クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調 ポリーニとアバド/VPO

2006年04月23日 02時45分46秒 | 協奏曲
肌寒い一日でした。昼から雨がしとしと降って、外出もせず、のんびり休日を楽しみました。
こういう日はクラシック音楽鑑賞であります。
4月に入って平日は帰宅が遅いので、こういう時に「まとめ聴き」しておかなくちゃ、体調が悪くなりますな。


で、今日はブラームスを。

ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品83。
マウリツィオ・ポリーニのピアノ、クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルの演奏。1976年録音のDG盤。このレコードはブラームス生誕150年を記念したDGの全集からの1枚。
イタリアのピアニストにイタリアの指揮者によって演奏された、このレコードは快作。
実にこの二人は協奏曲の相性が良いと思う。

第1楽章の冒頭、素晴らしい音色のホルン。一聴、ブラームスの世界に引きずり込まれる。深々としたホルン。奏者はおそらくウィーン・フィルのトップ、ローラント・ベルガー。彼のホルンが聴けるだけでもこのレコードは値打ちがあると思うのだが。

ポリーニのピアノは、ギリシャ彫刻の肉体美のように、均整が取れて美しい。クッキリとメリハリがついて、スポーツマン的な爽快感もある。
色で例えると大理石の白。エーゲ海に浮かぶ島々の建造物が太陽に映えて輝くときの白。技術的にも完璧。非の打ち所がないピアニズム。

ポリーニは1番の協奏曲の方をベームと録音しているが、こちら2番のように、アバドと組んだ方が快活で生気に満ちているように思う。曲想のためではなく、やはり気心の知れた同国人アバドの方が、楽に弾けたのだろう。

そう、この演奏でポリーニが気持ちよく弾けた功績の半分は、アバドにある。
ポリーニが南国的なカラッとしたピアニズムでブラームスに迫るとき、アバドは同系色の響きをオケにつくらせて、優しくしかも確実にポリーニを支えてゆく。

時々ハッとする響きもつくり出す。

ポリーニの自己主張に比べてやや控えめだが(伴奏だから当然か)、その音は、しっとりと濡れているようだったり、フワッと羽毛のように軽かったり・・・・ニュアンスが多彩で、伴奏を聴いているだけで面白いんだなぁ・・・・。
ホンマにアバドは「合わせもの」が巧いなぁと思う。特にポリーニと組んだ協奏曲には名演が多いと思う(バルトークなんか凄かったもんね)。

第3楽章のチェロのふくよかさ、ストリングスの優美さは、ウィーン・フィルならではだし、全体的に響きがだぶつかずキリッと引き締まっているのはアバドのバトンのたまもの。
終楽章の目眩くようなピアノは、これぞポリーニと快哉を叫びたくなる。


ちょうど30年前の録音になってしまいましたが、今も十分に美しい音で聴けます。
ポリーニのピアノは、重量感も適度にあって、大理石のような美しさ(何度も書いて恐縮ですが(^^ゞ)・・・・再録音もあるようですが、ボクにはこれで十分であります。




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