ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

凡庸の夢

2019-10-22 04:52:01 | 短歌





天くらき まよひの日々を かへりみて けふ振り捨てし 凡庸の夢





*「凡庸の夢」とは何でしょうね。それは自分だけ幸福であればいいという、下衆の願いです。美貌に恵まれて、人より羽振りのいい、何もいやなことのない人生を生きたい。馬鹿な人はそういうことを一度は願ったことがあるはずだ。

そしてそのために、裏からいろいろと努力している。人から美貌を盗んで自分にくっつけ、人から徳分を盗んで羽振りのいい人生を演出し、嫌なことから逃げるために裏からいろいろと操作する。

全部、思い通りの人生が欲しい。そのためには、人のことなどかまいはしない。

こういう人は、自分の幸福を作るために、それは多くの人を犠牲にしているのです。美貌やそのほかのいいものを盗まれた人は、みなそれは苦労している。

しかしそういった偽物の人生を生きている人も、幸福かと言えばそうではない。自分の嘘が常に自分を苦しめている。見栄えは幸せそうな自分の暮らしを人に見せつけながら、目が虚無感にしびれている。

ほんとうの幸福とは、そんなものではないからです。

本当の幸福とは、嘘ではない真っ正直な自分を生きて、神の前に恥ずかしくない本当の自分を生きている、美しい自分であることなのです。

人間はもうそれがわかるようになった。そういう段階に来ているのに、いまだに馬鹿な凡庸の夢に浸っているのは、賢いことではありませんよ。

嘘で作った自分を捨て、本当の自分に戻り、本当の人生をまっとうに生きていきなさい。そうすれば、あれほど欲しかった本当の自分の美を、見つけることができるでしょう。





この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 身をつくし | トップ | われのわれ »
最新の画像もっと見る

短歌」カテゴリの最新記事