クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ルチア・ポップのオペラ・アリア集 アイヒホルン/ミュンヘン放送管弦楽団

2006年07月03日 06時06分43秒 | 声楽曲・オペラ
今日はルチア・ポップのオペラ・アリア集であります。
彼女の魅力が一杯に詰まったCDです。

伴奏はクルト・アイヒホルン指揮ミュンヘン放送管弦楽団。
1983年の録音で、ARTSレーベルの輸入盤。
ドヴォルザーク、モーツァルト、ウェーバー他の歌唱が素晴らしい。

ポップの歌はいつ聴いてもプレーンで、突き抜けてゆく透明な高音が素晴らしい。

1曲目は「魔笛」からのパミーナのアリア。
ポップはハイティンク/バイエルン放送響の全曲盤でもパミーナを歌っていたが、ここでも芯の強い気丈な女性、そして若々しい色気のあるパミーナになっている。高音に独特の強靱さがあるからだろう。歌唱はしなやかで、腰の強い(うどんで云うとシコシコ、モチモチっと、腰が強い感触だなぁ)ところが実にイイ。

2曲目「真弾の射手」から、アガーテのアリア。この曲は、このアリア集の白眉か。ここでも気丈なドイツの、そして蒼く若い女性を表現しきっている。絶叫したりはしないが、ある意味で絶唱といって良いだろうなぁ。名演。ポップの良いところが全部出ている。

4曲目は「リゴレット」からのアリア。
ここでもポップの滑らかで天空に突き抜けてゆく素晴らしい高音が見事。ヴェルディのオペラ、詳しくはないのだが、ポップで聴くと可愛らしさと気丈さが同居する。一面的な歌唱にならないのがイイ。

5曲目の「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」。プッチーニの抒情的なメロディ・ラインに乗って、ポップの透きとおる声が響く。これ、スピーカーに正対して聴くのは快感ですぞ。ポップの声のシャワーは、ホンマに爽やか。気持ちいい。

6曲目は「フィガロの結婚」第3幕の伯爵夫人のアリア。
ポップには、マリナー盤での伯爵夫人の、ボクに云わせりゃ超名演がある。
こんなに若々しく色気があって、伯爵夫人としてのプライドや芯の強さと、年齢を重ねて老いを感じ始める(まだ、その老いは兆しに過ぎないのだが)心の揺れとを、見事に表現した歌唱はポップ以外にはなかった。
(と、絶賛しておこう)。
ポップの伯爵夫人は30代半ばくらいかな。成熟した美しさと、徐々に衰えを感じてゆく無常と・・・・いやはや見事な歌であります。

10曲目はドヴォルザークの「ルサルカ」からのアリア。これも名唱中の名唱。

他にスメタナやマスネ、シャルパンティエの有名なアリアが含まれます。
中古盤屋でボクは500円で買いました。
値段でモノを言っても仕方ないが、これほどの名唱をこの価格聴けてしまう贅沢。
ああ、何という幸福。



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