那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

情報公開条例について考える⑤

2013年06月28日 | 法律

 

とりあえず情報公開条例シリーズは今回で終わりにして、部分訂正は気付き次第行うことにする。最初書いたとおり、これは「公益」のために書いているのであり、八王子市の行政をむやみに批判・混乱しようとするものではない。

当初私は後期高齢者の担当職員が謝罪するなら許す、とメールした。が、一切の不法行為は無く適正に処理した、と開き直りのメールがあったために、仕方なく情報公開条例を適用することになった。その経緯の上で調べたところ、八王子市の条例が非常に保守的(保身的)で、第一条の趣旨とかけ離れたものになっているので、このブログで問題点を指摘した次第である。第一条には「市民の理解と批判の下に公正で開かれた市政を推進し、市政への市民参加を促進することを目的とする。」とあるが、実際はそうなっておらず、情報公開を推進する総務省の意向が反映されていないと分かったからである。

前回は「理由の付記」に関する東京都の条例と八王子市の条例を比較した。今回はさらに総務省通達の紹介から始める。http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/jyohokokai/pdf/050125_s2_1.pdf には

(9)不開示決定に際しての理由付記の在り方
① 不開示決定については、行政手続法(平成5 年法律第 88 号)第 8 条の定めるところにより、行政機関はその理由を提示しなければならない。
② 判決及び審査会の答申において、不開示決定をするに際して、不開示とする部分について根拠条文及びその条文に該当することの根拠を示すことが必要であるとの方向性が示されている。情報公開法の施行当初は、行政機関等の運用において理由付記が不十分な例も見られたが、現状では、判決及び答申が示すとおり、不開示とする部分についての根拠条文及びその条文に該当することの根拠を示す運用へと変わりつつある。

と明記してある。八王子市の場合は条文のみを非公開理由をにしているが、その条文が適用される根拠が全く記されていない。民事訴訟で言えば一審で全く理由も述べずに「民事訴訟法第○条により原告の請求を棄却する」と答えるのと同じことである。

省庁における理由の付記はさらに具体的で丁寧なものになっている。例えば人事院の場合は次の通り。

http://www.jinji.go.jp/jyohokoukai/kijun_09.htmlより


情報公開法に基づく処分に係る審査基準について 

・法第8条(行政文書の存否に関する情報)関係

第8条  開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。


1 趣旨
   本条は、開示請求の拒否処分の一態様として、一定の場合に、行政機関の長は、行政文書の存否自体を明らかにしないで、拒否することができることを定めるものである。


2 解釈
   開示等決定権限者は、開示請求に係る行政文書が存在していれば、開示決定又は不開示決定を行い、存在していなければ不開示決定を行うことになる(第9条参照)。したがって、行政文書の不存在を理由とする不開示決定の場合以外の決定では、原則として行政文書の存在が前提となっている。
 しかしながら、開示請求に係る行政文書の存否を明らかにするだけで、第5条各号の不開示情報を開示することとなる場合があり、この場合には、行政文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否できることとするものである。
 米国の情報自由法(FOIA)の実務において、グローマー拒否(Glomardenials)と呼ばれているものである。

 

 
  (1) 「開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるとき」
 開示請求に係る行政文書が具体的にあるかないかにかかわらず、開示請求された行政文書の存否について回答すれば、不開示情報を開示することとなる場合をいう。開示請求に含まれる情報と不開示情報該当性とが結合することにより、当該行政文書の存否を回答できない場合もある。例えば、特定の個人の名を挙げて、その病歴情報が記録された文書の開示請求があった場合、当該行政文書に記録されている情報は不開示情報に該当するので、不開示であると答えるだけで、当該個人の病歴の存在が明らかになってしまう。このような特定の者又は特定の事項を名指しした探索的請求は、第5条各号の不開示情報の類型すべてについて生じ得ると考えられる。
 具体的には、次のような例が考えられる。
① 特定の個人の病歴に関する情報(第1号)
② 先端技術に関する特定企業の設備投資計画に関する情報(第2号)
③ 情報交換の存在を明らかにしない約束で他国等との間で交換された情報(第
 3号)
④ 犯罪の内偵捜査に関する情報(第4号)
⑤ 買い占めを招くなど国民生活に重大な影響を及ぼすおそれのある特定の物質
 に関する政策決定の検討状況の情報(第5号)
⑥ 特定分野に限定しての試験問題の出題予定に関する情報(第6号)
  (2) 「当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。」
 行政文書の存否を明らかにしないで、開示請求を拒否する決定も、申請に対する処分であることから、行政手続法第8条に基づき、処分の理由を示す必要がある。提示すべき理由の程度としては、開示請求者が拒否の理由を明確に認識し得るものであることが必要であると考えられる。また、個別具体的な理由提示の程度については、当該情報の性質、内容、開示請求書の記載内容等を踏まえ、請求のあった行政文書の存否を答えることにより、どのような不開示情報を開示することになるかをできる限り具体的に提示することになる。
 また、存否を明らかにしないで拒否することが必要な類型の情報については、常に存否を明らかにしないで拒否することが必要であり、例えば、行政文書が存在しない場合に不存在と答えて、行政文書が存在する場合にのみ存否を明らかにしないで拒否することは適切でない。

_____________________

赤文字にした部分が重要で、「誰が請求しても同じ結果になる」との見解が間違いであることは明白だろう。「開示請求書の記載内容」と「当該情報の性質、内容を踏まえて」、とあるのだから、開示請求書の内容を変えれば別の結論が出る可能性がある。だから総務省が「何度も請求書を出して、何度も審査会にかけなさい」とアドバイスしてくれたわけだ。しかも「行政手続法8条に基づき」 「開示請求者が拒否の理由を明確に認識し得るものであることが必要である」、「存否を答えることにより、どのような不開示情報を開示することになるかをできる限り具体的に提示する」と、まさにコンメンタール的に答えている。東京都の情報公開条例よりもさらに親切、丁寧である。

これは人事院に限ったことでなく、法務省の第8条の解説もほぼ同じ文章になっている。以下を参照されたい。

http://www.moj.go.jp/hisho/bunsho/disclose_disclose04.html

このように総務省の通達、東京都、省庁と比較すると八王子市情報公開条例は不備というか、非常に不親切である。かりに私が不服申し立てをしたとしても、この不備を認めない限りは、審査会すら開かれない可能性がある。以下、条例の該当部分。

 ____________________________

(不服申立て) 
第19条 公開決定等について、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)の規定に基づく不服申立てが
あった場合は、当該不服申立てに対する決定をすべき実施機関は、次に掲げる場合を除き、八王子
市情報公開・個人情報保護審査会に諮問をして、当該不服申立てについての決定を行うものとする。 
(1) 不服申立てが不適法であり、却下する場合 
(2) 公開決定等(公開請求に係る公文書の全部を公開する旨の決定を除く。以下この号及び第21
条において同じ。)を取り消し、又は変更し、当該不服申立てに係る公文書の全部を公開する場
合(当該公開決定等について第三者から反対意見書が提出されているときを除く。) 
2 前項の実施機関は、八王子市情報公開・個人情報保護審査会に対し、速やかに諮問をするよう努
めなければならない。 
___________________

第19条の(1)が適応される可能性があるからだ。つまり、理由も説明せず存否も明かさず不開示にして、審査会が却下する、というストーリーに乗せられる可能性があり、これまでの高齢者支援課の対応を見ているとそのように持っていきたいのだろうと合理的に推理できる。

すると何故母が保護措置と決定され、1ヶ月も監禁状態に置かれたのか闇に葬られてしまう。母の証言では、隣の人物が食べかけのオカズを母の食器に入れるなど、異常者ばかり集まっている印象の施設だったらしい。その施設職員の中には事情を聞いて慰めてくれた人もいたという。

一市民として、八王子情報公開条例が人事院や法務省その他のように総務省の意向を反映して改正され、さらに具体的な逐語解釈を添え、第一条の精神が実際に生かされることを期待して本稿を締めくくる。

 


情報公開条例について考える④

2013年06月26日 | 法律

まず訂正を。「情報公開条例について考える①」の以下の文章に勘違いがありました。

___________________

2 実施機関は、公開請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求をしたもの(以下「公
開請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合に
おいて、実施機関は、公開請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。 

2に関しては、私の開示請求に関しては全く守られませんでした。補正の質問は私のほうがしましたが、「請求文を変えても同じ結果でしょう」と言われ、、補正の参考となる情報提供も皆無のまま直ぐに決定が出ました。対応してくれた方は八王子市職員としては紳士的で好感の持てる人柄と見受けましたが、残念ながら第7条2項違反です。既に決定が出ています。

_______________________

これは実施機関を私が勘違いしたものです。名目上は八王子市長になりますが、実際には高齢者支援課が実施機関に当たります。

私は母と共に情報公開・個人情報保護コーナー(総務課)に行き、そこに高齢者支援課の職員(不法行為を犯した人物の部下二人)と顔を合わせました。そこで私たちの身分証明を提示して、3件の情報開示請求書(母と私の個人情報、及び高齢者支援課職員の職務に関して公開されるべき個人情報)を渡したので、総務課の方が「相当の期間を定めて(略)補正の参考となる情報を提供するように努めなければならない」義務があるもの思っていました。

改めて書き直すと、総務課の担当の方は公平、中立、紳士的で、情報公開を積極的に進めようとする総務省の方針に従い、この事案解決に努力されています。

問題は実質的な実施機関である高齢者支援課です。「補正の参考となる情報を提供」せず、さらに今日(26日)の朝9時過ぎ、市役所が開くと同時に高齢者支援課に電話して保護措置をした当事者を指名したらまたもや「席を外している」とのことで、総務課で出会った部下の方が電話に出られました。そこで実施機関が高齢者支援課だと分かったわけです。

さらにその電話で驚いたのは、母を監禁した当人が現在「息子さんがお母さんに暴力を振るったとは言ってない」と発言を変えているとのこと。これを母に伝えたら「だったら何故私を監禁したのか」と激怒していました。

私は情報公開請求書の文面で、該当職員と上司が言い逃れが出来ないように、言わば雪隠詰めにして事実とその根拠を確かめる方法まで示したので、仕方なく名目を変えたのか、真相は分かりません。しかし、「私が母に暴力等を働いたために母を保護措置にした」ことへの抗議に対する高齢者支援課からの「その件は既に説明済みで一切の不法行為はしていない」との開き直りのメールの存在、その他、私もバカではないので残せる証拠は残してあります。とにかく公務員として、また良心のある人間としてこれ以上の罪を重ねないよう警告するしかありません。

