チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

190918裏 小包第2期 ボスニア・ヘルツェゴビナ地域内、サラエヴォ小包私書箱保管料金

2007年11月08日 21時23分40秒 | 小包第2期
190918裏 小包第2期 ボスニア・ヘルツェゴビナ地域内、サラエヴォ小包私書箱保管料金

到着印:SARAJEVO 1 22. IX. 19 (1919年9月22日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。
受取人サイン日付:記載無し

小包私書箱の保管料金
切手:ボスニア・ヘルツェゴビナSHS(キリル文字CXC)加刷不足切手10 heller(Mi.5)
消印:箱型、上部が空欄、24. IX 19 (1919年9月24日)。同一の捨印も左上にあります。
文献(4)によると、SARAJEVOのこのタイプの消印の上部には、もともとドイツ語でAUSGEFOLGTと記載されていたそうで、AUSGEFOLGTと表示された1919年6月7日の使用例が示されています。
文献(4)の使用例から約3.5ヵ月後の私の持っている使用例では、この言葉を削除してユーゴ化していますので、この間にドイツ語が削除されたと考えられます。
尚、AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。
料金:10 hellerは小包私書箱の小包の保管に対する小包1個当たりの料金と考えられます。

備考:
第1期小包料金の項でご紹介した文献(5)の著者Dr. Helmut Kobelbauerは、「特に、定期的に高頻度に郵便物が届く商人がこの特別サービスを利用した」としています。そして、リュブリャナ1郵便局での使用例を示し、商人が自分の商店の名前の入った楕円形のスタンプを押して受取日を記入している例を紹介しています。また、Dr. Kobelbauerは、「商人はこのようなスタンプを使用するが、個人は通常はこのようなスタンプを使用しない」と記載しています。このような商人のスタンプの存在は、小包私書箱の使用の判断の根拠になるようです。
今ご紹介している使用例で、受取人は、自分の氏名と居住都市の名前のハンドスタンプを使用していますので、多量の小包等の郵便物を受け取る商人であると考えられます。

参考文献
(4)Arge der Balkan Länder, No. 158, p.12-18, (2002)
Dr. Helmut Kobelbauer, Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Nochmals Postgebühren – Pakete in Bosnien und der Herzegowina
さらに郵便料金---ボスニア・ヘルツェゴビナの小包

(5)Arge der Balkan Länder, No. 161, p.28-31, (2003)
Dr. Helmut Kobelbauer
Nebenstempel der Paketabgabe beim Postamt Ljubljana
リュブリャナ1郵便局による小包引渡しの証示印



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