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ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

萩原百合 9坪ハウス狂騒曲 知恵の森文庫 光文社

2014-12-31 18:45:43 | エッセイ

 先日、唐桑コミュニティ図書館で目についた本。

 3間×3間の9坪の建築面積、2階が6坪あって、延べ床面積でいうと15坪。模型みたいな家、といえばいいか。

 「増沢邸は、日本建築史のなかでは最小限住宅のひとつとして有名な建物だという。」(14ページ)

 「増沢まこと(さんずいに旬で、まことと読むらしいが、この漢字はパソコンに登録がないようだ。)さんっていう建築家が自邸として建てた、木造二階建ての家」(21ページ)

 「増沢邸には、実際、増沢夫妻と子供たちが住み、ある時期にはお手伝いさんも一緒に暮らしていたという。1952年に竣工…(中略)…といえば、戦後まもない時代、食糧難、住宅難、モノというモノが不足していた時代に、増沢(まこと)さんは27歳というわかさで自邸を建てた。」(23ページ)

 戦後の著名な建築家の建築を、著者のご主人の会社の展示会で再現した、その骨組みを活かして、自邸を建ててしまった家族の物語。

 建て始めから、実際に住み始め、改装したりする経過までふくめての紹介。

 2001年に単行本を刊行、2004年に文庫化。

 9坪ハウスは、南面に大きな開口部を持った正方形の建物で、おもちゃのようでもあり、興味を引かれるものであることに間違いはない。

 こんな家なら住んでみたいとも思わせられる。

 建築家と相談しながら、限られたスペースで何を活かしていくか、何を捨てるか、工夫していく。こんな小さな家で、見学会も催し、パーティも開いてしまう。

 楽しい本でした。


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