というわけで総務課の担当者には失礼な記述をしたことをお詫び致します。

念を押して説明しますが、この処分に係わる母と私の個人情報は原則から2週間遅れて公開されます。八王子市高齢者支援課職員の職権による保護処置決定の判断根拠と、上司の認可や指示に関する文書だけが以下に示す第11条を使って非公開となっている状態です。なんら不法行為をしていないと回答した以上、私なら身の潔白を証明するためにも堂々と開示しますが、一体何を考えているのか、私の理解の範囲を超えています。

さて、最も重要な部分に近づいてきました。

(7) 市、国、他の地方公共団体及び公開請求者以外のもの(以下「第三者」という。)が、実施
機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供した情報であって、第三者における通例
として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時
の状況等に照らして合理的であると認められるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を
保護するため、公にすることが必要であると認められるものを除く。 

これは普通「風評」「チクリ」と言われるものを包括します。しかし、これは母と私の「生命、健康、生活又は財産を
保護」するために公開しなければなりません。母は監禁されて後遺症が残り、私は心労で危篤になった事実があるのですから、ガセネタかも知れいものを隠す理由は全くありません。問題のない条文です。

(公文書の部分公開) 第9条 実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非公開情報に係る部分を容易に区分して除くことができ、かつ、区分して除くことにより当該公開請
求の趣旨が損なわれることがないと認められるときは、当該非公開情報に係る部分以外の部分を公
開しなければならない。 
2 公開請求に係る公文書に前条第2号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)
が記録されている場合において、当該情報のうち、特定の個人を識別することができることとなる
記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められ
るときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用
する。 

一部公開の規定です。公開できるものと出来ないものが簡単に区別が付けば部分公開する、2項は個人情報に関してもこれを適用するという意味です。母と私の件はこれに該当するものと考えていました。職員にとって多少都合の悪いことは隠しても、単純に言えば「何故母親を監禁したのか」という当然の情報公開請求ですから、全て見せないというほうが尋常ではありません。


(公益上の理由による裁量的公開) 
第10条 実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報(第8条第1号に該当する情報を除く。)
が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、公開請求者に対し、当
該公文書を公開することができる。 

公開できない個人情報以外は、非公開文書でも見せる場合がある、という面白い条文です。つまり政治的判断、超法規的判断と言われるものですね。公益を第一に考えるならば例外的に公開する、つまり「鶴の一声」が効きますよ、ということでしょう。


(公文書の存否に関する情報) 
第11条 公開請求に対し、当該公開請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非公開
情報を公開することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該公開
請求を拒否することができる。 
2 前項の規定により公開請求を拒否したときは、実施機関は、八王子市情報公開・個人情報保護運
営審議会に対し、速やかにその旨を報告しなければならない。

さて、本丸に辿りつきました。私が求めた八王子高齢者支援課の職員と上司の職務に関する個人情報公開への答えがこれです。

これについて、八王子市役所のある職員はこのように説明しました。①これは開示請求者は誰であっても同じ答えが返ってくる。②例えば、○○さんは前科がありますか?とか生活保護を受けていますか?という質問には、当然答えられないから、開示できないし、非開示と言ったら「前科がある」「生活保護を受けている」と答えることになる。こういう説明です。グローマー拒否と言われるもので、こんなものを設けなくても、この種の公文書は一括して公開拒否にすればいいのに、と思うのは私だけでしょうか?門前払いにすればいいのです。

さらに繰り返し述べたとおり、これは八王子高齢者支援課の職務内容に係わる情報開示ですから、公務員に前科があったり、生活保護を受けている筈がありません。そういう人物はそもそも公務員になる資格が無いでしょう。全く的外れな説明です。

ところでの職員の言った①、請求者が誰であっても同じ、も間違っています。後で詳しく解説しますが、公開要請の書面と照らし合わせて納得のいく理由を説明する義務が存在します。さらに第11条第2項も意味がありません。審議会に報告して審議する、というのなら分かります。しかし八王子市高齢者支援課は今朝の電話で「審議しなかった」と明言しました。つまり、決定後の事後報告ですから、意味がありません。ちなみにこの条文を読み上げたら「東京都庁生活文化局」のある職員は笑っていました。こういうのを形式主義というんですね。報告だけで済むなら審議会はあってもなくても同じです。

ここからが大事です。2段階、或いは3段階に分けて考察していきましょう。

このグローマー拒否を含め、公開を拒否する場合の理由の付記です。まず八王子市情報公開条例を見ましょう。

 (理由付記等) 

第14条 実施機関は、第12条各項の規定により公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開しないと
きは、公開請求者に対し、当該各項に規定する書面によりその理由を示さなければならない。

とあります。ですから、今私の手元には「公開しないことにする根拠規定及び当該規定を適用する理由」として

「八王子市情報公開条例第11条の規定により、当該公開請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非公開情報を公開することとなるので、存否について答えられないため」

と書いてあります。絵に描いたようなトートロジー(同語反復)ですね。根拠規定と規定を適用する理由が同じ、ということは、簡単に言えば「理由を示していない」ということです。一方、東京都の情報公開条例と比較してみましょう。

 

(理由付記等)

 第十三条 実施機関は、第十一条各項の規定により開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示しないときは、開示請求者に対し、当該各項に規定する書面によりその理由を示さなければならない。この場合において、当該理由の提示は、開示しないこととする根拠規定及び当該規定を適用する根拠が、当該書面の記載自体から理解され得るものでなければならない。

同じ自治体でありながら、これだけ違うわけです。八王子市の条例では「理由を示すこと」としか書いてないから、根拠規定=条文=根拠規定の理由、になるわけです。一方、東京都の場合は、「根拠規定」と「当該規定を適応する根拠」と区別した上にさらに「当該書面の記載自体から理解され得るものでなけらばならない」とトドメを刺しています。

よく見比べてください。八王子市の理由付記は、東京都の理由付記の前半部分で終わっているのが分かるでしょう。つまり、八王子市のように条例と理由が混乱している自治体があるのを知っていて、東京都の場合はそれを「他山の石」として赤文字部分を付け加えているのです。

ちなみに、この比較をしたときにも東京都庁生活文化局の職員は笑っていました。「数年前までは東京都庁は都内の各自治体に指導する立場だったのですが、今は同格になってしまって、悪いですね、お役に立てなくて」と言われましたので「いや、総務省が指導してくれるので大丈夫です」と答えました。

色々な人から「八王子は特殊地域」と聞きます。常識が通じないところがあるようで、市外の友人が八王子から自宅まで歩いてくると、必ず「八王子って雰囲気がヤバイ」といいます。

夜更けになったので、サワリは次回にします。各省庁のグローマー拒否、つまり行政手続法第8条を踏まえた存否を答えない公開拒否の逐語解釈を紹介します。いかに八王子情報公開条例が杜撰かがわかるでしょう。


 

 

 


情報公開条例について考える③

2013年06月26日 | 法律

 

今日は総務省に電話した。この問題に対しては3度目になる。総務省は情報公開を推進する監督省なので、いつも事情を話すと市民の立場に立って良心的な助言を与えてくれる。

特に今日の男性は気合が入っていて、今後の対応としては、「情報公開請求をして拒否されたら審査会にかける、これを何度でも繰返す。埒が明かなかったら行政訴訟に持ち込むこと」 と強く助言された。「総務省のデータでは近年行政訴訟で原告が勝った事例がありませんが」と言うと、「そのデータは省庁の情報公開条例のものだから、地方自治体はまた違う。諦めないで積極的に訴えなさい。公務員の氏名、住所など公開するのが当然です」と励まされた。

やがて詳しく触れるのでまだ取り上げていないが、実は情報公開条例は「行政手続法」を踏まえている。このことを確認すると「もちろん、行政手続法の規則に則って運用されるべきで、非公開の場合は具体的にコンメンタール(逐語解釈本)を示して開示請求者に説明しなければならない」、と、想定していた通りの回答だった。

情報公開条例は各省庁や自治体によって条文もバラバラ、運用もバラバラだが、行政手続法がそれを監視する法令であり、非公開の場合は行政手続法第8条に次の規定がある。

(理由の提示)

第八条
  1. 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
  2. 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

当該処分の理由に関しても、八王子市情報公開条例は、条例の文言を貼り付けただけで済ませているが、上述の官僚の助言でも私が調べた範囲でも、このようなやり方は行政手続法第8条違反である。なお、上記の数量的指標云々の意味は、例えば「公共事業の入札資格が純益1千万以上の企業と明示してあるのに9百万の企業が入札しようとした」といった場合である。

ただ「非公開」と書いて「条文をそのままコピーする」という八王子市の方法は、真っ向から総務省の見解を無視している。だから私は、違法な決定文は受け取れない旨を宣言して、八王子市の対応を待っている。

________________________________________

さて、条例への考察を続ける。前回の続きから始めることにする。情報を非公開にする具体例である。

(6) 市の機関又は国若しくは他の地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であって、公に

することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正
な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの 
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は
違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ 
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市又は国若しくは他の地方公共団体の財産上の利益
又は当事者としての地位を不当に害するおそれ 
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ 
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ 

ア、ウ、エ、は情報公開を実質的にザル法にする言い訳でしょうか。公務員の行動に疑惑があった場合、監査、検査、調査、人事管理など取り締まりをする立場の者が正確な事実を把握するには相当の手間がかかります。ア、ウ、エは一言で言えば「面倒臭い場合は情報を公開しない」と宣言しているのと同じです。

イ、これは驚天動地で、メマイがしました。公務員の職務権限の中に不法行為があったら処罰するべきところ、八王子市の財産上の利益や地位を優先する、と言っているのです。

不当に、というのがミソで、情報公開が不当か適当か揉めるような重要事項は八王子市長が審議会を諮問し決定することになっています。以下を参照して下さい。

http://www.city.hachioji.tokyo.jp/seisaku/joho/shingikai/005716.html

これは公聴可能で関係者は意見を述べることができるようです。私が公開請求した事案は相当重要と思いますが、審議会が開かれた様子もなく、ただ結論だけが速達で届きました。(異議申し立てをしたときに開かれる「審査会」(秘密会議)とは違いますから混乱しないで下さい)。いずれにしてもイは憲法違反です。問題は「不当に」開示請求をかけたかどうか、の点ですが、審議会も開かず一体誰が「不当」か「正当」かを決断したのでしょう?

