クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 アシュケナージ(Pf) マゼール/ロンドン響

2008年11月16日 06時33分00秒 | 協奏曲
ずっと出張しておりました。疲れました。忙しいのは構わんのですが、ゆっくり音楽を聴けないというのは、ツライもんです。留守の間、沢山のコメントを有り難うございました。沢山頂戴したのはベームのブラームスです。さすがですね。今でもベームは強いです。さて、疲れた身体にはLPがエエかなぁと思い、久しぶりに懐かしいLPをまたまた取り出しているのです。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23。ウラディーミル・アシュケナージのピアノ独奏、ロリン・マゼール指揮ロンドン響の演奏。1963年4月、ロンドンのウォルサムストウでの録音。DECCA原盤で国内キング発売の2LPシリーズ。再録音の多いアシュケナージだが、チャイコフスキーのピアノ協奏曲はこの録音だけだったと思う。アシュケナージもマゼールも大変若々しい。青年ピアニストと青年指揮者がそれぞれの個性をぶつけ合った名演奏と思う。マゼールの指揮はギラギラとしていて、情熱が迸り、気合い十分。新しい何ものかを創造しようとする意欲に溢れていて、全く精力的な指揮ぶり。オーケストラから勢いのある響きを引き出して、大変面白い。DECCAの録音にもよるのだろうが、ピアノ以外のソロ・プレイも浮き立たせるような感じで、聴いていて実に楽しい。チャイコフスキーのピアノ協奏曲で、オーケストラ部がこれほど面白いのは、他にないんじゃないかな。脂っこいくらいの伴奏で、いやぁ、快感でさえある。これ、マゼール好きにはたまらんだろうなぁ。アシュケナージのピアノは変化に富んで、とてもフレキシブル。フォルティシモでは豪快豪放に鳴り渡るし、ピアニシモでは繊細の限りを尽くす。本質的には抒情的なピアノ。テンポは速めで、歩みは颯爽としている。若者の軽やかな足取りを思わせる。心地よい。ピアノの音色はいつもながらホンマにキレイで、アシュケナージ独特の青みがかったクリスタルのような輝きが、大変美しい。いつ聴いても僕は最高と思う。第2楽章がことのほか美しい。マゼールは管楽器を浮き立たせて、ピアノとの見事なアンサンブルを形作る。チェロのソロも良い。これはしっとりとした楽章になった。一気呵成のフィナーレも楽しい。アシュケナージのピアニズムは最高だし、マゼール指揮のロンドン響がまた白熱。熱く激しく、時に荒々しい。カッコイイ。どうも、主導権がマゼールにあるのかしら。録音は今も瑞々しく、45年も昔の録音とは思えないほどです。DECCAの録音はホンマに優秀なんですね。奥行きも十分ですし、出てくる音の鮮やかさが、他のレーベルと違います。輝いてます。見事なもんだなぁと、つくづく思うんです。

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