味がないといわれる「草食系」世代が登場したのも、まさにそのひとつの流れだし、私のように、好きなところに住んで自由に働きたいとデュアルライフを始めるのもそう。

 広告やCMなどに影響されてライフスタイルをつくるのではなく、本当に自分にとって大切なもの、幸せはなんだろうと考え、自ら選ぶこと。それが、幸せな人生を送れるかどうかの決定的な差です。