 

日本国憲法


第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。 2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
第十六条  何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
第十七条  何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

全て重要ですが特に17条とは真っ向対立ですね。皆さん、どう思いますか? 続きはまた明日。

 


情報公開条例について考える②

2013年06月23日 | 法律

 西村修平さんからのメルマガ紹介です。「撤回」は政治を貶める無責任・・・主権回復を目指す会。激しく同意します。いつものように左下のブックマークをクリックして下さい。

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今日は雨模様の中、母親と都議選に行ってきました。二人とも歩行障害があるので、往復タクシー、会場でも車椅子と、毎回ですが本当に懐も体も辛い投票日でした。選挙管理委員会に、障害のある人間はマイクロバスで送迎するとか何らかの方法は無いのかと聞いたら「要介護5の人には救済方法がある」との答えでした。馬鹿か、と思いました。要介護5は寝たきりで目も耳も聞こえず、意思疎通も殆ど出来ない状態です。

http://www.urban.ne.jp/home/haruki3/youkaigo5.html を参照して下さい。

さらに今後は要支援では介護保険を使ったサービスが受けられないと決定したそうですね。私は要支援2のときでも車椅子が必要な時期がありました。要するに「国民は政治に無知なほどありがたい」「投票率は上げたくない」、「年寄りには早く死んで欲しい」(麻生太郎の名言)、という明白な意思の表れに他なりません。

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さて、情報公開条例についての続きです。コピペすると色が消えてしまうので、私の発言部分だけ紫色にします。今日は第5条からの考察です。

 

八王子市情報公開条例 
平成12年12月18日 
条例第67号 
八王子市情報公開条例(平成5年八王子市条例第27号)の全部を改正する。 
(目的) 
第1条 この条例は、市政に関する情報の公開を求める権利を明らかにするとともに、公文書の公開
について必要な事項を定めることにより、市の保有する情報の一層の公開を図り、もって市政につ
いて市民に説明する責務を全うするようにし、市民の理解と批判の下に公正で開かれた市政を推進
し、市政への市民参加を促進することを目的とする。

目的は、市制への市民参加と明記されていますね。自治体の保有するいわば機密情報をなるべく公開するのが責務でそれを果たしていく、という宣言で、実に立派です。公務員特権による行為をどうぞ一般市民も自由に批判して下さい。不正が無いようオープンにする責任がありますから、という民主主義の基本の表明です。

(定義) 

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによ
る。 
(1) 実施機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定
資産評価審査委員会及び議会をいう。 
(2) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電
磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作
られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、
当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。 
ア 官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行され
るもの 
イ 歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの 
(3) 公文書の公開 実施機関がこの条例に基づき、公文書を閲覧若しくは視聴に供し、又はその
写しを交付することをいう。

用語の定義ですが、すでに公にされているものや貴重な文化財や研究用の資料は別途保管し、公文書の中には含めません、ということで、これも問題ないでしょう。貴重な資料の中には見せるだけで破けるもの、非常に高価なものもありますから。

(適用除外) 

第3条 法律の規定により、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)の
規定を適用しないこととされている書類等については、この条例の規定は適用しない。

青の部分は情報公開法の正式名称です。行政機関により多少の違いがあります。さて、早速出てきました。公開しない場合がある、との前置きです。順々に見て行きましょう。

(この条例の解釈及び運用) 

第4条 実施機関は、公文書の公開に当たって、情報の公開を求める権利が十分に尊重されるようこ
の条例を解釈し、運用しなければならない。この場合において、実施機関は、個人に関する情報が
みだりに公開されることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

まあ好意的に解釈すれば行政が保有している情報の中で、プライバシーを侵害するような不法行為を誘発するものは公開しない、というわけです。たしかに、例えば私たちの財産や経済状態などを他人が公開請求して、これに応じられては困りますね。つまり、憲法に「表現の自由」が謳われてあっても、名誉毀損やプライバシーの侵害は不法になるように、総論ではなるべく公開するが、各論では公開しない場合もある、ということなら常識の範囲です。

ただし、「みだりに」が問題ですね。万一自分たち(役人ならびにその集合体である行政機関)の都合が悪いことは公開しない、という意味だとしたら、目的である第一条に矛盾し、羊頭狗肉になります。所謂ザル法の可能性がないかを今後ゆっくり見ていくことにして、今日はここまでにしておきます。

(適正使用) 

第5条 この条例に基づき公文書の公開を受けたものは、これによって得た情報をこの条例の目的に
即し、適正に使用しなければならない。 

みだりに、の次は「適正に」ですか。まあいいでしょう。

(公文書の公開を請求できるもの) 

第6条 次に掲げるものは、実施機関に対して公文書の公開を請求することができる。 
(1) 八王子市(以下「市」という。)の区域内に住所を有する者 
(2) 市の区域内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体 
(3) 市の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者 
(4) 市の区域内に存する学校に在学する者 
(5) 前各号に掲げるもののほか、公文書の公開を必要とする理由を明記できるもの 

これは問題ないでしょう。

(公文書の公開の請求方法) 

第7条 前条の規定により公文書の公開を請求しようとするものは、次に掲げる事項を記載した請求
書(以下「公開請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。 
(1) 氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに法人その他の団体にあって
は代表者の氏名 
(2) 公開を請求しようとする公文書を特定するために必要な事項 
(3) 前2号に定めるもののほか、市規則で定める事項 
2 実施機関は、公開請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求をしたもの(以下「公
開請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合に
おいて、実施機関は、公開請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。 

2に関しては、私の開示請求に関しては全く守られませんでした。補正の質問は私のほうがしましたが、「請求文を変えても同じ結果でしょう」と言われ、、補正の参考となる情報提供も皆無のまま直ぐに決定が出ました。対応してくれた方は八王子市職員としては紳士的で好感の持てる人柄と見受けましたが、残念ながら第7条2項違反です。既に決定が出ています。

しかも第11条の「当該公文書の存否を明らかにしないで、当該公開請求を拒否することができる。」という決定です。凄いことをやりますねぇ。

先ず、具体的な事実を記します。

私が請求した情報公開の内容は、怪我をした母親(洗濯機から布団を片手で取り出そうとして肩を痛め救急車で運ばれた。消防隊員の話では肩の亜脱臼)を、ショートステイに入れたまま、痛みと治療を訴える母の言葉を無視して一週間もの間治療せず、「息子さん(私のこと)が暴力をふるい、食事も与えず、お金も持たせてないんでしょう。これも暴力行為に当たります」と断定し、「保護措置」として1ヶ月以上も特殊な場所に母を監禁した八王子高齢者支援課の職員の職務に係わる情報公開です。母はこの後遺症で今も右肩が痛み、右手の握力が極度に弱っています。

 私も母も、当時介護していた法人の責任者、その他の関係者全てが「そんなことはあり得ない」あるいは「そのような報告は受けていない」と証言している事件です。

私は現在リハビリ中でもあり訴訟するのは面倒なので、その職員が謝罪するなら許す、と高齢者支援課にメールを出しました。ところが、既に説明済みであり、適正な処置をしており、一切の不法行為はしていない、との開き直りの返事があったので、止むをえず情報公開請求をかけました。その結果がこの第11条の適応です。

調査の結果その職員と上司に処罰が下るのか、と思ったら、実は職員が不法行為を犯した可能性があるときには、情報を公開しない、という規定が情報公開法にあります。これは大半の人が知らないでしょうから「公共の利益のために」じっくりと解説して行きます。

要するに第1条の目的と、情報公開条例の実質的な運用は全く異なっているわけです。

(公文書の公開義務) 

第8条 実施機関は、公開請求があったときは、公開請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当
する情報(以下「非公開情報」という。)が記録されている場合を除き、公開請求者に対し、当該
公文書を公開しなければならない。 
(1) 法令及び条例(以下「法令等」という。)の定めるところ又は実施機関が法律若しくはこれ
に基づく政令により従う義務を有する国等の行政機関の指示等により、公にすることができない
と認められる情報 

これも漠然としています。法令や上位の行政機関がダメというものは公開しない、だけでは何のことか分かりません。逐次解釈して具体例を示すべきです。

(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。 

この部分は分かりにくく、下手な文章の典型ですね。ここは情報のうち、個人情報は公開しない、と一般論を示し、以下はその例外ですから、(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)は、以下の(3)の文章に含まれているので畳語です。

ア 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報 
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが特に必要であると認められ
る情報 
ウ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務
員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場
合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務
員の職及び当該職務遂行の内容に係る部分 

ちょっと誤解しやすいけれど、アイウは公開すべき個人情報の規定です。

ここが重要なポイントです。私が求めた情報はまさにウに当たります。さらに、高齢者支援課職員の行為(虚偽の根拠を元に高齢者を監禁する=私への名誉毀損でもある)が公開もされず、処罰も下されないなら、同じことが繰返される可能性が生まれます。するとイに当たりますね。実際、私が居ない時に「またイイガカリをつけて高齢者支援課が母親を監禁するのではないか」という不安から外出もままならない時期がありました。条例の則れば、母の生命、健康、生活を保護するため情報を開示せよ、という立派な理由が成立します。論理的一貫性などという難しい言葉をつかわなくても、八王子市にほんの少し常識があれば私の請求した情報開示請求の根拠は、イとウのど真ん中ストライクです。拒否する理由はゼロです。

アについても「国民の下僕である」公務員が、拷問による自白の強要に類似した方法で母を監禁した事実は、法令の規定により公にするのが当然でしょう。「市民の理解と批判の下に公正で開かれた市政を推進し」という第一条の精神は、完全に骨抜きのザル法になっているわけです。

(3) 法人(国及び地方公共団体を除く。)その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上又は事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。 

母は当時在宅介護と、大手のデイサービスに通っていました。これらの法人の地位を守るために一部非公開にする。但し以下の場合は例外として情報公開するというわけです。

ア 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある危害から人の生命又は健康を保護するために、公にすることが必要であると認められる情報 

イ 違法若しくは不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある支障から人の生活を保
護するために、公にすることが必要であると認められる情報 
ウ 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある侵害から消費生活その他市民の生活を保護
するために、公にすることが必要であると認められる情報 

母は救急車で運ばれ今でも後遺症が残る怪我を負ったのですから、ア、イ、は母の生命と健康を守るために、さらに、私が高齢者虐待の名誉毀損を蒙っているわけですからウは私の保護のためにも公にされる必要があり、事実これらの介護事業の責任者等は、高齢者支援課の職員の行為を「あり得ない」と証言し、あるいは謝罪しています。

(4) 公にすることにより、人の生命、身体又は財産の保護、犯罪の予防その他公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報 

情報非開示の一般論です。が、「公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報 」は相当曖昧です。例えば、秩序の維持、です。大多数が違法行為を行っている場合(例えば歌舞伎町では路上喫煙者ばかりなので取締りが出来ない状態)、それを注意することは「秩序の維持を破る」と言えなくもありません。正論を言えば袋叩きになるでしょう。極論のようですが、以下の条例をご覧下さい。

(5) 市の機関並びに国及び他の地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関

する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に
損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え
若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの 

