ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

時代遅れのKY あるいは、優れたコピーライターの不在

2024-06-22 11:15:40 | エッセイ
 小池百合子のキャッチフレーズが、東京都大改革3.0とか、「もっと!世界で一番の都市 東京」だとか言っている。
 3.0というのは、3期目ということだろうが、これはちょっと前に、コンピュータのソフトのバージョンから来て、よく使われた「なんとか2.0」というネーミングの使い回しであるが、一般的に言葉というのは、ちょっと前に流行ったのが一番ダサいということになっている。新たなバージョンで、またまた大きな改革を進めるというイメージ付けをしたいところなのかもしれない。しかし、その狙い目は見事に外れているというべきだろう。ちょうど使い古されたと感じ始めたところの流行語を使った残念なキャッチフレーズである。
 「世界で一番の都市」などというのも、グローバルな新自由主義的、金融利潤至上市場主義の風潮のなかでこそもてはやされる言葉である。これも、時代遅れのスローガンで残念でした、ということになる。さらに、これは、蓮舫氏の「一番でなくてはダメなんですか」とか、何年か前に言ったセリフへのあてつけ、皮肉でもある。陣営は、皮肉などではないと否定するだろうが、文脈的にあてつけ、皮肉として機能してしまう文言である。皮肉をかましたつもりが、自らの時代遅れの感覚をあからさまにしてしまうという皮肉が、ブーメランのように帰ってくる結果となっている。自らの優位性を語るつもりが、時代が何を求めようとしているのかをつかみ損ねたピントの外れた感覚があからさまになっている。
 ピントがずれているといえば、「AIゆりこ」である。
 時代の最先端の技術を使いこなす優れた政治家をアピールしたいのだろうが、AI技術に関しては、政治はむしろその負の側面、弊害を考慮すべき局面となっているのではないか?経済界は有効利用の先端に立ってしかるべきかもしれないが、政治、行政は、むしろ、その弊害を最低限に抑える努力をこそすべきところである。
 どうだろう?
 KYは、我が道を行くKYでいいのかもしれないが。
 なんか、小池百合子氏の陣営には、優れたコピーライターがついていない感じがする。電通とかには、優れたクリエイターがもはやいないということだろうか。
 その昔、就職試験で電通を受験し、筆記試験は通ったが、面接で落とされた人間としては悲しむべき事態である。


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