夢にまで 見てた天使に なってみて とたんに落ちる 孤独の地獄
*とにかく馬鹿女は天使になりたくてしょうがないらしい。天使が身も心も美しく、人間ではないものだからです。
そんな自分に、馬鹿はなりたくてしょうがないのです。ずると盗みで自分をきれいにして、とことんまで天使に似せて、自分を天使にしようとしている。
それはそれは、顔のつくりなどは上手に真似します。天使にそっくりな、整いすぎた美貌を、馬鹿は技術の粋をつくしてつくるのです。
ですが、天使の美貌というのには落とし穴がある。それは整いすぎていて、中身がそのまま見えるのです。天使ならなんとかなるのですがね、まだ未熟な魂が天使の美をかぶると、いやらしい心が透けて見えるのです。それが気色悪くてならず、人が離れていく。
天使に化けた馬鹿女は、簡単に正体を見破られて、人間に離れられていく。そして、愛がかけらもない孤独の世界に落ちていくのです。
天使自身も、美しさを理由に、多くの人に嫌われ、孤独の奈落を這いずり回っていた。しかしかのじょは神を知っていた。自分が美しくまっとうな生き方をしていれば、神が自分を見てくださることを知っていた。
また植物に心よせ、孤独を癒して生きることができた。そんなふうに、天使ならなんとかなるのです。しかし、自分をきれいにするために間違ったことをしている馬鹿女には、植物も神も苦い顔をする。
天使の真似をした馬鹿女もまた、天使のように皆に嫌われて、孤独に落ちる。だけど手をさしのべてくれるものはいない。なぜなら馬鹿女は、誰も愛したことがないし、誰も愛さないからです。
天使の美貌を盗んで、その美しさのゆえにみんなに愛してもらい、なんでもやってもらおうと、ずるいことばかり考えているからです。
そんな馬鹿が天使の顔をしていると、それだけで嫌われる。あまりにも愚かな嘘だからです。