相当問題のある文章です。つまり市の機関並びに国及び他の地方公共団体が話し合った内容を公表すると、市民が混乱する、誰かが特殊な利益や不利益を得る場合、って具体的にどういう内容でしょう。外交や防衛の機密情報なら分かりますが。こういう曖昧な文言はどうにでも解釈可能ですから具体例を明示すべきです。

時間のある人は以下の(6)を熟読して下さい。つまり、八王子市職員が違法、不法、非常識な行為をして、その被害者が情報公開を請求した場合、(6)を持ち出せば殆どが「非公開」になるということです。

続きは明日書きますが、端的に言えば、国家公務員、地方公務員、準公務員の犯罪の摘発は、最初から情報公開条例に期待せず、民事訴訟あるいは刑事告訴するしかない、と「情報公開条例」自体が宣言しているわけです。

以下は今後の考察に回します。

(6) 市の機関又は国若しくは他の地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であって、公に
することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正
な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの 
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は
違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ 
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市又は国若しくは他の地方公共団体の財産上の利益
又は当事者としての地位を不当に害するおそれ 
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ 
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ

 

 

 


情報公開条例について考える①

2013年06月21日 | 法律

まず、お知らせです。

*「主権回復を目指す会」からメルマガが届きました。第6回名画鑑賞会『日本の夜と霧』(監督:大島 渚 松竹作品)が今月23日に開かれます。私も若いときに真剣に見た名作、問題作です。ぜひご覧下さい。詳しくは左下のブックマークからご覧下さい。

*続いて、「パチンコ廃止通信」からもメルマガが届きました。本国韓国では禁止されているパチンコが何故日本で許されているのか、様々な活動と協力を呼びかけています。http://www.pachinko-abolition.net/ をご覧下さい。

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では本題に入ります。

以前もどこかで書いたことがありますが、亡父は戦前に山村教育に情熱を注いだ小学校の校長で、その後村会議長や助役など様々な政治上の重責を果たしました。前妻が病弱だったため、再婚後の63歳のときに私が初めての子供として生まれました。父は流石に教育のプロだけあって抜群に教え方が巧く人を見抜く目がありました。保護司も晩年まで続け、人の面倒を見て一生を終えた人間でした。

その父が私に「お前は弁護士に向いているから法学部に入ったほうがいい」とアドバイスしてくれたのですが、「人のトラブル処理など面倒だから」という理由で、一番お金にならず潰しが利かない芸術研究の道に進み、またこれもお金にならない「微笑禅の会」(非宗教)を作るなどして、私のこれまでの人生は芸術、宗教にどっぷり浸かって来ました。

私はあらゆることは「努力」ではなく「趣味・道楽」の結果だという自説を持っています。(世直し運動は例外かもしれません。これは敢えてイバラの道を選んで、その結果待っているのは磔かもしれませんから)

例外はともかく簡単に言えば、嫌なことをやって上達するはずが無い、面白いから熱中する、ますます面白くなる。気付くと人が評価してくれるからまた面白くなる、という楽しさ心地よさの循環に入るだけのことで、歯を食いしばって頑張ってもあまり意味が無いように思います。人生は苦労するために生まれたのではないのですから、自分の大好きなことを一生懸命やっていればどうにかなる、という楽観論です。武道もギャンブルも研究も禅もお酒の飲み方も芸術も、楽しい、面白い、という前提がなければ巧くなる筈がありません。

そこで、私は何回か本人訴訟をしました。父の予想が当たったのか、それとも芸術論や宗教論と比べると常識が基本になって作られたルールなので遥かに分かりやすいせいなのか、法律の本、とくに法理解釈などは非常に面白く、これもいい趣味になりました。本人訴訟の結果は2勝2敗ぐらいでしょうか? 大病で入院していたとか、パソコンが使えなかったなどの理由で訴訟を諦めた事もありますが、不当判決がなければ全勝だと思っています。

そこで、あるきっかけがあり、情報公開条例について調べざるを得なくなりました。これはシリーズにして行くので、今日は出だしだけで止めます(医師や介護アドバイザーから禁酒禁煙と共にパソコン禁止令が出ているので、適当に間を空けて進めます)。

「八王子市情報公開条例」を例にとり上げて考察、或いは感想を記していくことにします(専門の方からのアドバイスは大いに歓迎します)。本文は下にコピーしました。重要部分は青で、感想は紫色で書いていきます。

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八王子市情報公開条例
平成12年12月18日
条例第67号
八王子市情報公開条例(平成5年八王子市条例第27号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この条例は、市政に関する情報の公開を求める権利を明らかにするとともに、公文書の公開
について必要な事項を定めることにより、市の保有する情報の一層の公開を図り、もって市政につ
いて市民に説明する責務を全うするようにし、市民の理解と批判の下に公正で開かれた市政を推進
し、市政への市民参加を促進することを目的とする。

目的は、市制への市民参加と明記されていますね。自治体の保有するいわば機密情報をなるべく公開するのが責務でそれを果たしていく、という宣言で、実に立派です。役人特権による行為をどうぞ一般市民も自由に批判して下さい。不正が無いようオープンにする責任がありますから、という民主主義の基本の表明です。

(定義) 

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによ
る。
(1) 実施機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定
資産評価審査委員会及び議会をいう。
(2) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電
磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作
られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、
当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
ア 官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行され
るもの
イ 歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの
(3) 公文書の公開 実施機関がこの条例に基づき、公文書を閲覧若しくは視聴に供し、又はその
写しを交付することをいう。

用語の定義ですが、すでに公にされているものや貴重な文化財や研究用の資料は別途保管し、公文書の中には含めません、ということで、これも問題ないでしょう。貴重な資料の中には見せるだけで破けるもの、非常に高価なものもありますから。

(適用除外) 

第3条 法律の規定により、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)
規定を適用しないこととされている書類等については、この条例の規定は適用しない。

青の部分は情報公開法の正式名称です。さて、早速出てきました。公開しない場合がある、との前置きです。順々に見て行きましょう。

(この条例の解釈及び運用) 

第4条 実施機関は、公文書の公開に当たって、情報の公開を求める権利が十分に尊重されるようこ
の条例を解釈し、運用しなければならない。この場合において、実施機関は、個人に関する情報が
みだりに公開されることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

まあ好意的に解釈すれば行政が保有している情報の中で、プライバシーを侵害するような不法行為を誘発するものは公開しない、というわけです。たしかに、例えば私たちの財産や経済状態などを他人が公開請求して、これに応じられては困りますね。つまり、憲法に「表現の自由」が謳われてあっても、名誉毀損やプライバシーの侵害は不法になるように、総論ではなるべく公開するが、各論では公開しない場合もある、ということなら常識の範囲です。

ただし、「みだりに」が問題ですね。万一自分たち(役人ならびにその集合体である行政機関)の都合が悪いことは公開しない、という意味だとしたら、目的である第一条に矛盾し、羊頭狗肉になります。所謂ザル法の可能性がないかを今後ゆっくり見ていくことにして、今日はここまでにしておきます。

(適正使用) 

