みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『湯を沸かすほどの熱い愛』観ました。

2018-05-26 16:00:00 | 邦画
2016年・クロック・ワークス。 監督:中野量太。 WOWOWからの録画。
評判がいい映画のようなので観てみました。
自分的には宮沢りえ(本作のヒロイン)、といえば飛びきり
美少女のイメージしか残っていませんが、改めて今回の映画を見せていただくと、
本物の女優さんに成長されたなあと感じいるモノがありました。
夫の蒸発や娘の養育などのさまざまな悩みに加え、突然癌の余命宣告を受けた
ヒロイン・幸野双葉が、めげずに家族の再建に懸命に取り組んでいくさまを、
感動的に綴ったドラマです。
ただテーマがちょっとてんこに盛りすぎじゃないかなとは感じました。

 
店主蒸発につき、当分の間休業します(^^;      取りあえず生活をしていかねばならない。

下町のとある一軒の銭湯、幸の湯
とつぜん夫(幸野一浩)が行方をくらましてしまう。以来、何の音沙汰もない。
代表者が不在のままでは湯屋の営業もままならず、
生活のためパン屋のパートに出る妻(幸野双葉)。

 
イジメに遭っている様子だが安澄の口は重い。     どうやら夫はこの辺に住んでいるようだが。

ある日、安澄の学校からパート先に連絡が入る。何も言わないが、どうやら娘の安澄は
学校でイジメにあっているようだ。
双葉は彼女を力づけたり慰めたり。しかし厳しいようだが、結局これは本人が解決して
ゆくべき問題だ。母親には見守るしか術がない。

 
久々の対面。猛烈に腹を立てる双葉。        かくて幸の湯の営業再開。

なんとか伝手をたどって夫の居場所を探しだす。
どこぞの女のアパートに転がり込んでいる夫とご対面(^^;
むかっ腹まじりに、浩一の手にしていたお玉をもぎ取って、思い切り頭を殴りつける。
かくて事態は収束~解決。かくて幸の湯の煙突から再び煙が昇りはじめる。

 
医師から末期がんを告知される双葉。        滅多にない家族旅行。安澄には旅の本当の目的は秘密だ。

双葉自身も愛には恵まれぬ境遇の中で育ってきている。
なにか次々と問題が提起されていく筋立てで、一本の映画の中でちょっと欲張りすぎだろと
言いたくなる。観ている方が消化不良を起こしそうになるよ、コレ。

それというのも泣ける映画というか、泣いてください的内容を
目指しているんでしょうが、自分的はなぜか最後まで泣けませんでした(^^;
たしかに脚本はよく練られているとは思いましたが、エピソードが多すぎるです。
じっくり落ちついて観られないため、何かあと1ミリ感動に手が届かないような
もどかしい感じがありました。
ところで出ている俳優さんたちは、どなたも演技の水準が高くて感心しました。
細かなディティールの中に深みある心情が見られたり。
そういう意味では、とても惜しいような感じの残る映画でした。
ただヒロイン(=宮沢りえ)の死に際の表情が物凄くて、正直そうとう怖かったです(^^;
あれはやっぱり生に対する執着からくるものなんですかね?