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ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

そこに

2013-06-13 00:25:05 | 嫌いだ嫌いだ
消防車がサイレンを鳴らして走ってきて
そこに
停まる

煙は立たず
もちろん
炎も見えない

終夜灯りの灯る
コンビニの駐車場に

何のために
サイレンを鳴らして走ってきたのか?

なぜ
そこにいるのか

あそこまで
降りて行けば
なにがしかの
ありふれた理由がある
ことが分かるのだろう

とほうもない真実が隠されている
訳ではないのだろう

はた迷惑ないたずらだったり
かん違いの誤報だったり
あるいは
建物内の小火が
備え付けの消火器で
無事に短時間に
消し止められたとか

恐らく明日の新聞に載ることもない
日常のつまらない出来事として
忘れられていくもの
に違いない

サイレンを鳴らして
夜食を買いに来た
というのであれば
あさっての新聞には載るだろう
そんな間抜けな話が
何年かまえには
報道されていたような気がする
しかし
そんなばかげた話では
あるはずがない

赤い灯りがぐるぐる回る
消防車が
灯りのついたコンビニの前に
停まっている
まだ動かない
動く気配がない

答えの見えない謎が
そこに
留まっている
謎のままそこに止め置かれている
謎が謎のまま
解き明かされることを拒んで
いるかのように

ああそう
私は
そこに
坂を下りていくことを
しない
ここに
いる

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