第5条 この条例に基づき公文書の公開を受けたものは、これによって得た情報をこの条例の目的に
即し、適正に使用しなければならない。
(公文書の公開を請求できるもの)
第6条 次に掲げるものは、実施機関に対して公文書の公開を請求することができる。
(1) 八王子市(以下「市」という。)の区域内に住所を有する者
(2) 市の区域内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
(3) 市の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者
(4) 市の区域内に存する学校に在学する者
(5) 前各号に掲げるもののほか、公文書の公開を必要とする理由を明記できるもの
(公文書の公開の請求方法)
第7条 前条の規定により公文書の公開を請求しようとするものは、次に掲げる事項を記載した請求
書(以下「公開請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに法人その他の団体にあって
は代表者の氏名
(2) 公開を請求しようとする公文書を特定するために必要な事項
(3) 前2号に定めるもののほか、市規則で定める事項
2 実施機関は、公開請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求をしたもの(以下「公
開請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合に
おいて、実施機関は、公開請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の公開義務)
第8条 実施機関は、公開請求があったときは、公開請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当
する情報(以下「非公開情報」という。)が記録されている場合を除き、公開請求者に対し、当該
公文書を公開しなければならない。
(1) 法令及び条例(以下「法令等」という。)の定めるところ又は実施機関が法律若しくはこれ
に基づく政令により従う義務を有する国等の行政機関の指示等により、公にすることができない
と認められる情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個
人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することが
できることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることに
より、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが特に必要であると認められ
る情報
ウ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務
員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場
合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務
員の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
(3) 法人(国及び地方公共団体を除く。)その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情
報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は
当該事業を営む個人の競争上又は事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められ
るもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある危害から人の生命又は健康を保護するため
に、公にすることが必要であると認められる情報
イ 違法若しくは不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある支障から人の生活を保
護するために、公にすることが必要であると認められる情報
ウ 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある侵害から消費生活その他市民の生活を保護
するために、公にすることが必要であると認められる情報
(4) 公にすることにより、人の生命、身体又は財産の保護、犯罪の予防その他公共の安全と秩序
の維持に支障が生ずるおそれがある情報
(5) 市の機関並びに国及び他の地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関
する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に
損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え
若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(6) 市の機関又は国若しくは他の地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であって、公に
することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正
な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は
違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市又は国若しくは他の地方公共団体の財産上の利益
又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
(7) 市、国、他の地方公共団体及び公開請求者以外のもの(以下「第三者」という。)が、実施
機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供した情報であって、第三者における通例
として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時
の状況等に照らして合理的であると認められるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を
保護するため、公にすることが必要であると認められるものを除く。
(公文書の部分公開) 第9条 実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非
公開情報に係る部分を容易に区分して除くことができ、かつ、区分して除くことにより当該公開請
求の趣旨が損なわれることがないと認められるときは、当該非公開情報に係る部分以外の部分を公
開しなければならない。
2 公開請求に係る公文書に前条第2号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)
が記録されている場合において、当該情報のうち、特定の個人を識別することができることとなる
記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められ
るときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用
する。
(公益上の理由による裁量的公開)
第10条 実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報(第8条第1号に該当する情報を除く。)
が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、公開請求者に対し、当
該公文書を公開することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第11条 公開請求に対し、当該公開請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非公開
情報を公開することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該公開
請求を拒否することができる。
2 前項の規定により公開請求を拒否したときは、実施機関は、八王子市情報公開・個人情報保護運
営審議会に対し、速やかにその旨を報告しなければならない。
(公開請求に対する決定等)
第12条 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開するときは、その旨の決定をし、
公開請求者に対し、その旨並びに公開をする日時及び場所を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部を公開しないとき(前条第1項の規定により公開請求
を拒否するとき及び公開請求に係る公文書を保有していないときを含む。以下同じ。)は、公開し
ない旨の決定をし、公開請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(公開決定等の期限)
第13条 前条各項の決定(以下「公開決定等」という。)は、公開請求があった日の翌日から起算し
て14日以内にしなければならない。ただし、第7条第2項の規定により補正を求めた場合にあって
は、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 実施機関は、やむを得ない理由により、前項に規定する期間内に公開決定等をすることができな
いときは、公開請求があった日の翌日から起算して60日を限度としてその期間を延長することがで
きる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し、速やかに延長後の期間及び延長の理由
を書面により通知しなければならない。
3 公開請求に係る公文書が著しく大量であるため、公開請求があった日の翌日から起算して60日以
内にそのすべてについて公開決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがあ
る場合には、前2項の規定にかかわらず、実施機関は、公開請求に係る公文書のうちの相当の部分
につき当該期間内に公開決定等をし、残りの公文書については相当の期間内に公開決定等をすれば
足りる。この場合において、実施機関は、第1項に規定する期間内に、公開請求者に対し、次に掲
げる事項を書面により通知しなければならない。
(1) 本項を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について公開決定等をする期限
(理由付記等)
第14条 実施機関は、第12条各項の規定により公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開しないと
きは、公開請求者に対し、当該各項に規定する書面によりその理由を示さなければならない。
2 実施機関は、前項の場合において、公開請求に係る公文書が、期間の経過によりその全部又は一
部を公開することができる期日が明らかであるときは、その期日を公開請求者に通知するものとす
る。
(第三者保護に関する手続)
第15条 公開請求に係る公文書に市以外のものに関する情報が記録されているときは、実施機関は、
公開決定等に先立ち、当該情報に係る市以外のものに対し、公開請求に係る公文書の表示その他実施機関が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、公開決定に先立ち、当該第三者に対し、公
開請求に係る公文書の表示その他実施機関が定める事項を書面により通知して、意見書を提出する
機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(1) 第三者に関する情報が記録されている公文書を公開しようとする場合であって、当該情報が
第8条第2号イ又は同条第3号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。
(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第10条の規定により公開しようとするとき。
3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該公文書の公開に
反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、公開決定をするときは、公開決定の日と公
開をする日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、
公開決定後直ちに当該意見書(第19条及び第20条において「反対意見書」という。)を提出した第
三者に対し、公開決定をした旨及びその理由並びに公開をする日を書面により通知しなければなら
ない。
(公文書の公開の方法)
第16条 公文書の公開は、文書、図画又は写真については閲覧又は写しの交付により、フィルムにつ
いては視聴又は写しの交付(マイクロフィルムに限る。)により、電磁的記録についてはその種別、
情報化の進展状況等を勘案して市規則で定める方法により行う。
2 前項の視聴又は閲覧の方法による公文書の公開にあっては、実施機関は、当該公文書の保存に支
障を生ずるおそれがあると認めるときその他合理的な理由があるときは、当該公文書の写しにより
これを行うことができる。
(手数料等)
第17条 この条例に基づく公文書の閲覧又は視聴に係る手数料は、無料とする。
2 この条例に基づき公文書の写しの交付を行う場合の当該写しの作成及び送付に要する費用は、請
求者の負担とする。
(他の制度等との調整)
第18条 法令又は他の条例の規定により、公文書を閲覧し、若しくは縦覧し、又は公文書の謄本、抄
本その他の写しの交付を求めることができる場合における当該公文書の公開については、当該法令
又は他の条例の定めるところによる。
2 この条例は、実施機関が図書館その他の施設において、市民の利用に供することを目的としてい
る公文書については、適用しない。
(不服申立て)
第19条 公開決定等について、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)の規定に基づく不服申立てが
あった場合は、当該不服申立てに対する決定をすべき実施機関は、次に掲げる場合を除き、八王子
市情報公開・個人情報保護審査会に諮問をして、当該不服申立てについての決定を行うものとする。
(1) 不服申立てが不適法であり、却下する場合
(2) 公開決定等(公開請求に係る公文書の全部を公開する旨の決定を除く。以下この号及び第21
条において同じ。)を取り消し、又は変更し、当該不服申立てに係る公文書の全部を公開する場
合(当該公開決定等について第三者から反対意見書が提出されているときを除く。)
2 前項の実施機関は、八王子市情報公開・個人情報保護審査会に対し、速やかに諮問をするよう努
めなければならない。
(諮問をした旨の通知)
第20条 前条の規定により諮問をした実施機関は、次に掲げるものに対し、諮問をした旨を通知しな
ければならない。
(1) 不服申立人及び参加人
(2) 公開請求者(公開請求者が不服申立人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該不服申立てに係る公開決定等について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が不服
申立人又は参加人である場合を除く。)
(第三者からの不服申立てを棄却する場合等における手続)
第21条 第15条第3項の規定は、次の各号のいずれかに該当する決定をする場合について準用する。
(1) 公開決定に対する第三者からの不服申立てを却下し、又は棄却する決定 (2) 不服申立てに係る公開決定等を変更し、当該公開決定等に係る公文書を公開する旨の決定(第
三者である参加人が当該公文書の公開に反対の意思を表示している場合に限る。)
(情報公開の総合的な推進)
第22条 市は、この条例に基づく公文書の公開のほか、情報公表施策及び情報提供施策の拡充を図り、
市政に関する正確で分かりやすい情報を市民が迅速かつ容易に得られるよう、情報公開の総合的な
推進に努めるものとする。
(出資等法人の情報公開)
第23条 市が出資その他財政支出等を行う法人であって、実施機関が定めるもの(以下「出資等法人」
という。)は、この条例の趣旨にのっとり情報公開を行うため必要な措置を講ずるよう努めるもの
とする。
2 実施機関は、出資等法人に対し、前項に定める必要な措置を講ずるよう指導に努めるものとする。
(情報公開・個人情報保護運営審議会)
第24条 市長は、この条例による情報公開制度の運営に関する重要事項については、八王子市情報公
開・個人情報保護運営審議会に諮問をしなければならない。
(情報公開相談員)
第25条 公文書の公開に係る相談、受付、連絡調整等の事務を行い、情報公開制度を利用しようとす
るものの利便を図るため、情報公開相談員を置く。
(公文書の管理)
第26条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理するものと
する。
(検索資料の作成)
第27条 実施機関は、公文書の検索に必要な資料を作成し、一般の利用に供しなければならない。
(実施状況の公表)
第28条 市長は、毎年1回、各実施機関が行った公文書の公開等についての実施状況を取りまとめ、
公表しなければならない。
(委任)
第29条 この条例の施行について必要な事項は、市規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成13年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、この条例による改正前の八王子市情報公開条例(以下「旧条例」という。)
第8条の規定により、現にされている公文書の公開の請求は、この条例による改正後の八王子市情
報公開条例(以下「新条例」という。)第7条第1項の規定による公開請求とみなす。
3 この条例の施行の際、現にされている旧条例第12条に規定する不服申立ては、新条例第19条第1
項に規定する不服申立てとみなす。
4 前2項に規定するもののほか、この条例の施行前に旧条例の規定により行った処分、手続その他
の行為は、新条例の相当規定によって行ったものとみなす。
(八王子市情報公開・個人情報保護運営審議会条例の一部改正)
5 八王子市情報公開・個人情報保護運営審議会条例(平成8年八王子市条例第8号)の一部を次の
ように改正する。
第1条中「平成5年八王子市条例第27号」を「平成12年八王子市条例第67号」に改める。


もし時計が直線の形で動くなら

2013年06月11日 | 世直しのためにどうすべきか

パソコンの調子と共に、気候の変化に伴う私の体調も悪く、前に書いたブログから一週間以上間隔が空いてしまいました。いつも書き出すと長くなり、このために腱鞘炎や坐骨神経痛、またパソコンのやりすぎよる不眠(寝る前に1時間はパソコンを閉じないと電磁波のため健康被害が出るそうです)などが現れるので、短めに終わらせたいと思います。

まず、主権回復を目指す会からのメルマガを紹介します。「橋下無罪論を糾」す、と、「朝鮮人弱虫論を支持する」。また西村修平さんは毎週水曜日に「アンチ水曜日デモ」を行われています。共に左下のブックマークよりご覧下さい。「朝鮮人弱虫論を支持する」は誤解を受けそうなタイトルですが、日本軍が強制的に朝鮮人女性を従軍慰安婦として連行したという研究上全く根拠のない主張への反論と橋下批判です。

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 ブックマークに新たに「八王子民主商工会」を加えました。寡占独占が進み中小企業がドンドン倒産していく中、自営業者のために真剣に動いてくれる商工会です。共産党とは別個に独立採算制で運営され、支持政党に関係なく入会できます。この組織も会員の拡張が大きなテーマになっているので、少しでもお手伝いできたらと思いブックマークに加える次第です。ぜひクリックしてお問合わせ下さい。

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このブログの愛読者の方ならご理解いただけるでしょうが、中には「保守を応援しながら共産党系の商工会を勧めるとは、とうとう狂ったか」と思われる方がいるかも知れないので、一応説明をしておきます。右翼の起源は西郷隆盛あるいは頭山満と言われます。その頭山満翁は「社会主義者からアナキストまで援助し」「日本とアジア諸国が平等の立場で連帯する」ことを実践された方でした。現代では想像のできない懐の広さです。

左翼陣営も内部対立でバラバラ、右翼も同様にバラバラ、また宗教の方面を見ても、創価学会の総体革命が完成し、それに反発する側も、7日間コースで悟れる、といったお手軽な瞑想法に心を奪われ、あちこちに底の浅い見性者や霊能者が現れ、日本はどん底状態に陥っています、生きているうちにこのような末世に出会うとは思いませんでした。逆説的な言い方をすれば、なんと面白い時代に生を受けたのだろうと思います。

そこで、日本が滅んでしまえ、と思っている日本人は一人もいないはずですから、その願いを共有できるスタンスがどこかにあるはずだと考え続け(禅的な言い方をすれば「不思量底(ふしりょうてい)を思量せよ。不思量底如何(いかん)が思量せん。 非思量(ひしりょう)。此れ乃ち坐禅の要術なり」を実践して)、結局イデオロギーに固着しないで様々な人と出会うしかない、と、一つの突破口を見つけました。

正義感の強いヤクザもいれば、賄賂で動く裁判官もいる、これがリアリズムです。私には財力も権力もありませんが、学生時代のように様々な人々と直接会って話を聞き、協力できる範囲で協力し、後は天地の意志に任せるしかないと思っています。

