チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

210413B裏 小包第4期 スロヴェニア2次+全国共通普通切手+傷病兵慈善切手の混貼り

2008年04月02日 20時24分29秒 | 小包第4期
210413B裏 小包第4期 スロヴェニア2次+全国共通普通切手+傷病兵慈善切手の混貼り

小包到着印:JAJCE 19. IV. 21 a (JAJCE 郵便局1921年4月19日、消印識別記号a )、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。
小包受取人サイン日付け:1921年4月23日
小包引渡し印:JAJCE 23. IV. 21 a (JAJCE 郵便局1921年4月23日、消印識別記号a )、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

証示印:ドイツ語AUSGEFOLGT LAGERZINS K. h.
AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。LAGERZINSは「保管料金」という意味です。
19日に到着し23日に引き渡しています。AUSGEFOLGT LAGERZINSの証示印が押されていますので、小包の保管料金が徴収されたと考えられます。ただし、保管料金に相当する不足切手は小包送票に貼られていません。別の書式で処理されたと推定されます。

備考:商人のスタンプ
小包の受取人は、会社名の記載されたスタンプを使用しています。
第1期小包料金の項でご紹介した文献(5)の著者Dr. Helmut Kobelbauerは、「特に、定期的に高頻度に郵便物が届く商人がこの特別サービス(小包私書箱)を利用した」としています。そして、リュブリャナ1郵便局での使用例を示し、商人が自分の商店の名前の入った楕円形のスタンプを押して受取日を記入している例を紹介しています。また、Dr. Kobelbauerは、「商人はこのようなスタンプを使用するが、個人は通常はこのようなスタンプを使用しない」と記載しています。このような商人のスタンプの存在は、小包私書箱の使用の判断の根拠になるようです。
今ご紹介している使用例で、小包の受取人は、会社名の記載されたスタンプを使用していますので、多量の小包等の郵便物を受け取る商人であると考えられます。
参考文献
(5)Arge der Balkan Länder, No. 161, p.28-31, (2003)
Dr. Helmut Kobelbauer
Nebenstempel der Paketabgabe beim Postamt Ljubljana
リュブリャナ1郵便局による小包引渡しの証示印


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