クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲 ワイセンベルクとカラヤン/パリ管

2005年07月01日 04時51分58秒 | 協奏曲
暑い。暑い。しかも南西の風が強い日が続いています。
雨は午後3時頃、一瞬降りました。
降りそうな空模様なのに、殆ど降りません。
心配であります。今週はもう降らないだろうとの予報・・・・。


さて、今日は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を。
演奏はアレクシス・ワイセンベルクのピアノ、伴奏はカラヤン指揮パリ管弦楽団。1970年の録音。

以前に、この組み合わせ(オケはBPO)のラフマニノフで書いたように、ここでもメインはカラヤン/パリ管。
ワイセンベルクが霞んでしまう、もの凄い管弦楽。
決して音が騒々しいとか、ピアノを置き去りにして管弦楽が前に出てくるというわけではないのだが、大変に伴奏が雄弁で面白い。
ピアノ序奏付きの交響組曲を聴いているみたい。

第1楽章から、もうカラヤン/パリ管の独壇場。
冒頭の雄大なホルン!
しかもゆったりと王者の行進を思わせるテンポ。
ワイセンベルクも管弦楽に合わせてバリバリ弾いて気持ち良い。そう、オケがピアノに合わせるのではなく、ピアノ・ソロが管弦楽に合わせているのだ。カラヤンが「オレがこんな風にオケを鳴らすから、しゃんと合わせぇよ」とでもワイセンベルクに言いつけているみたい。
しかし、いずれにせよ、冒頭のこのスカッとした爽快感は、他のレコード・CDでは味わえない。

主部に入ってからも、カラヤン/パリ管は絶好調。
どっしりしたテンポで、オーケストラを聴く醍醐味を味合わせてくれる。(繰り返しますが、ワイセンベルクもちゃんとピアノを弾いてます。決してサボっているわけではありません^^;)。
ピアノは硬質で透明感のある音色。タッチはデリケートで、ダイナミクスも広い。速いところや強奏部でも崩れないのは、さすがにワイセンベルクのテクニックだろう。

第2楽章は、この演奏の白眉。なんと8分45秒もかけてゆく。
遅い。遅すぎる・・・・。
伴奏がゆっくりと情緒纏綿と歌い上げてゆく。ムード音楽もかくやと思わせるほど、情感たっぷり。メロドラマか?・・・。
聴き手に泣けとばかりに、木管がむせび、低弦がうねる。
その上にクリスタルな輝きでピアノが滑ってゆく。
いやはや、もの凄い伴奏。媚薬のような演奏。だんだん感覚が麻痺してくる・・・。
アルゲリッチ/コンドラシン盤が6分20秒で駆け抜け、リヒテル/カラヤン盤が6分55秒で終わるこの第2楽章を、9分近くかけるとは!

終楽章も雄大なスケールは変わらない。テンポも堂々と、急くようなことはない。
第2楽章があまりにも遅いので、走り抜けるような錯覚に陥るが、なんの、テンポはゆったりなのだ。
ワイセンベルクのピアノは切れ味鋭く、ここでもダイナミクスは広い。
でも、それもカラヤンの指示のような気がしてならない・・・・・(^^ゞ。

というわけで、異形の演奏。異様な伴奏。
でも、媚薬のような魅力に富んだ演奏。

なお、このLPは、カップリングがラフマニノフのピアノ協奏曲。
長時間録音盤で、音はパッとませんな。
CDなら、もっと良い音がするんでしょうが、なにせEMI・・・。
先日1300円盤で見つけたので買い直そうとは思いましたが・・・レコードでもいいかな(^^ゞ。

「3枚買ってくれたら1枚やるぞ」というキャンペーンに釣られそうにはなっているんですが・・・このテのサービスに子供の頃から弱くて・・・・・・・(^^ゞ。




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