もし時計が円でなく寿命の終わりを示す直線の形で動くなら人間は別の生き方が出来るでしょう。そういう時計を心のポケットに入れて毎朝取り出して見る習慣をつけたいものです。

 

 

 


八王子早稲田会の総会に行って大酒を飲んだ感想

2013年06月07日 | 世直しのためにどうすべきか

昨日、6月8日は夕方から「八王子早稲田会」の総会があり、幸い晴天だったので出かけてみた。

まず私と八王子早稲田会との縁は、10数年前から行きつけの居酒屋で知り合った方(もちろん大酒飲み)が三多摩地区の稲門会の役員で、その方に入会を勧められたことから始まる。現役で大学で教えていたときだった。4年程前には幹事に任命されるなどして協力出来たのだが、その後様々なことが続いて大病を患い、お手伝いが出来なくなっていた。なるべく外へ出て交友の場を広げるよう、と思っている矢先に総会の通知があり、懐かしい先輩や現役の学生たちの顔を見て、感じることがあったので今回のブログで取り上げる。

まず普通、早大のOB会は「○○稲門会」と名称が決まっているが、八王子の場合は非常に古くからOB会が作られていたのであえて「八王子早稲田会」で通しているらしい。(ブックマークにHPをリンクしておいたので、興味のある方はご覧下さい)

総会の後の講演会から出席したところ気仙沼稲門会の幹事長が、東日本大震災の復興の模様、今後の課題などについて語っているところだった。私はかなり疲れていたので、話を聞きながら数息観(丹田呼吸による瞑想の一つ)をしていたらどうにか体調が蘇った。次いで懇親会になって、肝臓、糖尿病に悪いがたまにはいいだろう、とビールやスコッチを飲み、久しぶりに全員(70名ほど)で肩を組み「都の西北」を歌い、とたんに元気が出た。楽曲を貼っておく。http://www.youtube.com/watch?v=uQmSr7_b9_U

そういえば鬱病で苦しんでいた学生時代、このyoutubeの画面にも出てくる大隈講堂の時計台を見ながら校歌を心の中で歌ったら一発で鬱症状が治ったなぁ、と思い出した。この校歌が特に優れているのは曲がいいのは勿論、3番共に「理想」という言葉が出てくる点だ。

 

相馬御風 作詞 東儀鉄笛 作曲

1.

都の西北 早稲田の森に
聳ゆる甍は われらが母校

われらが日ごろの 抱負を知るや
進取の精神 学の独立

現世を忘れぬ 久遠の理想
かがやくわれらが 行手を見よや

わせだ わせだ わせだ わせだ
わせだ わせだ わせだ

2.

東西古今の 文化のうしほ
一つに渦巻く 大島国の

大なる使命を 担ひて立てる
われらが行手は 窮り知らず

やがても久遠の 理想の影は
あまねく天下に 輝き布かん

わせだ わせだ わせだ わせだ
わせだ わせだ わせだ

3.

あれ見よかしこの 常磐の森は
心のふるさと われらが母校

集り散じて 人は変れど
仰ぐは同じき 理想の光

いざ声そろへて 空もとどろに
われらが母校の 名をばたたへん

わせだ わせだ わせだ わせだ
わせだ わせだ わせだ

____________________

相馬御風は口語自由詩の詩人で良寛の研究者でもあった。「カチューシャの歌」「春よこい」などの作詞も手がけている。東儀鉄笛は雅楽の家柄に生まれ役者としても活躍した。西洋音楽も学んだが「都の西北」の独特の高尚で優美な雰囲気は雅楽と西洋音楽のフュージョンで、当時は非常にハイカラだっただろう。イェール大学校歌が下敷きになったとの研究もある。いずれにせよ早稲田の根本は在野精神と共に、理想主義、ロマンティシズムである。

ところで、ブログの愛読者の方ならご存知の通り、私は「最近の早稲田はダメになった」、「入学した時点でダメになっていた」とよく書く。二次会で政経学部の学生から話を聞いたところ、この論は想像以上に当たっていた。以下、箇条書きで纏める。

①ダメになった理由の一つは、昔は早大の先輩が大学教員になって後輩に教える、という兄弟的な親身な関係だったものが、次第に国公立出身者の教員が多くなり、在野精神、反骨精神がなくなっている、という私の持論に対して、「その通り」との答えだった。ちなみに、私は彼らを官学出身者と呼んでいる、と言うと、その学生もこの呼び方を気に入ってくれた。

実際、私が教えていた頃はまだ教員の多数派は早大出身者だったようだが、中に「母校愛なんて言ってたら今時の学生に馬鹿にされる」と言った人物がいた。彼は官学出身者だった。この感覚の開きには公務員と自営業の差ぐらい埋められない溝がある。

②話を聞いて愕然とした事実がある。私の学生の頃は、六大学野球の最終戦:早慶戦が土日に行われ一勝一負で決勝戦が月曜にずれ込んだ場合、教員は当然授業を休みにして、中には「この授業の出席不足の者でも早慶戦のチケットの半券をレポートに貼り付けたら優にする。絶対に応援に行きなさい」という、ものの分かった先生が何人もいた。私も、今は無き一文、二文の非常勤講師だった頃、同じ規則にしていた。ところが今の早稲田の教員はその古き良き伝統を全く無視して休校にしないのだという。

これにはあきれ果てた。教育者として自分の授業の一コマがそれほど重要だと思っているのだろうか?傲慢なのか鈍感なのか薄っぺらい人柄なのか理解しがたい。母校の運動部を応援し、隣に座った名前も知らぬ学生やOBとスクラムを組んで応援歌を合唱し胸を轟かせる体験は、どんな立派な授業でも教えることが出来ない貴重なものである。

誤解を恐れずに言えば、武士道における「義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義」(この詳しい解説はhttp://yururi.aikotoba.jp/samurai/spirit/nitobe2.htmlを参照)、もっと簡単に言えば、同じ大学の仲間の日頃の鍛錬を、称え、応援し、励まし、一喜一憂し、酒を飲み交わすことで、自己中心の世界観よりも遥かに感動的な友愛精神があることに気付く、その場を今の教員たちは奪っているのである。早大OBとして、野球に限らず、対抗戦の大事な決勝が行われるときは、応援に行った者は出席と見做す、という校則を作ることを真剣に提言する。

③非常に面白いことに「ワセウヨ」という言葉が生まれていると聞いた。つまり母校に誇りを持つ学生たちを「ネトウヨ」をもじって「ワセウヨ」と呼ぶらしい。私は可笑しくて笑ってしまった。私は学生時代に「早稲田ナショナリスト」を自称していたし、尊敬すべき先輩たちの中には「ネトウヨ」ど真ん中の方々もおられ、私自身も「ネトウヨ」と思われているかもしれない。どうでもいいことだが、それは蔑称なのか尊称なのか微妙なニュアンスを知りたかった。

ともかく、久しぶりに大酒を飲み、私としては大枚をはたいて深夜まで騒いできた。糖尿病・肝臓病の重症者にとってはタブーだったが、驚いたことに今朝起きたら嘘のように体が軽い。何事も中庸が肝心で、真面目な闘病生活の合間に時々掟を破ってストレス発散するという、両方のバランスが取れているのが健康の秘訣と改めて知った。そういえば早稲田のモットーは「よく学び、よく遊べ」だった。確かに大学生、大学院生の頃は、思い切り遊び、その代わりに同じエネルギーで学んだものだった。私が現役の頃と比較するとかなり線が細くなっている気がするし、先輩たちから見るとさらに物足りないだろうが、このような時代の閉塞感を打ち破るのは自分たちだという気概を現役の学生は忘れないで欲しい。蒋介石も孫文も中国革命の英雄たちが集い、暖かく応援したのが早稲田の懐の大きさである。

最後に、八王子早稲田会は会員の拡大に力を入れていると聞いた。早大OBは八王子に800人ほどおり、会員は200人強とのこと。OBでなく現役の学生でも入れるようなので、関係者の皆様はぜひ左下のブックマークから入会手続きを取ってください。以上です。

 


八王子五行歌会より、ネット歌会レポート報告など

2013年06月06日 | 八王子五行歌会

月刊五行歌が届きました。購読されていない人のためにここで公表します。(290~291頁)。同点で複数が2,3席に入ったために感想はギリギリに押さえざるを得ませんでしたが、参加者も本部からも中々の好評で、次回は7月に入って直ぐに作品募集をする予定です。

本来、歌会はネットではなく会場に集まり、歌を詠んでその場で採点し、レポートを纏めて月刊誌に提出するもので、子供からお年寄りまでの生涯学習に貢献する活動です。公共施設を使う場合一人1000円~1500円を徴収し(施設レンタル料+本部への協力金+雑費)、その後に茶話会や飲み会に移るのですが、当分は私のビルの事務所で行いますから参加費は500円(本部への協力金は300円)で月一回を予定しています。NHK文化センター八王子教室で何年も五行歌の講座が続いてきたのに、何故か八王子にはリアルな歌会の場が育っていません。歌の技術を学ぶととともに生きる姿勢も学ぶのが五行歌運動です。ぜひご参加下さい。

五行歌の特徴の一つは初めての人の作品でも、それなりの必然で生まれたものと認識し、添削をしない点にあります。もちろん質問があれば「こういう詠み方もある」という助言はしますが、指導者が直す、という方法は取りません。詳細は八王子五行歌会http://w01.tp1.jp/~a920031141/gogyouka.html をご覧下さい。

ちなみに私は子供の詠む五行歌が大好きです。あるサイトから三首を例示します。

 

    かげは         せみが          「べんきょうしなさい」

    なぜくろい       しんだのは        「しゅくだいしなさい」

    なに色でも       だれか          「おてつだいしなさい」

    よかったのに     いのちのはねに       おかあさん

   黒いんだ        ふれたから        「しずかにしなさい」

   (長谷部渚 7歳)    (小澤光希 5歳)    (きのうちしゅん 8歳)

 

 

大人には思いもよらない発想で、恐るべき子供たちですね。きのうちしゅん君の作品など思わず笑みがこぼれます。

私自身の記憶を辿ると、25歳までは未知の体験があり、感動と驚きがありましたが、その後は大抵のことは過去に経験しているので、初々しく感動することが少なくなって、後は洗練して技術を磨いていけば間に合います。けれど、子供の歌は本当に生まれて初めて発見した感動が伝わります。長谷部渚さんは「かげの色」に感動した。小澤光希君は「せみの死」の理由を初めて考えた。きのうち君は、お母さんの命令がうるさくて、いつか言い返してやろうとニコニコ笑いながら初めて反抗ゴッコしてみた。その様子が手に取るように伝わってきます。まさに

