クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

シューマンの「子供の情景」 クラウディオ・アラウ(Pf)

2006年06月18日 03時00分49秒 | 声楽曲・オペラ
今年は、梅雨らしい梅雨です。どんよりとした曇り空が続きます。
いつ降るか、いつ降り出すか・・・・気を揉むような、この数日の天気です。
日照不足も心配でして・・・・・・・さて、田植えがほぼ済んだ、あの稲たちは大丈夫かな。
尤も、水不足になりがちの瀬戸内地方には、この雨は恵みの雨かもしれません。

今日は、シューマンのピアノ曲を。

「子供の情景」作品15。
ピアノ独奏はクラウディオ・アラウ。
1974年3月録音のフィリップス盤。(カップリングは「謝肉祭」)

「シューマンはまず歌曲、そしてピアノ曲」とは、吉田秀和が『LP300選』で云っていたのだったか。
ボクにとってのシューマンは、断然、交響曲作家であって、我が家には彼の交響曲全集がナンボでもある。CDなら2枚組で収まるから実に買いやすい・・・・そのせいもあって、ついつい貯まってしまう。(ブラームスの交響曲全集も同じように増えてゆくわけだが・・・・(^^ゞ)

そんな訳で、シューマンのピアノ曲のエントリーは初めてであります。
「子供の情景」。
ふだんあまり聴かないシューマンのピアノ曲だが、これはよく聴く。
理由は、トロイメライが入っているから。
クラシック音楽を聴くようになって以来、この曲が好きなことは変わらない。何と心落ち着く柔らかな音楽であることか。

アラウのピアノは、大らかで包容力に満ちている。
テンポもあまり速くなく、落ち着きがあって聴きやすい。
トロイメライなどは、もう美しさの限り。ゆっくりと、慈しむように弾いてくれる。甘い囁きのような、慈愛に満ちた響きがたまらない。
これ、ホンマにエエ音楽やなぁ。

ピアノの音は残響豊かなフィリップス録音のためか、やや太め。たっぷりと堂々と鳴っている。恰幅の良い響きで、重量感もあるが、もたれることはないし、鈍重な感じはない。
それより、着実な歩みがもたらす豊かさが素晴らしいし、フォルテでの豊麗な響きが混濁せずに聴き手を包み込んでくれるのが、とてもイイ。

そして、ゆったりとした息づかい。ちっともセカセカしない。深々としたフレージングでピアノがたっぷりと鳴るのがイイ。これが包容力、大人風という印象を与えるのだろうな。

今から30年以上も前の録音なのに、素晴らしい音です。
アナログ録音絶頂期の、フィリップスの名録音であります。
カップリングの「謝肉祭」も素晴らしい演奏でありました。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