ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

神のまなこ

2019-09-26 04:56:21 | 短歌





ちはやぶる 神のまなこに あらはれて 人はまことの おのれをぞ知る





*「ちはやぶる」は「神」にかかる枕詞ですね。定番ですが一応抑えておきましょう。学びとは繰り返しの中で深まってくるものだ。さて。

大火がツイッターで繰り返し言ってくれているように、今この世界には偽物の自分があふれかえっています。

人の顔を盗み、人の人生を盗み、自分をいいように書き換えている。そういうものが今大繁栄しているのです。

人間は自分がつらくてたまらないのです。美しくはないのに、馬鹿だからです。何もいいことはしていないからです。そんな自分が嫌でたまらなくて、見栄えだけでもよくしようとして、人からの盗みで、見栄えのいい容姿や人生を手に入れ、それを生きている。

その化けようもうまいものだ。本当の人格者や美人を微に入り細に入り観察して、本物そっくりに化けている。いかにも美しい人が言いそうなことを言い、立派な人がやりそうなこともやっている。

しかし、どんなにうまく化けようとも、神の目をごまかすことはできません。なぜならそれは愛ではないからです。ただ自分を守るためだけにやっている、嘘だからです。馬鹿はそういう正体を見抜かれ、あばかれていく。そして本当の自分に帰っていく。

本当の自分はそれほど美しくはない。何もしていないから、何もない。人からの盗みで自分をよくしていた嫌なやつだ。そういう自分の真実を、馬鹿は教えられるのです。

人間はもう、嘘で作った自分を脱ぎ捨て、みな本当の自分に帰っていくのです。そして本当の自分の人生を生きていく。それがどんなに貧しく、試練に満ちていようと、真っ正直に生きていくしかない。

そうしなければ、人間を落ち、永遠を失うからです。人間は神に、選択をせまられている。見栄えだけのいい偽物の自分を生きていくか、真っ正直な本当の自分を生きていくかと。

その神の問いに、正しく答えることができねば、人間はもう人間ではなくなるのです。





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