思ふことつくろふこともまだしらぬ をさなこころのうつくしきかな(明治天皇御製)

の通り、繕わないからいいのですね。大人になると語彙も豊富になり多くの詩歌を知っているためにそれを意識したり、と余計な考えが混じってしまいます。子供は少ない語彙、つまり誰にでも分かる言葉を使って感動と発見をストレートにぶつけてきます。こういう面でも五行歌の歌会は、子供でも大人でも年齢に関係なく対等に闘える楽しい集いの場、と言えるでしょう。
___________

八王子五行歌会 ネット歌会 
               那田尚史
                                  
五月三日(金)
 初めてのネット歌会を試みた。当歌会は今
のところネット専門。作品募集締め切りから
採点・感想までに一週間も時間がかかり、ネ
ットという文明の利器の脆弱性を身に染みて
知った次第。尤もこれを機に歌仲間が増えた
のは嬉しい。討議の結果、題詠自由とした。

桜(注:ルビで、はな)の
かけら
光になって
還るそら
霞む            GENTA(一席)    

平易ながら達者で奥深い。普通「春霞」と詠
うのを敢えて避け、春霞を分析統合して最小
限の言葉で表現したことで最高得点を得た。
 以下二席三席が複数同点で並んだため作
品を簡略表記する。

剔出せよ/血にまみれ/晒し者になって/
歌を/詠め         つだみつぐ(ニ席)

気迫に圧倒される。歌を詠むにはこれぐらい
の心構えが必要なのかと身が引き締まる。

東京に来てから/はや四年/古里の思い出/
引きずりながら/今を大切に生きる
みつる(二席)

平凡な歌だが被災者にも通じる複雑な思いに
共鳴が集まった。作者は来月93歳になる。

春田の/いつもの道で/銀マムシ/
清め塩を持つほど/怖くて、恐ろしくて、 
                   小倉(二席)

飯田龍太の『雲母』の巻頭を飾ったこともあ
る俳句達者の作品。三句までなら俳句だが4
句5句で恐怖感が強調され多くの共感を得た。
 
目を閉じ/遥かしのぶ/ふるさと/アカシアの花/
雨 斜め打つ かわせみ(三席)

芝桜/庭一面に/咲き乱れ/春の日差しを/
浴びて輝く カンジ(三席)
 
ここでは取り上げる余裕がなかったが所謂
「問題作」も面白く、子供の五行歌と共に既
成の美的概念をぐらつかせる点で大いに参
考になった。共感させる歌もいいし、意外な
歌もいい。リアルな歌会にも参加しつつ、ネッ
ト歌会の可能性を探っていきたいと思う。

<投稿者>沢辺温子、持国天、みつる、かわ
せみ、GENTA、沙菜子、桜井凜、カンジ、つ
だみつぐ、小倉、那田尚史、良さん
___________________


善人の罪(微笑禅の会ネット会報・臨時増刊号)

2013年06月02日 | 微笑禅の会ネット会報

私がネット上で知り合い畏敬している方が以下の文章を書かれた。最近私が大きなテーマにしている「悪の論理・善の論理」を考える上で非常に参考になったので、以下本人の快諾を得て紹介する。

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良い人は早死にで、悪い奴ほど長生きする。とはよく言われる諺である。 
また、「あんなに優柔不断な奴が大丈夫でなぜあんなに立派な人がこんな災難に遭遇するのか?」とか理不尽な世間の現象に、「神も仏もあるものか!」と思う人が多いと思う。 
この世の中は悪人で生きるほうが安全なのか? 
この現象は、どのような理由によって説明できるのであろう? 

昔、「黒住の孝行息子」と備前藩から表彰された黒住宗忠という人がいた。 
この黒住宗忠は、一般的にはあまり有名な人ではないが、江戸幕末時代の宗教家である。しかも、死んでから孝明天皇から「大明神」を賜り、神様になった人である。(死後、宗忠神社も作られた) 

死んでから「神様」の称号を貰ったのは、秀吉や家康もいるし、菅原道真も神様に為ったけれども、実績によって天皇が敬意を込めて神様称号を贈った割には一般的に有名ではない。 
しかし、近代の神道を研究すれば、必ず根本に黒住宗忠に到達する位、神道の偉人であったと言えましょう。 
それ程、「すごい人」なんだけども空海程有名でないのは、宗忠が田舎(岡山)の一神主に過ぎなかったからであり、「文章は教えの神髄を伝えない」として「教えの本」を書かなかったからであろう。また新興宗教の教祖のように組織拡大に熱心であれば、もっと世に広がったであろうが、組織拡大に熱心で無かったのも原因である。 
しかし生前の信じられないような奇跡や類い希なる講話により、その名は天皇の耳まで到達し、宗忠の神社は天皇の祈願を特別に祈祷成就する「勅願所」神社にまでなったのである。 

その宗忠がいうには「善人に罪あり、悪人に道あり」という言葉を残している。 

さて、宗忠は、幼少の頃より慈愛の心深く、特に、生まれが、代々今宮神社の神主を務めていた黒住家の跡取りということもあり、神に対する信心も非常に深かった。 
先ほど書いたように、「黒住の孝行息子」と備前藩から表彰された位、彼の親に対する思いは純粋で周りの者の感動を呼ぶものであったらしい。 
しかし、家族仲も良い幸せな家庭は、突然の流行病によって一瞬にして崩れ去ったのである。わずか2ヶ月の間に相次いで両親を亡くした宗忠の悲しみは、想像を超えたものであった。夜に墓場で泣き続け、泣き疲れて体の冷え切った彼の姿を朝に村人が見つけることも多々あったという。このとき、宗忠 齢33歳で妻もいた。 

村人は「男が30にもなっていつまでも悲しむのも情けない」と励ますのだが、頭で判っていても彼の悲しみは癒えなかった。 
そんな宗忠もついに「肺結核」という当時では不治の病を宣告され、余命あと何日かの宣告を受けてしまうのである。 
村人達は「あんなに親孝行の人が死ぬなんて今宮の神は居ないものか?」と嘆いたという。 

いよいよ臨終が近くなった宗忠は、太陽を見たいといい、布団なり太陽の当たる部屋に皆で運んだという。太陽の光をぽかぽか浴びていた宗忠は、突然、「陽気になれ」と悟ったという。 
宗忠は「陰気を追い出して心を陽気にするのだ。たとえ一息でも良い。陽気になろう。それが、今までの親や神様への恩に少しでも報いることだと今まで気づかなかったのが悲しい。せめて死ぬまでは、少しの間でも恩返しをしよう。」と悟ったと同時に、この日を境に徐々に奇跡的に回復したのである。 

さて、そんな黒住宗忠が後年こう言った。 

善人にも罪あり、悪人にも道があり。悪人とても良き所は必ず有るなり。いっさい良きものと悪きものを入れ違えておるだけなり、天地の間に何一つ捨つるもの無し、捨つる人無し。」 

更に、「石川五右衛門は盗賊で決して手本にすべき人間ではない。しかし、あの心の強さだけは学ぶべきである。人に悪人無し。悪人と申すは、心の強きものにて、心の力余るだけのものが悪を致すものだ。その悪を止めれば本当の善人である。今、善人というのは、心弱気故に、悪をも出来ないに過ぎない。故に善人は、強き所を悪人より学び、我が道を守れば、これこそ真の道人(満ちる人)である

善人とは、気が弱く、クヨクヨする人を言うのであるが善人の罪とは、気が弱いので心が陰気になりクヨクヨし、陰気により、親神様から頂いている魂の力が働かず、次第に人生に自在がなくなる。即ち 罪とは「包み」であり、善人の罪とは、神の御霊の働きを知らず、陰気により心を痛める。心を痛めることは、自分勝手な陰気によって、神の分身を粗末に包み込むことであり、重大な罪である。という。 

その点、悪人は元気で陽気なので悪いことをしていても、当然 悪いことは神の心にはそぐわないとしても、心を痛める(産土神の魂を傷つける)という罪を犯さないので、陽気である時期は栄えるのである。悪人は悪徳満ちて陽気が欠けたときに滅びるが、善人も悪人も罪を犯しているという点が面白い。 

そうした考察があって、ついに宗忠は「心弱き小善人」に強さを与え、「心強き悪党」を正しき道に導く方法として「神の開運を祈る」という画期的な方法を編み出したのである。 

「神の開運を祈る?」 
「神様に自分の開運を頼むのではないのか?なんと高慢な!」 
と思われるかも知れないが、これこそ、黒住教の秘儀である。 

理由はこうである。 
人は神の分身であり、すべての人間は神と同じ魂を与えられている。 
しかし、人間は高慢で未熟な為、自分の中の神の魂を粗末にし、勿体なくも、邪見や毒素、悲しみや怒りによって魂を傷つけている。これは神を傷つけるのと同じである。人間一人一人が自分の魂を傷つけないように出来れば、すぐに地上に神の世の中が出来る。だが、それは頭で判っていても、とても人間の意志でできる技ではないし、説教で納得させうることも出来ない。 
だから神の開運をお祈りして、神力が自然に行き渡り、地上に高天原ができることを祈るのである。」 
いわば、天照大神の開運を祈願することと、自分の親の成仏を祈願することは同じであり、天照大神や親の開運が即、自分の開運でもある訳である。人間幸福の確実な方法は神様の開運をお祈りすることである。 

これは、コロンブスの卵のような発想である気もするが、「自分の開運を祈る」「周りの人の幸せを祈る」ことと、「神様の開運を祈る」ことは信心の深さがまるで違う境地であると思う。 

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ちなみに黒住教は現在でも岡山県に本部がある。

引用文の書き手は基本に愛国思想と神道があり、神道について殆ど知らない私には大変勉強になった。この黒住宗忠を禅の立場から解説しているサイトがあったので紹介する。http://rakudo.jp/ (後ほどゆっくり読んでください)

出だしの

良い人は早死にで、悪い奴ほど長生きする。とはよく言われる諺である。 
また、「あんなに優柔不断な奴が大丈夫でなぜあんなに立派な人がこんな災難に遭遇するのか?」とか理不尽な世間の現象に、「神も仏もあるものか!」と思う人が多いと思う。

という疑問は常々から私も抱いていた。だから「見性体験記」でも「微笑禅の会入門 実践篇」のDVDの中でも「強さ」を第一に強調している。中村天風流に言えば「積極的な言葉を使い、積極的なイメージを抱けば、既に成就している」、逆に言えば絶対に消極的な言葉・イメージを使わない、となる。

尤も、私は実体験を通して「堅すぎると/折れ/柔らかすぎると/曲がる/日本刀も人の心も」と五行歌を読んだように、何事も中庸が大切だと気付いた。だから、「強い心」と「心地よさ」が矛盾しない場所に自分を置くことが肝要だと現在は思っている。

