チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

190217裏 オーストリア帝国切手使用例、為替金額の配達料金の使用例

2011年05月14日 19時08分26秒 | 郵便為替
190217裏 オーストリア帝国切手使用例、為替金額の配達料金の使用例

到着印
LUTTENBERG 5. III. 19 *a*
ドイツ語名LUTTENBERG郵便局、1919年3月5日、消印識別記号a
オーストリア型消印、スロヴェニア語名LJUTOMER

受取人のサインの日付 10/III 1919
1919年3月10日

切手
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.103, 20 vinar石版
普通切手を不足切手として使用(TまたはPortoの表示はされていない)

消印
LUTTENBERG 11. III. 19 *a*
ドイツ語名LUTTENBERG郵便局、1919年3月11日、消印識別記号a
オーストリア型消印、スロヴェニア語名LJUTOMER

チェインブレーカー Mi.103, 20 vinar石版の解析
受取人により支払われる配達料金(不足切手により徴収)
郵便為替または郵便小切手
10 Kronen以下 5 vinar
10 Kronenを越えて1000 Kronen以下 20 vinar

この場合は、「10 Kronenを越えて1000 Kronen以下 20 vinar」に相当する普通切手が貼られている。
しかし、この料金は本来、為替金額の受取人から不足切手で徴収するのが規則であるため、この使用例では、20 vinar普通切手を不足切手として使用していると考えられる。
このように普通切手を不足切手として使用する場合には、TまたはPortoと、ハンドスタンプまたは手書きで切手に加刷されるが、この使用例ではそのような表示はない。

この郵便為替の使用例は返送便であると推定される
①郵便為替証書の表の宛て先が黒インクで書かれている。しかし、住所欄の一番下の行には、黒鉛筆でnbergと書かれている。
このような黒鉛筆による書き込みは、返送便の際に良く見られる。
到着印と配達料金の切手の消印がLUTTENBERGであるため、手書きのnbergは明らかにLuttenbergを意味している。
②郵便為替の受付から配達までの時系列は以下のようになっている
LUTTENBERGでの受付消印1919年2月17日
LUTTENBERGの到着印1919年3月5日
受取人のサイン日付1919年3月10日
配達料金の切手のLUTTENBERG消印1919年3月11日

受付も配達も同じLUTTENBERGの町であるのに受付から到着まで16日かかっている。同じ町内宛てでは16日間もかかることはない。
③このような事実から、この郵便為替はLUTTENBERGから他の町に送られたが返送されて、為替金はLUTTENBERGの発送者に返金されて支払われたと考えられる。


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