チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

210413B表 小包第4期 スロヴェニア2次+全国共通普通切手+傷病兵慈善切手の混貼り

2008年04月02日 20時23分24秒 | 小包第4期
210413B表 小包第4期 スロヴェニア2次+全国共通普通切手+傷病兵慈善切手の混貼り

小包第4期 ヴォイヴォディナからボスニア・ヘルツェゴビナ宛て
小包送票:ユーゴスラヴィアPOŠTNA SPREMNICA、左上に角に数値記載無し、スロヴェニア語、灰白紙、代金引換のない小包送票

小包ラベル:Pančevo 217、上側がキリル文字、下側がローマ字の二文字表記
上側のセルビア人の使用するキリル文字表記が鉛筆で塗り潰されているのは興味深く、セルビア支配に対する反発の表われの可能性もあると思われます。
また、この使用例では、セルビア人の使用するキリル文字部分が破れています。これが故意に破り取られたのか、小包送票の取り扱い中に偶然に破れたのかは不明です。故意に破り取られたとしたら、セルビア人支配に対する反発が影響していると考えられます。

料金手書き:無し

切手:
①代金引換のない小包送票代金(収入印紙として使用)
スロヴェニア2次チェインブレーカー15 para (Mi.122)
ユーゴスラヴィア傷病兵慈善切手10+10 para (Mi.159)
合計 25 para
備考:寄付金10 para付きの傷病兵慈善切手が使用されていますので、上記の25 para以外に、小包発送者は寄付金10 paraも余分に支払わされたと考えられます。
ヴォイヴォディナPANČEVO郵便局は、傷病兵のための寄付金を強制的に徴収するために傷病兵慈善切手の使用を強制した可能性も考えられます。無論、小包発送者との話し合いによる同意があった可能性もあります。
②小包料金(郵便切手として使用)
ユーゴスラヴィア全国共通普通切手10 para (Mi.121), 2 Dinar (Mi.130)
合計 2.1 Dinar (8 Krona 40 vinar)

料金計算:
①代金引換のない小包送票代金(収入印紙として使用)25 para
②傷病兵のための寄付金10 para
③小包料金(郵便切手として使用)
重量料金3.2 kg---2.0 Dinar (8 Kronen)
価格表記(保険)料金---無し
代金引換料金---無し
通知料金---10 para (40 vinar)
合計2.1 Dinar (8.40 Kronen)(貼り付け切手と一致)

備考
上記の小包料金解析とは異なる方法で、重量料金3.2kgで2.0 Dinar、配達料金0.6 Dinarとすると、合計2.6 Dinarとなります。この金額では、切手の合計貼付額2.35 Dinarより多くなり、25 para料金不足になってしまい、料金を説明できません。
この210413Bと同じ4月13日の同じ郵便局の使用例である「210413A表 小包第4期 スロヴェニア2次+全国共通普通切手+傷病兵慈善切手の混貼り」の場合には、小包料金が鉛筆で記載され、小包送票代金が切手で徴収されたことが証明されていますので、210413Bも同様の取り扱いがされたと考えるのが合理的であると考えられます。

消印:PANČEVO +13. IV. 21. -9+ 5(PANČEVO郵便局1921年4月13日9時、消印識別番号5)、上側がキリル文字、下側がローマ字の二文字表記の消印。この都市の名は、ハンガリー語Pancsova、セルボクロアート語Pančevo です。


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