人生第2幕スタートして20数年、畑を掘り・印を刻り・木を彫りの半分・自然に親しむ生活です

篆刻(てんこく)という
漢字の文化、庶民的な
円空佛、こんな世界が
今も存在している!
つれずれ日記です

男の武器・フルオーダー・スーツというのは

2019-10-08 13:20:41 | 日記







サラリーマンになった当時の昔話になった時、身に付けるスーツや靴も!は全て
フルオーダーだったこと思い出しました。
そして値段も初任給程度の高額で(全ての産業で未熟な時代、しかし高価でした)

例えばスーツを購入するとき、既製服の商品は当時はなく
*生地選び  *採寸  *仮縫い  *完成
と現在のフルオーダー・スーツの流れと変わりません。
進化してきた点は素材と縫製の丁寧さ、ボタンなどの品揃えなどです。

当地・尾州は毛織物産業で有名でイギリスのハダースフィールド、イタリアのビエアと共に世界3大産地の
ひとつです。
せめて地元業界の現状を知っていなくては、とスーツ業界で活躍している友人に話を聞きました。

例えば、今でも車の運転をなさっている方の場合、どのようにして車種を決めるのでしょう。
使用目的やデザイン、メーカーの好み、走行性能など最終的には自分で満足できそうな車を選びます。
(兎に角、安いのを、燃費がいいもの、ちょこ乗りだから、などで多少不満だけど乗っている)
という方もあると思われます。

メンズスーツは外見からは安価なスーツとフルオーダー・スーツの差は一見して見分けがつかない
ようにも感じられます。

スーツでも違いを見分ける方法は、と教えてもらったのは
*素材の違いは歴然で高級羊毛の場合、オーストラリア産のファインメリノと言われる繊維は
 約20ミクロン(1ミクロンは1/1000ミリ)という極細もあります。
 繊維長も長く肌触りのよさは別格です。
 高級品ほど軽くて皺になりにくく、着心地がいい。

*裏地は一般的にはポリエステル素材ですが高級品は旭化成のベンベルグ(天然繊維の一種)が使用され
 肌触り、吸汗性など良好、デザインも多彩。

*目には見えない芯地も接着芯地でなく毛芯が使用されている。

*ボタンでも水牛、貝、金属、プラスチックと品質と価格などさまざま。

*肩でも上がり方とか下がり方、そして猫背とか、更に両手の長さも利き腕は数センチ長いのが一般的で
 体形は10人十色。

*縫製は手縫いがほとんどで、実に細かいところまでベテラン職人に依るもの。

自分だけのオリジナルスーツは生地、デザインを選んでカスタマイズするプロセスを楽しみ、
誇りと自信をもって活動できるという利点があります。
懐に余裕が少しできたときは信頼できるお店に足を運べば、直ぐに購入しなくても商品知識を広げられる
ことと思います。

最近はフルオーダー・スーツは既製服の落ち込みが激しい中、品質の分かる幅広い層に人気が
ジワジワ広がっているそうです。

社会人になったときの記念とか結婚何周年記念とか、プチ贅沢っていいですね。
そして仕事上、人に会う機会の多い方や社会的責任の高い立場の方にもフルオーダー・スーツは人気が
あるそうです。

固定費の高い独立店舗でなく、自宅兼用の店舗で友人は「その価値を知っていただきたい!」
PRを頼まれたわけではありませんが商品知識を得る方法のひとつとして利用する方法もあります。
H.P.「したて屋本店」(奈良市)
この道、一筋、親切・丁寧にスーツの神髄を教えてくれます。

この国から腕の良い職人が高齢化もあって少なりつつあります。
日本の伝統的職人を残すには継続的な需要が欠かせません。
最近は「本物の価値」が見直されつつあり、眼力のある方は本物を選ばれます。

以前、北陸能登に参りました折、最高級の漆器を拝見しました。
手間暇を惜しみ、良い仕事だけを目指す日本の職人さんたち。
ひたすら、高い志を持って励んでいる方には頭が下がります。

写真は羊毛トップ(糸になる前)、裏地(ベンベルグ)、芯地(毛芯)
イギリス・ハダースフィールドはマンチェスター近くです。