面白いのは、善悪の問題より、強い心が神(天地でも宇宙霊でもいい)の意思と通じ合うという発想だ。詳細な解説を書くとキリが無いから結論だけ言えば、禅における善悪の問題は社会通念上の道徳観としての善悪とかなり違っている。そもそも善悪を差別すること自体が混乱のもとで、よく精神科医などが見性者の意識を「超自我(スーパーエゴ)」と関連付けるが、これは見当違いである。阿頼耶識にへばりついた「煩悩の腐臭」(熏習)を吹き飛ばした状態で、刹那に生滅し、かつ持続する名付けられない心の司令官、というしかないだろう。

かつて私は「風狂」に触れて、「最澄→日蓮の真面目系に対して、増賀→一休の風狂系(トリックスター系)を比較するのも面白い」と書いたことがある。風狂系の僧侶は敢えて戒律を犯し、狂人のように振舞った。つまり社会通念上の善悪を問題にしなかった。また、決して風狂系の人物ではなかったが、私が最も尊敬する山本玄峰師は「善にも強く、悪にも強い人間でなければ大きな仕事はできない」と述べ、「一人一殺」「一殺多生」の血盟団事件の黒幕・井上日召師を特別弁護している。そのときに「例え世間で善人といわれようと国家に悪をなす人間は殺していい、と仏は言う」と真っ赤な嘘(釈迦は殺人など肯定していない)を述べている。これは山本玄峰師ならではの啖呵(方便)であり、この発言を見ても一般社会の善悪と悟りを開いた人物の善悪は「超自我」を物差に測ることは不可能である。

なお話題が飛ぶが、この井上日召師を匿ったのが頭山満翁で、このところ話題にしている呉竹会会長の祖父にあたる。そして日召師が戦後作った護国団の先代団長だった石井一昌さんと知り合った縁で愛国右翼の指導者の方達と私は知己を得たという経緯がある。ついでに言えば、山本玄峰師が現・西予市城川町の龍澤寺(禅宗の中本山)を尋ね、龍澤寺の住職が釣鐘に息を吹きかけたらゴ~ンと音がした話を玄峰師は『無門関提唱』の中に書かれておられるが、その住職と私の母方の祖父(中城周三郎・助役など歴任)は親友で飲み仲間だった。こういう気持ち悪いほどの因縁が絡み合っている。また、私が電話した微笑禅の会の会員の中で、聞いた限りでは全員が武士の末裔だったので驚いたことがある。

ちなみに、前世、来世、輪廻転生の問題と合わせて、こういう不思議な因縁や遺伝子の影響力は禅のみならず「神秘的な事象を論理的に理解したい人間にとって」、真剣に研究すべき重要なテーマである。にもかかわらず、ある程度の修行を積みながらもそれを「先祖自慢」としか受け取れない人物がいるのも事実である。その人物を責めるつもりはサラサラない。蛇は一寸出ればその大小を知る。人は一言出ずるもその善悪を知る」と言われる通り、「変だぞ」と思いながらそういう人物を信頼した私が甘かったのであり、全ては私の不徳に起因する。

またまた話が飛ぶが、私は自分でも理解しがたい性格があり、敵対者からさえ「異常に寛容」と言われたことがある。それは「完璧な人間はいないのだからこの程度は我慢しよう」というのんびりした人間観と、「所詮人間はその程度のものだから仕方ない」というニヒリスト的な人間観が混じっているからだ。だから異常に優しい反面、ある閾値を越えた瞬間から殺気が出てしまう。これは欠点なのかもしれないし、必ずしも欠点ではないのかもしれない。

本題に戻れば、宗忠も丹田呼吸を実践していた。それから「神の開運を祈る」というのは微笑禅の会の言い方だと「神仏などいない。自分が神仏となって行動する」という発想に類似している。(もちろん、自力と他力は究極には一致するから微笑禅の会も祈りや祈祷を否定するものではなく、私自身歩行禅をするときは法華経題目の7文字に合わせていた)。

具体的に言えば、観音様に祈るだけでは私の言う(オスガリ信心、乞食信心)で、困ったときの神頼み以上のものではない。微笑禅に限らず、禅的な祈りは、超越的な観音様が外部にあってそれを拝むのではなく、「自分が観音様になる」のである。南無観世音菩薩という祈りは自分の中の観音様の力を引き出すことに他ならいない。DVDをご覧になれば分かるように自宅には観音菩薩、虚空蔵菩薩、不動明王を安置していたが、不動明王が少しも働かないときは明王の頭を叩いて「おい、いい加減に働け」と叱りつけたことさえある。もちろん、これは冗談にせよ、それぐらいの気迫がないと神仏を味方につけることは出来ない。

神仏己が心にましますに 他を祈るこそあわれなりけれ

我が我れと思う我が身は天の我れ 我がものとては一物(いちもつ)もなし

これは黒住宗忠が詠んだ歌だ。禅でいう天地と一体、万物と同根の思想と全く変わりない。

そろそろ夜が明けるので念のために繰返すが、単に「強い」だけではいけない。

「強い心」と「心地よさ」が矛盾しない場所に自分を置くことが肝要である。また、「善人にも罪あり、悪人にも道があり。悪人とても良き所は必ず有るなり」の内、前半は「気の弱い善人ではダメ」という意味だから同感するが、後半は私個人は遠慮する。つまり他人に任せることにしている。所謂「悪人正機説」は悪人が悪人であることを自覚反省するのが前提とされている(だから他力が主眼になる)。ここまで間口を広くすると折角菩提心を持つ人たちの精進の邪魔になってしまうだろう。果実も適度に摘果するように、折角のいい素質を思い切り開花させるためには教室を分ける必要がある。寿命が3百年ほどあれば別だが、反省出来ない悪人は浄土真宗にお任せする。

相当長くなったが、これを縁に神道や黒住教にも関心を持つことが出来た。本当に一生は書生であり、全ての人は(反面教師も含め)人生の師匠である。積極的に行動し人と触れ合うことの大切さを改めて思い知った。

多分幾つかの変換ミスがあるだろうが、添削は明日にまわして取り合えずこのまま投稿する。

 

 


世相雑感

2013年06月01日 | 集団ストーカー被害者を救う会

主権回復を目指す会」からメルマガがありました。下の記事、ぜひお読み下さい。

酒井信彦の日本ナショナリズム「愚劣な現代史の象徴としての成田空港」(2013年5月21日 )
http://sakainobuhiko.com/2013/05/post-226.html#extended

また「パチンコ廃止を求める会」http://paper.li/pachinkoaboliti/1337554896もあわせてご覧下さい。

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私はほぼ毎日西村修平さんと瀬戸弘幸さんのブログは読み、ついでに経済関係のメルマガにも目を通しています。最近瀬戸さんのブログのコメントに次の文章を見つけました。

 

http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52964352.html

某巨大宗教団体がやっている、信者を使った組織的な嫌がらせについてひと言。

年寄りから小学校低学年あたりの子供まで、実に多くの人間が工作に参加している。工作とは、もちろん組織が標的と定めた人物に対する執拗な精神的追い込みである。標的とされた人物にとっては誰が工作員信者か分からない一方、工作員信者は組織を通じて情報を共有し、標的の相手は当然認識できている。この不特定多数を装った工作員信者が、商行為における不作為から付け回し、悪評の流布、個人情報のほのめかし、脅迫などを長年にわたり行う。

この組織的な嫌がらせを実施するにはけっこうな人数が必要であり、想像以上に多くの信者が加わっていると推察される。現在その被害者の存在は、徐々にではあるが社会的に認知されつつあるものの、まだまだ関心度は低い。
これ以上の被害者を出さないためにも、またその団体の思い上がりをただすためにも、なんとしてもその団体の非道な行為を表沙汰にする必要がある。そのためには、かつてその団体に属し、組織的な嫌がらせ行為に関わっていた人たちの協力が必要だ。どうか心当たりのある方は怖がらずに手を挙げ、社会正義のために協力してもらいたい。被害に悩む人たちを助けてもらいたい。それこそが真に宗教に沿う人としての道ではないか。

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この投稿者が語っている事実は、先日紹介したフリーメーソンの内部告発で暗殺された人間が語った内容と比べると、加害者・被害者という立場の違いこそあれ類似点が非常に多い。

赤文字にした部分が投稿者の主意だが、色んな意味で無理だろう。工作員と称する人間が動画で証言しているのを見たことはあるが、誰の命令でどういう手口で誰を具体的にどう陥れたか実名で内部告発したら殺されることは、誰よりもその工作員たちが一番よく知っているからだ。但し、彼らはお金で動くので、絶対に命の危険が無くて罪に問われずお金をもらえるのなら告発する人間はいるかもしれない。

話題が一転するが、今日、月刊の「五行歌」誌が届いた。全国の会員の作品にも、イジメ問題、政治や世相に対する失望、日本人の美徳の喪失などを詠んだものが多い。ある先輩に「生きているうちにこんな末世を味合うとは思わなかった」とメールしたら「同感です」と返事が来た。もうギリギリのとこまで来ている、という危機感は普通の判断力があれば誰もが抱いている。

同時に今日「呉竹会」から「青年運動」という新聞と諸資料が送られてきた。私にとってはこれも意味のある偶然の一致だった。

 

某巨大カルト宗教に対する私の認識と処方箋は既に何度も書いたので繰返さない。が、この問題は、私は逆説や極論異論が好きだと断った上で言えば、最も弱いと社会通念上考えられている、女性、子供、老人の意識と行動が一つのカギになると思う。数多くの犠牲者が出て、日本がとことん堕落し、観客が傍観者になり、傍観者の中でも一番気の弱い人たちが居ても立ってもいられなくなったときに、柿の実は熟して落ちる。だから私は「どうか工作員たちが健康で幸せになって、もっともっと大きな仕事をしてくれますように」と祈っている。

以下、山本玄峰師の言葉より。

 「時世には流れと勢いというものがある。これに逆らってみたところでどうにもならん。人が東に走る時には、共に東に走り、西に向かう時には、共に西に向かわねばならんが、泥棒と巡査のようなもので、同じ方向に走っていても、心掛けはそれぞれ違っていなければならん。それと同様に、同じことをしていても、心の置き場所が違わねばならぬ」。

 「人間は手足を大切にせねばならぬ。炊事や風呂の世話をしてくれる人が旅館の手足じゃ。この人たちが一番大切な人じゃ。『車の功を云うときは輪は与らず』と云って、車で一番大切なものは輪であるのに、人は輪の有り難味を忘れがちである。輪を大切にすることを、よく考えねばならぬ」。