ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

孤独の地獄

2019-11-13 04:52:48 | 短歌





夢にまで 見てた天使に なってみて とたんに落ちる 孤独の地獄





*とにかく馬鹿女は天使になりたくてしょうがないらしい。天使が身も心も美しく、人間ではないものだからです。

そんな自分に、馬鹿はなりたくてしょうがないのです。ずると盗みで自分をきれいにして、とことんまで天使に似せて、自分を天使にしようとしている。

それはそれは、顔のつくりなどは上手に真似します。天使にそっくりな、整いすぎた美貌を、馬鹿は技術の粋をつくしてつくるのです。

ですが、天使の美貌というのには落とし穴がある。それは整いすぎていて、中身がそのまま見えるのです。天使ならなんとかなるのですがね、まだ未熟な魂が天使の美をかぶると、いやらしい心が透けて見えるのです。それが気色悪くてならず、人が離れていく。

天使に化けた馬鹿女は、簡単に正体を見破られて、人間に離れられていく。そして、愛がかけらもない孤独の世界に落ちていくのです。

天使自身も、美しさを理由に、多くの人に嫌われ、孤独の奈落を這いずり回っていた。しかしかのじょは神を知っていた。自分が美しくまっとうな生き方をしていれば、神が自分を見てくださることを知っていた。

また植物に心よせ、孤独を癒して生きることができた。そんなふうに、天使ならなんとかなるのです。しかし、自分をきれいにするために間違ったことをしている馬鹿女には、植物も神も苦い顔をする。

天使の真似をした馬鹿女もまた、天使のように皆に嫌われて、孤独に落ちる。だけど手をさしのべてくれるものはいない。なぜなら馬鹿女は、誰も愛したことがないし、誰も愛さないからです。

天使の美貌を盗んで、その美しさのゆえにみんなに愛してもらい、なんでもやってもらおうと、ずるいことばかり考えているからです。

そんな馬鹿が天使の顔をしていると、それだけで嫌われる。あまりにも愚かな嘘だからです。





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