クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

モーツァルトのピアノ協奏曲第23番K488 ラローチャ(Pf)・C・デイヴィス/イギリス室内管

2007年11月13日 05時38分02秒 | 協奏曲
朝方の大雨、昼下がりにも一時的に土砂降り。
この2度の雨で気温がだいぶ下がりました。伊予路の最高気温は16度だったそうです。11月下旬の冷え込みとのこと。
この秋は、猛暑の後の暖秋でありましたが、いよいよ冬将軍到来ですかな・・・・。

秋に聴きたい名曲。
この曲は第2楽章が特にそう感じる名曲で、美しい旋律と独特の語り口で、飽きることがありません。


モーツァルトのピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488。
アリシア・デ・ラローチャのピアノ独奏、コリン・デイヴィス指揮イギリス室内管の演奏。
1991年7月、ロンドンのワットホード・タウンホールでの録音。RCA原盤。

ラローチャのピアノは優しく柔らかい響きがとてもイイ。音色は透明度が高く、しっとりとしている。打鍵は着実、しっかりとしたもので、これも心地よい。
輝かしさよりも、落ち着いて潤いのある響きを目指している感じ。そして何より清潔なのがイイ。

演奏はことさら大声を上げるわけでもなく、技術をひけらかそうとする風でもなく、やや控えめながら実にニュアンス豊かで、味わい深い。いわば、大人の演奏。

第1楽章の刻一刻と表情を変えてゆくところとか、第3楽章の天翔る無邪気さとか、素敵な演奏が続くのだが、その中に大人の含蓄というか、品の良さというか、慎み深いところがあって好感が持てる。

絶品は第2楽章。ここはデイヴィス/イギリス室内管の響きも魅力的で見事な伴奏。
ラローチャのピアノは、しっとりと濡れた表情が美しい。内面のモノローグといった趣の楽想を丹念に丁寧に再現してゆく。晩秋の孤独感、侘びしさ、もののあはれ、そういった心象風景が映し出されてゆくよう。
ピアノと木管の絡みなど、最高度に美しい演奏。ニュアンスたっぷり。ピアノの音は総じて清々しく、哀しい旋律は胸に迫る。

そうそう、デイヴィス/イギリス室内管の響きが素晴らしく、これも大人の落ち着きといった風情。渋い英国紳士の演奏。
ラローチャのピアノにそっと寄り添い、穏やかな表情でサポートする。テンポがまた中庸で良い。
一聴、何の変哲もない伴奏なのだが、だからこそ飽きないし、美しい。

録音も優秀であります。
オーケストラが左右に大きく広がり、ピアノがセンターにクッキリと定位します。
臨場感抜群。音も瑞々しく、素晴らしいピアノコンチェルト録音。
1990年代以降のRCAの音はとても良いと僕は思います。



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